(霧山昴)
著者 川崎 哲・青井 美帆 、 出版 地平社
今やトランプのひどさがあまりに目立ってしまい、プーチンはひそかにほくそ笑んでいるのではないのでしょうか。
ホルムズ海峡閉鎖によって原油が日本に入らなくなり、このところナフサ途絶によるモノ不足が大変心配されています。
それにしても、高市首相の無為無策には呆れるというより怒りを覚えます。それでも支持率が53%だなんて、なんて日本人は騙されやすいのかと嘆くばかりです。
でも、まだ希望を捨てたわけではありません。連日のように国会周辺に「高市やめろ」「改憲反対」などを叫んで人々が何万人と集まり、声を上げているからです。この集会について、NHKをはじめ一般マスコミがほとんど報道しないのはおかしなことです。希望というのは、これまでのように年輩者だけではなく、20代と30代で参加者の半分を占めていて、なかでも女性が7割もいるということです。これなら、お隣の韓国にならって高市退陣も夢ではありません。
本書の杉原浩司氏による「死の商人国家」への墜落をどう喰い止めるかの要点を紹介します。
岸田首相(当時)は、「戦闘機の第三国への輸出は国益」だと断言した。殺傷能力のある兵器の輸出を日本はずっと禁止してきました。しかし、人殺し兵器で軍事企業をもうかるのを「国益」だとしたのです。とんでもないことです。
日本は、これまでアメリカの不法な武力行使を一度だって反対したことがありません。いつだってアメリカの言いなり。先日のトランプ・高市会談で高市首相はトランプに抱きつくという醜態を見せて心ある人のひんしゅくを買いました。ホワイトハウスでの歓迎パーティーのとき、両手をあげて踊っている姿は、これぞまさしく「奴隷」の踊りといわんばかりの醜さでした。
高市首相はトランプに何を約束したのか、させられたのか、外交上の機密と称して国民に明らかにしていません。とんでもない首相です。
イタリアのメローニ首相は、もとは高市と同じく右翼のようですが、イタリアはトランプの言いなりにはならないと、きっぱりした態度をとっています。高市には見習ってほしいものです。
今や日本は、国内外の「死の商人」にとって魅力的な市場となっている。なにしろ、軍事費は5年間で43兆円(ローン込みだと60兆円)というのですから、アメリカだけでなく、世界各国が日本に売り込みをかけるのも当然です。
注目すべきはイスラエルです。幕張メッセでの武器見本市には、イスラエル軍事企業が16社も出展した。ドローンを防衛省はイスラエルから購入しようとしているとのこと。
ロシアに攻めこまれているウクライナは、ドローンを大生産してロシア軍と対抗している。ドローンは偵察用から今や自爆型の攻撃兵器となっている。電波妨害を受けるようになると、光ファイバーによる有線ドローンを生み出し、今ではAIドローンが「活躍」している。ウクライナのドローン関連企業は450社もあり、ドローンの95%はウクライナ産だという。
日本でも、三菱重工業やIHIなど、軍事産業でもうけを飛躍的に伸ばしている。そこに防衛省・自衛隊幹部が天下りして、軍産複合体が生まれ、「死の商人」たちばかりが肥え太っていくことになる。日本も落ちぶれたものです。なんとかして歯止めをかけたいものです。
(2025年5月刊。1980円)


