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カテゴリー: 社会

作家はどうやって小説を書くのか・・・Ⅱ

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者 パリ・レヴェー・インタヴュー 、 出版 岩波書店 
登場人物の名前は、どうやって決めるのか?
電話帳とか死亡広告の記事とか・・・。
そうなんです。私も名前には苦労しています。主人公の名前はありふれておらず、印象に残りやすいものに工夫します。そして、その他、大勢の人は印象薄い名前でいいのです。
ハリウッドのお金は、お金じゃない。あれは、凍った雪なんだ。手にもつと溶ける。自分以外のなんにも残らない。
ヘミングウェイは立って書く。タイプライターと書見台が、ちょうど胸の高さで相対する。作品に取りかかるときは、いつも鉛筆から始める。書見台の上に斜めに紙を置き、左腕で書見台を支え、手で紙を固定し、手書きで紙を埋めていく。
タイプライターに切り替えて、書見台を省略するのは、速く順調に書けているときが少なくとも彼にとってシンプルな、会話を書いているときだけ・・・。
文章を書く作業は、プライベートな孤独な作業であって、書き上がるまでは証人など必要としない。これがヘミングウェイの考えだ。
毎朝、明るくなったら、できる限り早くから書きはじめる。そして、まだ活力が残っていて、なおかつ次の展開が分かっているところで書くのを止め、なんとか我慢して翌日まで待ち、また取りかかる。毎日、前日に書き終えていたところをまず書き直す。それから先に進む。ゲラで最後の書き直しをする。
作品を仕上げるには自分を律する力が要る。規律が必要だ。仕事を邪魔するのは、電話と来客だ。私も書面と格闘しているときには、なるべく電話に出ないようにしています。思考の中断を恐れるからです。
作品の出来がいちばんいいのは、もちろん恋をしているときだ。これには、私もあやかりたいと常々考えています。
健康でないのは良くない。それはいろんな悩みを生み出すきっかけになるし、悩みは意識下の領域を攻撃して才能をつぶす。
読書は絶えることのない活動であり、喜びである。いつも本を読んでいる。あるものを、ありったけ。せっせと補充している。こっちの貯えがなくならないように。作家は、観察をやめたら、おしまいだ。
私は、道行く人の顔と表情をよく見るようにしています。いろんな顔と表情があり、これを文章にしたらどんな言葉になるのだろう・・・と考えるのです。これってとても難しいですよ。
作家も商売をしている、大工が家を建てるように、話をつくる者は、読者が時間をムダにしてしまったと思わないようにする。読者の余暇の時間を拝借するのだから・・・。
ジャーナリストは、メモをいっさいとらずに長時間会話をすること。あとで、その会話を思い出して、自分の受けた印象を書く。目の前でテープレコーダーがまわっていると、意識してしまう。
私は、大学時代のセツルメント活動のなかで、1時間あまりのグループでの会話を記憶のみによって文章で再現する訓練を課し、なんとかモノにすることができました。これは、いま弁護士の仕事にとても役に立っています。
物書きは、みんなそうだけど、小さいときから本を読むのが大好きで、手あたり次第、それこそ食べ物を食べるみたいに本を読んでいた。
私も、まったく同じです。小学校以来、図書室は一番心の休まる、ワクワク感のある場所でした。
(2015年11月刊。3200円+税)

重火器の科学

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  かの よしのり   出版  サイエンス・アイ新書
 著者は、国民が銃の使い方を知っていることは、民主主義の基礎だと主張します。
 徴兵制がなく、戦争放棄を定める平和憲法の下で育った私には、とても違和感のある主張です。
 軍事を理解するには、重火器を理解しなければならない。現代の陸戦では、死傷者の4分の3は砲爆弾によって生じており、重火器をつかった戦闘に勝利できれば、もう小火器をつかう戦闘をする前に勝敗は、ほぼ決している。
 軍事は、政治の重要な部分であり、民主主義国家の主権者たる国民は、軍事を理解しなければ主権者失格である。
 これは正論なのかもしれませんが、実際には、軍事のことが新聞・テレビで語られることはほとんどありませんので、軍事だなんてまったく別世界の話でしかありません。
 大砲はカノン(加農)砲、榴弾砲、臼砲に三分類される。カノン砲は、砲身の長さが口径の30倍以上あり、弾の速度が速いもの。水平に近い角度で発射し、弾速も早いので、弾道は低伸する。
 榴弾砲は、砲身の長さが口径の10倍以上、20倍未満で、射程の長さよりも、大きな弾を飛ばすことを重視している。弾道は、いかにも放物線という形をとる。
 臼砲は砲身の長さが口径の10倍未満で、文字どおり臼(うす)のように太く短い砲身から弾を発射する。極端に上向きの角度で発射されるので、敵にとっては真上から弾が落ちてくる感じになる。射程は極端に短い。
 榴弾(りゅうだん)は、内部に爆薬を仕込んだ砲弾のこと。徹甲弾は、ほとんど鉄の塊で、爆薬は少ししか入っていない。貫通力を強めるため。
 劣化ウラン弾は、爆発するのではなく、比重が大きいので貫通力がある。
 砲身命数は、大口径ほど、また弾の速度が速いものほど短くなる。
 重火器の初歩として、少しだけ知ることができました。
(2014年12月刊。1200円+税)

世界一のおそうじマイスター

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  若月 としこ   出版  岩崎書店
 私も羽田空港の利用者の一人ですが、「世界一美しい空港」に選ばれているとのことです。たしかに、羽田空港にはチリひとつ落ちていませんし、トイレも清潔感にあふれ、安心、快適です。そこで、清掃のプロとして働いている新津春子さんの半生と清掃の極意が紹介されています。
 清掃の仕事は誰でも出来そうだし、「下等な仕事」と見下されそうですが、プロ意識をもって日夜を問わず働いている大勢の人がいることを知ると、決して生半可な仕事ではないことが理解できます。
主人公の新津春子さんは17歳のときに日本へやってきた(帰国した)在留孤児の一人です。中国でいじめにあったり、日本でも大変な苦労をされたようですが、素敵な笑顔で毎日がんばっています。頭の下がる思いです。
 新津春子さんは、ビルクリーニング技能競技会で、日本一になりました。見事な技です。
 羽田空港の利用者は毎日20万人。従業員は3万人。そして清掃チームが500人。
 職業訓練校には建築物衛生管理系ビル衛生管理科という部門があるそうです。新津春子さんは、そこに入って学びました。
新津春子さんは、1個5キロのダンベルを左右にひとつずつ持って、顔の前で、上下に動かす運動を毎朝20分間も続けているそうです。これで両腕だけでなく胸筋、腹筋、背筋をきたえているのです。そして毎日1万7千歩は歩いています。
 新津春子さんがつかっている洗剤は80種類以上もある。用途別に使い分ける。
 さすが清掃のプロです。
 小学校高学年から一般向けの本です。大人が読んでも、もちろんいいのですが、子どもたちが読むと、清掃することの意味を再認識させられ、とても意義深くなると思いました。
(2016年4月刊。1400円+税)

キリンビール高知支店の奇跡

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  田村 潤 、 出版  講談社α新書
 売れているビジネス書なので、どこか参考になるところがあるだろうと思って羽田空港の書店で買い求め、読んでみました。
私はビールを飲むのを5年前に止めましたし、飲んでいたときもキリンとアサヒ、サッポロの味の違いは分かりませんでした。エビスだけは味がなんだか違うなとは思いましたが・・・。
だから、キリンのラガービールがキレのいい味だったと言われても、そうなのかなと、思うだけです。そして、アサヒのスーパードライの味も違いが分かりません。ちなみに私はビールを飲むのを止めてからはノンアルコールのビールも一切飲みません。
海外で日本企業がたたかうにしても、日本の地方のあるエリアで勝ち方をきわめていることが非常に大事なこと。そのエリアをよく見て、エリアの特性や住んでいる人、国土とかチャンネル全部をひっくるめて、もっとも適切な正しい手を打って実績をあげることが出来た人間こそ、海外にいっても通用する。
 ふむふむ、なるほど、恐らくそういうことなのでしょうね・・・。
価格営業とは、安売りのこと。価格を下げたり、リベートを厚くしたりすると、一時的にはそれで売上伸びるかもしれないか、長続きはせず、自分の首を締めるだけ・・・。
 それまでのキリンのラガービールは、喉にガツンとくるコクと苦味が特徴だった。それをスーパードライと同じように若者や女性層に受けようと、飲みやすいタイプに変えた。これが大失敗だった。
上に立つリーダーは、自分が考えて確証の持てることしか部下に言ってはいけない。
また、総花的な営業もダメ。多くの施策を適当にこなしているだけで、競争に勝てるはずもない。大切なことは、約束した目標を達成すること。
結果が出なくても、ガマンして4ヵ月も営業の外まわりを続けていると、みな身体が慣れてきた。すると、いい反応がすこしずつ返ってくるようになった。
ほとんどの客は、ビールの味にはそれほど差がないと思っている。ビールは情報で飲まれている。
高知の人は、なんでも「いちばん」が大好き。離婚率が全国第1位から2位に下がっても悔しがるというのが高知の県民性。
 ええっ、本当でしょうか・・・。
 営業マンの行動スタイルを変えることができるかどうかは、簡単にいうと、視点や心の置き方を変えてみられるかどうか。人によっては身を捨てられるかどうかということなのだ。
1997年に37%に落ち込んでいたシェアは1998年に反転し、2001年に44%となり、高知県では、トップの座を奪回した。ところが、同じ2001年に、キリンビール全体では、40数年ぶりに2位に転落した。
高知支店のがんばりを紹介する本なのですが、あっと驚くような奇抜な策がとられたわけでは決してありません。
著者は高知から名古屋へ転勤し、名古屋でしたのは、会議廃止。
 会議を廃止したため、内勤の人数を減らし、現場の営業を増やすことが出来た。
 日本企業の勝ちパターンは、ひとりひとり、個人では勝てなくても、チームでならば勝てるということ。部分最適の考えを捨てて、全体最適を達成する。そこに成長がある。
 さすがです。売れる本には、なるほど学ぶべきところがたくさんあると感心しました。
(2016年4月刊。780円+税)

戦車の戦う技術

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者 木元 寛明 、 出版 サイエンス・アイ新書 
著者は防衛大学校を出て、自衛隊に入り、戦車一筋の人生を過ごしています。
戦車小隊長、戦車中隊長、そして戦車大隊長、戦車連隊長をつとめました。
乗った戦車は、アメリカ軍供与のM4A3E8戦車、国産の61式、74式、90式戦車です。最新の10式戦車は引退したあとなので、乗らなかったようです。
国産の61式戦車は100%マニュアル。74式戦車はオートマチック操縦。90式戦車は完全オートマチック操縦。コンピュータ制御による射撃統制システム。10式戦車となると、ほとんどロボットに近い戦車。
戦車の世界は人車一体。火力、機動力、防護力と乗員がコラボしなければ、戦車は単なる鋼鉄のかたまりに過ぎない。
戦車のもっとも強力な敵は戦車。現代の戦車は120ミリ級の長大な戦車砲を搭載し、最新式の徹甲弾を発射する。徹甲弾は、マッハ5(秒速1600メートル)という猛スピードで飛翔する。
90式戦車の暗視能力は3000メートルで敵戦車を発見し、射撃できる。これに対してロシア軍の主力戦車T-72とT-80の夜間暗視能力は1000メートルしかない。
90式戦車のサーマル・センサは、目標(戦車)が発する熱と周囲の温度差により映像を形成するパッシブ型暗視装置。
劣化ウラン弾は、安価で貫徹力が大きいので、徹甲弾の弾芯として使われている。装甲板に命中すると、高熱で貫通し、酸化ウランの金属微粒子(放射性物質)を周辺に飛散させる。
90式戦車は砲塔上部まで水没させることができる。
ロシア軍の戦車は、水深5~6メートルでも潜水渡渉できる。これは、ヨーロッパの大河を想定しているため。
戦車というものの初歩を学びました。
(2016年6月刊。1100円+税)

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