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カテゴリー: アフリカ

カントリー・オブ・マイ・スカル

カテゴリー:アフリカ

 著者 アンキー・クロッホ、 現代企画室 出版 
 
 タイトルからは何の本やらさっぱり分かりません。南アフリカで続いていたアパルトヘイトの被害者と加害者のあいだで「和解」を成立させようという大変地道な努力がなされているのです。血には血を、ではいつまでたっても社会に平和は来ない。平和と秩序を回復するためにはどうしたらよいのか、真摯な努力がえいえいと続けられてきました。その困難な状況が明らかにされています。
今の日本では、死刑制度賛成が85%、圧倒的です。複数の人を殺したら、即、死刑にせよというムードにあふれています。本当にそれでよいのでしょうか。死刑制度は決して犯罪を抑止する効果をもたないし、「犯人」を死刑にしたからといって被害者が生きかえるわけではありません。遺族の「報復感情」に国は易々と応じるだけで、本当に責任を果たしたことになるのか、みんなで真剣に議論すべきだと思います。裁判員裁判で相次いで死刑判決が出た今こそ、もっともっと根本的な議論をして、深めるべきではないでしょうか・・・・。
スカルとは頭蓋骨のこと。南アフリカ内外に人骨が無数に埋められている現実がある。
1994年4月、南アフリカで1人1票の全人種参加の総選挙が実施された。そして、ネルソン・マンデラが初の黒人大統領に就任した。そして、1995年、国民統合和解促進法によって真実和解委員会(TRC)が設置された。1996年4月から活動を本格化させたが、その中心が公聴会であり、南アフリカ全土に実況中継された。
 このとき、加害者は、自らの罪を詳しく述べたてることと引き替えに、責任を問われないことになった。嘘をつけば、刑事訴追の対象となる。だから、虐殺に加担した警官は、誰の命令によって、誰を、どのように拉致し、どのように拷問し、どのように殺害し、どのように遺体を処分したか、正直にすべてを語ることになる。そして、被害者(遺族)には、真実と若干の保証金と引きかえに加害者を許すことが期待される。
 南アフリカの白人といっても、アフリカーナとイギリス系白人(ユダヤ系をふくむ)に分かれ、両者には、心理的な距離があり、インテリをのぞくと通婚もない。黒人を弾圧する警察機構の担い手はアフリカーナであり、黒人労働者を殴打する工場長も農場主も、その多くはアフリカーナであった。イギリス系白人は、汚れ仕事をアフリカーナに押しつけつつ、白人としての特権は手放さず、「私はアパルトヘイトにはずっと反対だったんです」と語る。きわめて偽善者である。
 そして事態は単純ではない。加害者が白人だとは限らない。警察に協力し、同胞に対して歯止めのない残虐行為を働く黒人がいた。
 さらに、犠牲者は活動家だけではない。「密告者」のレッテルを貼られ、活動家に焼き殺された無実の人々がいた。解放運動の爆弾闘争によって生命を失った白人市民がいた。白人警察官に殺される白人の共産主義者もいた。拷問による自白情報によって同志が居場所を知られ、無慈悲に虐殺されることもあった。
公聴会では、拷問したものと拷問された者が対面する場面が何回もあった。 
 アパルトヘイト犯罪のなかで地位の高い政治家たちが責任をとらず、現場の警察官の逸脱のせいにしようとした。自己の罪に向きあって人格が破綻していく殺人者の方にこそ、人間としての誠実さが感じられることがあった。
 正常な社会では、子どもがいるべき時刻に家にいなければ友達の家にまだいるかもしれないと考えられる。しかし、アパルトヘイトの下では、警察署に行って捜し、次に刑務所、それから病院、そして最後には死体保管所へ出向く。なんという残酷な現実でしょうか。 真実和解委員会が調査していた期間に2500人、年に100人もの囚人が絞首刑に処せられた。その95%が黒人であり、判事は全員が白人だった。うむむ考えさせられますね。
上下2段組で400頁をこす大著です。内容もぎっしりと重味があります。思わず目をそむけたくなる真実が語られています。でも、目をそらすわけにはいかないのですよね。
(2009年2月刊。1600円+税)

悲しみのダルフール

カテゴリー:アフリカ

著者:ハリマ・バシール、ダミアン・ルイス、出版社:PHP研究所
 スーダン・ダルフール出身の女性医師が、暴行・レイプ・虐殺などの残虐行為を生きのびた自身の半生を告白する。スーダン政府軍と民兵による、アフリカ系先住民の大量殺戮の現実がここに。
 これは、オビにある言葉です。スーダンで大量虐殺(ジェノサイド)が起きている現実は以前から断片的に報道されてきましたが、この本は、自分の悲惨な体験をあからさまに語っているところに特色があります。いったい、どうしてこんな残酷な事態が続いているのでしょうか・・・。
 ダルフール紛争による死者は40万人にのぼり、250万人もの人々が混乱をきわめる広大な難民キャンプ、絶望と苦難の地に逃れることを余儀なくされた。
 著者の属するザガワ族は、気性の荒い戦闘的な部族で、不名誉や恥辱に比べれば、暴力による死、残酷な死、自死のほうがはるかにましだと考える。
 ザガワ族は、気性の荒い戦闘的な黒人の部族だが、よそから来た人を迎えるときには、とても気さくに寛大な態度で接する。
 ザガワ族の社会では、娘がザガワ族の夫を見つけられなかったり、夫に捨てられたりすることは、最悪の事態なのだ。
 ザガワ族のしきたりでは、割礼は少女が大人の女性になる通過儀礼である。著者は何も知らず、花嫁のような扱いを受け、新しいきれいな服と靴を身につけた。そして・・・。
 どうして、祖母と割礼師は、こんな酷い目にあわせるのだろうか・・・。私は、こういう体で生まれてきたのに、何がいけないというのだろうか・・・。
 割礼を受けた性器にはひどい傷が残るので、自然分娩はきわめて危険なのだ。どうしても理解できないのは、割礼の儀式での女たちの役割だった。祖母も母も、自分の割礼のときと同じ苦しみを味わい、同じ精神的な打撃を受け、裏切られた気持ちになったはずだ。それなのに、こんな私の機嫌をとり、おだて割礼が良いことで正しいことなのだと納得させようとしたのだ。今も、このむごいしきたりは続いているようです。
 学校から家(自宅)に帰ると、祖母がごほうびを用意して待っていた。じっくりと油で揚げたイナゴがたくさんのお皿に盛られていた。一つずつ手にとって、頭と羽をむしり取り、残りを口のなかに放り込んでかむと、甘くて脂っぽい汁が口のなかに広がり、次から次へと食べたくなる。
 うへーっ、イナゴって、本当においしいのでしょうか・・・。私は、あまり食べる気がしません。
 著者はなんとかスーダンを脱出し、イギリスにたどり着きます。ところが、亡命が認められません。意を決してテレビ局にも出演して実情を訴え、世論を動かします。それでも、今なお全面的な解決とは縁遠いようです。
 最後にスーダンの中央政府の蛮行を支持しているのは中国だと指摘されています。
 中国がスーダン中央政府を支援しているのは、石油にある。中国はスーダンの最大の石油輸出相手国である。そして、中国は、スーダンへの最大の 投資国でもある。中国はスーダン中央政府と癒着している。中国はスーダンから石油を買って、スーダンに武器を売却している。
 スーダン中央政府は、国連安保理の決議を再三にわたって拒否し、平和維持軍の活動を妨害している。それを中国が後押ししているというのです。ひどいですね。
 ともかく、スーダンの内政が一刻も早く安定化することを願うばかりです。
(2010年4月刊。2200円+税)
 沖縄に行ってきました。今年三回目です。いつも一泊ですから、せいぜい国際市場と首里城くらいしかいけません。今回は久しぶりに首里城に行ってきました。モノレールの駅から歩いていくと、途中に「ハブにご注意」という看板が出ていました。こんなところでハブに咬まれたら大変だなとゾクゾクしてしまいました。
 羞恥上は、うるし塗りの補修工事中でした。たくさんの修学旅行生の合間を縫って見学しましたが、殿中に新しく休憩所ができていました。
 核「密約」疑惑は十分に解明されていません。今でもアメリカは有事のときには核兵器を持ちこめることになっているように思います。その持ち込み先の一つが沖縄です。沖縄の新聞を読むと、基地問題について、本土との温度差がいかに大きいか反省させられます。

ライオンの咆哮のとどろく夜の炉辺で

カテゴリー:アフリカ

 著者 ジェイコブ・J・アコル、青娥書房 出版 
 
 アフリカは南スーダンの民話です。紛争が絶えず、大虐殺の続くスーダンに、このようなすばらしい民話があったとは・・・・、驚きました。
 人類発祥の地であればこその民話の数々です。
 取り囲んでいるのは暗闇ばかり。雨が降って、雷が鳴り響き、稲妻が走る、そんな夜。すぐ近くの森からは、襲いかかるヒョウを迎え討つ雄のヒヒがフーフーと荒い息を吐きかけ、それに応戦するヒョウが喉をしぼった脅し声を立てるのが聞こえてくる。あたりでは、ハイエナがまるで人のように笑い声を立てる。ライオンが吼え、草葺き屋根の天井では、白蟻たちが恐れおののいてチリンチリンと鈴の音のような音を立てはじめ、そして思わず小屋の床にポトポト落ちてくるのだ。蛙やコオロギなどの虫たちのうたう声が、その背景に天然のオーケストラのごとく満ち満ちている。
 このように語られると、昔話の語られる情景が眼に浮かんできますよね・・・・。
ロンガール・ジェルの子孫は、ゴンの人びと、あるいはパゴン氏族として知られるようになった。パゴン氏族の人びとは、今日でも、ゴン、つまりヤマアラシを温かく自分たちの家に迎え入れる。そして、ヤブに戻す前に、ヤマアラシに牛乳とバターをご馳走してやる。アチュイエル(鳶の人びと)として知られるパイィー氏族がいて、彼らは鳶(とび)を殺さない。ミイル(キリン)の人びとと呼ばれるパディアンバール氏族はキリンを殺さないし、その肉も食べない。コオル(ライオン)の人びと、つまりバドルムオト氏族は、ライオンに獣を与えたやることはあっても、ライオンを殺すことはない。
人間がライオンになり、ライオンが人間になるという前提で語られる民話があります。動物の世界と人間の世界は紙一重で、自由に行き来できるのです。
 デインカの知恵の類ないふところの深さを直に本書は伝えてくれる。そこは、人生の真実を語るがゆえに、悪夢がその中に居すわるという、魅せられたる魂の物語をつむぎ出し、ライオンの咆哮ととどろく夜の炉辺で心静かに耳を傾ける人びとの住む土地なのである。
 スーダンという国を知るうえで欠かせない本だと思いました。
(2010年6月刊。1500円+税)

南アフリカらしい時間

カテゴリー:アフリカ

著者:植田智加子、出版社:海鳴社
 しっとりした雰囲気に浸ることの出来る本です。列車に乗って1時間で読みきれず、目的地に着いてから、しばしホームで読みふけって、なんとか読了しました。
 先に「インビクタス」(NHK出版)を読んだばかりでしたので、27年間の囚人生活を過ごしたマンデラ大統領に親近感を抱いていたところ、なんと著者はマンデラ氏を鍼治療していたというのです。しかも、大統領になる前からのことでした。マンデラ氏の早朝散歩にも一緒につきあっていたというのです。
 マンデラ氏だけではありません。タンボ氏そして、シスルも、著者の患者だったというのですから驚きです。日本人女性が、南アフリカでも鍼灸師として活躍していたなんて、まったく信じられないことでした。
 この本は、日本人女性が妊娠して出産し、一人で子育てする生活が淡々と描かれています。いえ、実は「淡々」どころではありません。「子殺し」がよく分かる心境が語られているのです。でも、それに待ったをかけたのが現地の人々でした。アパルトヘイトに身をもって反対した人々たちが、さりげなく著者の子育てを支え、また、子だくさんのなかで育ちあっている子どもたちにも助けられたのでした。
 南アフリカの治安の悪さ、そしてストリート・チルドレンの子どもたちの様子も紹介されています。
 10年ほど前に雑誌に連載されていたものが最近になって単行本化されています。
 この本に登場してくる長男さんは、今はどこで何をしているのでしょうか・・・?
(2010年4月刊。1800円+税)

南アフリカの衝撃

カテゴリー:アフリカ

 著者 平野 克己、日経プレミアシリーズ 出版 
 
 南アフリカの寒々とした実情が紹介されています。
サッカー・ワールドカップを成功させた南アフリカは、凶悪犯罪の発生率が群を抜いている。5000万人の人口のうち、毎年2万人が殺人事件で殺される。日本では600人なので日本の100倍だ。
 南アフリカには組織犯罪がはびこっていて、警察も腐敗している。警察官は一般公務員にくらべて薄給のうえ、毎年200人も殉職している。2008年には、犯罪組織から賄賂を受け取っていたとして、こともあろうに警察庁長官が逮捕された。この人は元国連大使で、警察庁長官時代にはインターポール(国際刑事警察機構)の総裁もつとめていた。逮捕される前には、ワールドカップの開催期間中は売春を合法化するよう主張していた。売春は犯罪組織の主要な収入源のひとつである。うひゃあ、なんということでしょう。信じられません。ただ、日本の警察庁長官も身分(収入)不相応の億ションに住んでいると指摘されたことがありました・・・・。
 南アフリカでは、授業ボイコットがアパルトヘイトへの抗議と考えられ、学校をドロップアウトする若者が続出した。アパルトヘイトが終わった今、彼らの多くは学校教育を受けていない、単なる無学歴者になった。労働経験がなく、労働意欲のないものも多い。民主化のために戦ってきたものの、民主化の恩恵を受けることはなく、多くが失業者か犯罪者となった。そんな人々が100万人から200万人もいる。
1750万人の労働人口のうち400万人が失業している。失業率は24%にもなる。
大量失業を生んだもう一つの原因は農業にある。アパルトヘイト体制化で黒人から土地を奪ったため、黒人農村が消滅してしまった。
うまく立ち回ったものだけが望外な報酬を手にするという社会では、相互信頼のかわりに嫉妬が発火するだけ。狡猾と嫉妬が生み出すものは、汚職と犯罪だ。
 南アフリカには1300人の日本人が生活している。日本とアフリカの経済関係は南アフリカに集中してきた。日本は、プラチナ、マンガン、クロム、バナジウムを南アフリカから輸入している。
 日本で販売されているベンツやBMWの多くは南アフリカ製である。南アフリカの自動車製造は、国の基軸的産業になっている。 
2000年以降、中国のアフリカ攻勢はすさまじい。1990年代にはアフリカ大陸全土で5万人といわれていた中国人は、今や75万人といわれる。中国製品は、アフリカのどんな国にもありふれている。なかでも一番、中国人の多いのが南アフリカだ。少なくとも20万人の中国人が住んでいる。だから、犯罪被害にあう中国人も多く、2005年に22人だったのが、2006年には14人が殺害された。
 中国から南アフリカに進出している企業は30社だが、南アフリカから中国へ進出した企業は300社もある。
 南アフリカという国を少しばかり知りました。やっぱり怖い国だなと、つい思ってしまいました。スミマセン・・・・。
 
(2009年12月刊。850円+税)
 フランスには回転ずしまで進出しているのですね。ちっとも知りませんでした。パリのカルチェラタンには、漢字で「寿司」と書いた店がありますが、なかは回転寿司でした。
 デイジョンで泊まったホテルの隣にも、小さな回転寿司の店がありました。こちらは立派そうなカウンターでしたから、高級回転寿司の店のようです。
 リヨンには、町のあちこちに見かけました。
 魚、そして寿司は、健康に良いという評価がフランスで定着しているのでしょう。値段も安いですしね。

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