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世界最凶のスパイウェア・ペガサス

カテゴリー:アメリカ

(霧山昴)
著者 ローラン・リシャール、サンドリーヌ・リゴー 、 出版 早川書房
 イスラエルのNSOが誇るサイバー監視ソフトウェア・ペガサスは、暗号化を含むセキュリティを破って相手のスマートフォンに不正侵入し、スパイウェアの存在を知られることなく、端末をほぼ意のままにできる。スマートフォンを使って送受信したあらゆるテキスト、通話内容、位置情報、写真、動画、メモ、閲覧履歴だけではない。ユーザーに感づかれることなく、カメラとマイクロフォンも起動できる。ボタンを押すだけで、遠隔操作による完璧な個人監視が可能になる。
 これは、顧客にとって危険な魅力を放ち、NSOには莫大な利益、2020年の売上げは2億5千万ドルをもたらした。
 今やスマートフォンは、地図、郵便局、電話、メモ帳、カメラとして、秘密を打ち明けられる親しい友人として機能している。そのすべてが知らないうちに盗みとられているとしたら…。
ペガサスは政府機関としかライセンスを結ばず、相手の運用状況には決して関与しない。
 NSOの最初の大口クライアントは、メキシコの国防省だった。メキシコ国防省は、NSOに1500万ドル以上を支払ったが、ペガサスは高価な欠陥品に終わった。2013年8月、ペガサスは、潤沢なオイルマネーを抱えるアラブ首長国連邦政府と契約した。
 ペガサスのシステムはエンドユーザーを追跡不可能にする。メッセージは世界中のサーバーをいくつも経由して送られる。たとえば、まず中国へ、そして中国からオーストラリア、オーストラリアからアムステルダム、アムステルダムからパナマへ、そしてパナマを経由して、標的に届く。
 2021年当時、世界中で2億人をこえるユーザーがいたトゥルーコーラーは国際的なデジタル電話帳に相当する。人権活動家。反体制派、ジャーナリストが自分のデバイスがスパイウェアに感染していないかどうかをみずから確かめられるツールを2014年にクラウディオが開発し、公開した。
 イスラエルの若者から、17歳か18歳で選出され、イスラエル国防軍のサイバー諜報部隊に送り込まれる。この、精鋭中の精鋭は、ヘブライ語で、ロシュ・ガドル(大きな頭脳)と呼ばれる。彼らは、この部隊で兵役義務を果たす。戦闘の危険はない分野だ。
 毎年1000人のロシュ・ガドルが兵役を終えて、民間部門に就職する。すぐに高額の給与が保証され、ハイテクの仕事につくことになる。イスラエルのサイバー・スペシャリストは、国家の誇りだ。
 イスラエル国防軍は、国家精鋭の頭脳を8200部隊と呼ばれるエリート諜報部隊に投入してきた。この極秘部隊では、メンバーは、その名前を外部に話してはならず、自分の任務を家族にも漏らしてはいけない。8200部隊で、とりわけ重視されるのはイノベーション。アイデアは階級に優先する。
 2013年から2017年に、イスラエル国内のサイバーセキュリティ企業の数は171社から420社に急増し、民間投資は6倍にはね上がり、8億ドルを突破した。
 ペガサス・システムはスマートフォンに不正侵入して乗っ取り、端末の所有者を監視するために設計された。これは軍用グレードの攻撃型兵器である。
イスラエル軍は、テクノロジーを誰とも共有しない。だが、モサドは次善のテクノロジーを提供できた。それがペガサスだ。NSOの経営幹部は非常に秘密主義だ。
世界にはスパイウェアの民間企業が多数存在する。
 サイバー監視業界は、実質的にガードレールなしの運営を続けている。
 アップルは、そのスマートフォンの防衛対策のための研究開発部門の施設をイスラエルに建設した。しかし、イスラエル軍の8200部隊出身のNSOのエンジニアたちはアップルのスマートフォンの脆弱性を研究していた。
 いやはや、スマートフォンの情報がスパイウェアによってつつ抜け、つまり私たちは丸裸の状態で生きているというわけです。怖いですね。ちなみに私はガラケー派です。スマートフォンを持っていませんが、何も不便は感じていません。
(2025年1月刊。3300円)

習近平体制の中国

カテゴリー:中国

(霧山昴)
著者 平井 潤一 、 出版 新日本出版社
 2015年の統計ですが、台湾貿易の4割、対外投資の6割は中国大陸向け。台湾の中国進出企業は10万社をこえる。そこで働く台湾ビジネスマンと家族は100万人以上。台湾から中国大陸への旅行者は550万人で、その逆は414万人。あわせて1000万人近い人々が相互に訪問している。
 台湾人の世論調査では、毎回「現状維持」が多数で、「早期統一」や「台湾独立」は少数派。「台湾人か中国人か」という問いに対しては、6割以上の人が「台湾人」だと答える。これは、最新の世論調査でも変わりません(日弁連は、この7月初めに台湾調査を敢行しています)。
中国は、長く「平和統一」を正面にかかげて、武力使用の表明を避けてきた。ところが、習近平は、2019年以来、状況によっては武力行使もありうるという「硬軟両面」の態度を示している。実際にも、台湾周辺での軍事演習を展開している。
 中国共産党の第20回党大会(2022年10月)では、政治局24人に女性が1人も選ばれず、205人の中央委員にも女性は11人のみ。
 習近平の総書記は4期目となり、しかも伝期は「2期10年」という制限は廃止され、終身制となっている。これはロシアのプーチン大統領と同じですね。
 中国は「絶対貧困」の解消から「共同富裕」方針を打ち出した。しかし、格差は10倍以上に広がり、6億人の1ヶ月の収入は月1000元(2万円)でしかない。
中国がGDP総額で日本を追い抜いて、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国になったのは今から15年も前の2010年のこと。
中国も、かつては「核兵器廃絶」に賛成しかけていたが、今では核兵器禁止条約に反対し、核戦力維持に固執している。
 中国の軍事費は、前年比7.1%増の26兆1千億円。国民生活よりも軍事力強化を志向している。これは日本と同じ傾向ですが、金額がケタ違いです。日本が中国に「勝てる」わけがありません。
 中国の軍事力強化は、主力の陸軍ではなく、主として海空軍に向けられている。空母も3隻ももっている。
中国には農民が都会に出稼ぎに行っているため農村留守児童が6千万人以上いる。これは全国農村児童の3分の1以上、全国児童の2割を占めている(2013年)。
中国では、久しく「一人っ子」政策がとられていたが、2016年から「二人っ子」を認めている。
 中国でも労働力不均衡、老後扶養の困難などがあらわれている。中国でも「高齢化」が急速に進んでいる。上海市では60歳以上の市民が市内人口の3分の1を占めている(2017年)。
中国の人口は14億2千万人超で、インドが14億3千万人弱なので、人口世界一はインド(2023年4月)。
 台湾の対中国投資は大幅に落ち込んでいる。しかし、それでも、台湾企業にとって、中国は依然として大きな市場であり、中国にとっても、台湾製の半導体・情報通信関連機器への依存度は相変わらず高い。
 日本と中国、そして中国と台湾の関係を考えるうえで、絶好の参考文献だと思いました。
(2025年6月刊。2310円)

おしゃべりな絶滅動物たち

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 川端 裕人 、 出版 岩波書店
 絶滅した生物といったら、なんといってもアメリカのリョコウバトですよね。数十億羽いたというのに今ではゼロになってしまったのです。信じられません。もちろん、絶滅させた犯人は、人間です。
リョコウバトは19世紀まで、北アメリカでは普通に見られていたハト。全長40センチで、「金、緑、紫がかった深紅」という派出な体色。目は鮮やかな炎のようなオレンジ。日本のカワラバトより一回り大きい。
種としての特徴は、巨大な群れとして行動するところにあった。リョコウバトの飛行速度は時速60マイル(1マイルは1.6キロ)で、とても力強く速く飛ぶ。それが1マイルの幅で、4時間にわたって頭上を通過していくという目撃談がある(1812年ころ)。この目撃談から逆算すると、22億羽になる。最大で37億羽と推計された。
なので、リョコウバトの通過する森は、いわば破壊され尽くす。
人間は、リョコウバトのヒナを捕獲した。ヒナは非常に太っているので、バターやラードの代用品として、脂肪を融かして家庭用に使った。リョコウバトの羽毛を使った羽毛布団は寿命を延ばすと信じられた。1890年代になると、リョコウバトは激減した。人間が食肉のためなどで大量捕獲したことによって、リョコウバトは、わずか20~30年で、数十億羽いたのがゼロになった。これは恐ろしい現実です。
 「人魚」のモデルとされているのがステラーカイギュウ。カムチャッカ半島沖のベーリング島で、1768年に最後の1頭が狩られて絶滅した。ステラーカイギュウが発見されたのは1741年なので、早くも27年後に絶滅してしまったのです。
 ステラーカイギュウは、コンブなどの海藻を食べる。巨大だけど温和な「人魚」。いつも群れで生活していて、コドモやワカモノが常に群れの真ん中にいるように気を配る。浅い海で、静かにコンブを食べる。ステラーカイギュウは、最大10メートルの大きさ。その消化管は152メートルもあり、体長の20倍以上になる。
 コンブを消化して栄養にしていくために必要な長さだった。
ステラーカイギュウには社会性がある。仲間が人間に襲われたとき、逃げるのではなく、むしろ助けようとして、留まってしまう性質がある。メスが人間に捕まると、オスは近づいてきて、人間が何度も殴りつけても、全力でメスを逃がそうとする。それがムダに終わっても、岸まで追いかけてくる。メスが死んだら、オスは矢のようにメスに近づいてきた。
ステラーカイギュウのミルクは非常に濃厚で甘く、粘性がある。肉は牛肉よりやや硬いが素晴らしい味。ゆでるとすぐに柔らかくなる。脂肪は匂いも味も、とても良い。ステラーカイギュウの1頭を仕留めると、3トンの肉が得られ、数十人の船員が2週間は食べ続けることが出来る。
こうやって人間が絶滅させたリョコウバトやステラーカイギュウを知ると、種の多様性を保持することの大切さが実感されます。
 アメリカのトランプ大統領は、まさしく、逆コースに突き進んでいます。悲しい、野蛮な行いです。関税問題だけがひどいのではありません。
(2025年1月刊。2860円)

ヒトラーのオリンピックに挑め(上)

カテゴリー:アメリカ

(霧山昴)
著者 ダニエル・ジェイムズ・ブラウン 、 出版 早川書房
 アメリカで220万部を売り上げたベストセラーだそうです。大学のボート部が、ヒトラー・ナチスの主宰したオリンピック競技に出場するという話です。この上巻では、まだオリンピック競技にまではたどり着きません。ボート部の訓練の様子、そして、ボート競争では何が求められるかというのが、選手たちの心理に至るまで刻明に明らかにされていきます。
戦前のアメリカではボート競技というのはハイクラスの学生が関わるものだったようです。それでも、民衆の関心を惹く競技でもありました。
 ボートは、筋力だけの勝負ではない。筋力の勝負であると同時に、それは一種の芸術であり、肉体的な強さと同じほど、鋭い知性が必要になる。
ボートは、恐らく、どんなスポーツよりも苛酷な競技だ。ひとたびレースが始まったら、タイムアウトも選手交代もない。漕手には、限界まで耐え抜く力が必要だ。
コーチは教え子に、心と頭、そして体で苦難を耐え抜く秘密を伝授しなければならない。
 ボート競技の根本的な難しさのひとつは、漕手がひとりでもスランプになると、クルー全体がスランプに陥ってしまうこと。ボートは、シェル艇に乗ったすべての漕手が完璧にオールをひと漕ぎひと漕ぎしなければ、勝利をおさめられないスポーツだ。すべての漕手の動きは、密に連携しあい、ぴったりシンクロしなくてはならない。メンバーが、ひとりでもミスをしたり、不完全な動きをしたりすれば、リズムが断たれ、ボートはバランスを崩す。漕手は自分の前にいる漕手の動きと、指示を出すコックスの声に全神経を集中させなければならない。
 ボート競争において、こちらにまだ力が残っていることを相手がまだ知らなければ、その力を見せたとき、相手は必ず動揺する。そして、動揺した相手は、ここ一番でミスを犯すはずだ。ボート競技で勝利をおさめるには、自信も必要だが、自分の心を把握するのも、また重要だ。
まず、長さ18メートル以上ある真っ直ぐなI型鋼をビームとして使って、トウヒやトネリコ材で精密な骨組みをつくる。それから骨組の肋材(ろくざい)にスペインスギを長く挽(ひ)いた外板を何千もの真ちゅう釘やネジで注意深くとめつけていく。釘やネジの出っ張りには、ひとつひとつ根気良くヤスリをかけ、それが終わったら、船舶用のワンスをかけてコーティングする。板を釘で骨組みに固定するこの作業は、全体のなかでもことに難しく、神経を使う。ほんのすこしノミがすべったり、槌(つち)を不注意に振りおろしたりすれば、何日分もの仕事が台無しになってしまう。
 ボートは手づくりしていた時代なんですね…。
 ベイスギは、驚きの樹木だ。内部の密度が低いため、ノミでもカンナでも手鋸でも楽に形づくることができる。連続気泡構造のせいで、軽くて浮力がある。
 8本のオールがぴったり同じタイミングで水に入ったり、出たりするというだけの話ではない。8人の漕手の16本の腕はいっせいにオールを引き、16の膝はいっせいに曲がったり伸びたりしなくてはならない。8つの胴体は、いっせいに同じタイミングで前へ後ろへと傾き、8つの背中は同じタイミングで曲がったり、伸びたりしなくてはならない。
ほんのわずかな動作、たとえば手首の微妙な返しに至るまで、漕手全員が互いを鏡にうつしたように完全に同調し、端から端まで一糸乱れぬ動きが出来たとき、ボートはまるで解き放たれたように、優美に、すべるように進む。その瞬間、初めてボートは漕手たちの一部となり、それ自体が意思をもつかのように動きはじめる。苦痛は歓喜に変わり、オールのひと漕ぎひと漕ぎは、一連の完璧な言語になる。すばらしいウィングは、詩のようにさえ感じられる。
 スピードは漕手にとって究極の目的であると同時に、最大の敵でもある。美しくて効果的なストロークは過酷なストロークなのだ。
 すぐれた漕手には、巨大な自信や強烈な自我、すさまじい意志の力、そしてフラストレーションをものともしない強い力がなくてはいけない。自分の力を深く信じることのできない者、困難に耐え苦境を乗りこえる能力が己にあると信じられない者は、ボート競技の最高峰を目ざすことすらできまい。
 ボートという競技は、選手の体をさんざんに痛めつける苦しいスポーツであると同時に容易には栄光をもたらさないスポーツだ。栄光を手にできるのは、何があっても自己をたのむ気持ちを失わず、目標に向かい続けることのできる一握りの選手だけ。
ボート選手には、自我を捨てることも必要になる。並み外れた才能と力の持ち主だが、そこにはスターはいない。重要なのはチームワーク。個々人や自我ではない。筋肉とオールとボートと水が織りなす動きがメンバー同士、一分の狂いもなく同調し、個々のクルーがひとつに結ばれ、全体が美しいシンフォニーのようになることが何より重要だ。
 つまり漕手は、自立心や自己をたのむ気持ちを人一倍強く持つと同時に、自身の漕手としての個性や能力を、そして人間性を正しく把握しなければいけない。
 レースに勝つのは、クローンではない。肉体的な能力と精神的な資質の両面が全体として絶妙にバランスのとれたクルーが勝負に勝つ。クルーの利益のために、自分の漕ぎ方をうまく調節する準備がなくてはいけないのだ。
ボートのクルーの話ではありますが、ここまで極端でなくとも、仕事を立派にやり遂げるにはチームワークこそ必要なことだと思いました。それを文章化していて、すごいすごいと驚嘆しながら読み進めていった文庫本です。あなたにも一読をおすすめします。
(2016年7月刊。980円+税)

考古学者の多忙すぎる日常

カテゴリー:人間

(霧山昴)
著者 角道 亮介・青山 和夫・大城 道則 、 出版 ポプラ社
 正確なフルタイトルは、「考古学者だけど、発掘が出来ません。多忙すぎる日常」というものです。ええっ、ど、どういうこと…。
 発掘調査よりも、研究室にこもって遺物を研究し、データを分析する時間のほうがはるかに長い。石器の使用痕を日本でこつこつと分析し、成果をスペイン語で書いていく。
 マヤ文明の交易、ものづくり、宗教儀礼と戦争という政治経済組織の一側面を9万点もの石器をこつこつと研究して実証明に検証し、英語、スペイン語そして日本語の論文に書き上げる。
 石器を分析する時間のほうが圧倒的に長い。石器の分析が忙しすぎて、発掘する時間がない。うひゃあ、現場で石器を掘り上げてからが大変なんですね…。
 「世界四大文明」というのは時代遅れの間違い。著者たちによって高校世界史の教科書から、時代遅れの「世界四大文明」という用語が消えた。世界四大文明とは、メソポタミア、中国、アンデスそしてマヤ文明。中学の世界史教科書では今も「大河のほとり」で発展したとしている。しかし、マヤ文明の諸都市は「大河のほとり」にはない。文明の誕生に必要なのは食料の確保であり、大河ではない。
マヤ文明には、鉄器、大型家畜、そして統一王朝がない。主要な利器は石器で、家畜は犬と七面鳥だけ。統一王朝もなく、ネットワーク型の文明。文字と暦(こよみ)、天文学を高度に発達させた。いやあ、そんなに違うものなんですね…。
考古学者になろうと考えている学生には、日本の発掘現場でアルバイトして経験を積むようにアドバイスしている。なーるほど、それは大事ですよね、きっと。
 エジプトのヒエログリフを読めたとしても、それだけでは就職先も仕事もない。ふむふむ、そうなんですか…。
発掘現場では蚊の大群に襲われる。トイレのときは悲惨。蚊の地獄。寝泊まりするのは、ジャングルの中のテント。コインランドリーも洗濯機もない。川の水で衣服を洗い、生乾きのまま服を着る。女性の調査員も含めて、プライバシーはまったくない。それを恥ずかしいと思っていては発掘調査はできない。野外調査のもう一つの大敵がマダニ。
 マラリアの予防薬は、欠かさず飲む必要がある。日本製の携帯用蚊取り器はあまり役に立たない。デング熱には予防薬はない。
 こんなに大変な苦労のともなう考古学ですが、ご本人たちは至って楽しそうです。やはり好きなことに一心不乱にうち込めるのがいいのですよね。
(2025年2月刊。1760円)

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