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50歳からの旅行医学

カテゴリー:未分類

著者:篠塚 規、出版社:講談社α新書
 50代も半ばを過ぎている私たち団塊の世代には大変役に立つ実用書で、旅行にもっていくべき薬の名前が具体的に書かれていたり、参考になるところがたくさんありました。
 著者も団塊世代のお医者さんです。日本旅行医学会の専務理事という肩書きがあります。
 旅は毎年、定期的に行くほうが健康効果が高い。旅への準備期間が長くとれ、健康面でも周到に準備できる。ふだんの生活にも励みとハリが生まれる。
 私は、40歳になってから、少なくとも年に1回は海外旅行に出かけるようにしています。といっても、全世界をまわるつもりはありません。なるべく言葉の通じるところがいいからです。これまで行ったことのある国は、多い順にいうとアメリカ、(日本はアメリカの何年か後を追いかけていっている社会ですから、弁護士会の視察先としては、どうしても多くなります)、中国、フランス、韓国(以上が、複数回、行きました)、マレーシア、タイ、ニューカレドニア、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、オーストリアです。アフリカにも行ってはみたいのですが・・・。
 まず荷物は少なくする。1グラムでも軽くすることが原則。無駄なものは持っていかない。私は大賛成ですし、実践しています。この点、観光立国スイスはたいしたものです。フライ・バゲージという便利なシステムがあります。外国で重いスーツケースをかかえてウロウロする必要がないというのは大変に助かります。
 健康のために梅干しをもっていることはあっても、日本食などは絶対にもっていきません。ミネラルウォーターをスーツケースに何本も入れている人がいたのを見たときには、驚きのあまり言葉を喪ってしまいました。着替えも最小限です。ホテルで洗濯しますし、わが家にある古い下着をもっていって、旅先で捨ててきます。紙製ブリーフなども愛用します。
 今回のフランスに携帯湯わかしを持っていかなかったのは失敗でした。どのホテルにもポットがありませんでした。中国のホテルだと、毎日、お茶の入ったポットを持ってきてくれるのですが・・・。やっぱり、熱い日本茶を飲みたいときがありますから、そんなとき、海外旅行用の携帯湯わかしは必需品だと思います。
 靴はウォーキングシューズを2足もっていきます。この本の著者は1足で足りるとしていますが、やはり2足あった方がいいように私は思います。
 下痢しないためには氷にも気をつける。私はマレーシアでかき氷が出されたので困ってしまったことがあります。日本でも、大人になってからはほとんど食べないので、写真をとるふりをしてカメラをかまえて席を立ってごまかしました。
 下痢したときには、すぐ下痢止めの薬を飲んではいけない。悪い菌を体外に出してしまったあとに薬は飲むべきで、2日ほどがまんした方がよい。知りませんでした。そして、水分と塩分をとる。アルコールや、お茶、コーヒーは下痢を悪化させるので、絶対に避けるべきだ。うーん、なるほど、そうなんですか・・・。
 海外旅行で下痢や便秘を防ぐには、毎朝、ヨーグルトを食べるといい。牛乳だとおなかがゴロゴロするが、それは乳糖のせい。ヨーグルトは、その乳糖を分解し、整腸作用があるから、おすすめ。
 朝食はいつもより軽目にし、ディナー夕食の予定があるときには昼もサラダなどで軽くすませた方がいい。まったくそのとおりだと思います。昼は、2人で1本のサンドイッチを分けてすましたりしました。フランスでは、サラダといっても日本と違ってたっぷりのボリュームがあります。
 ひとつの都市に最低2泊、できれば3泊以上するのが、おすすめ。まったくそのとおりだと思います。3泊すると、あいだの2日間を、ゆっくり過ごすことができます。とても心が落ち着きます。もう50代になっているのですから、あわただしく動きまわすのは似合いません。ゆっくり、じっくり自分の足で動きまわるのがいいように思います。
 ふむ、ふむ、なるほど、かなり既に実践しているところがあるぞ、うん。でも、知らないこともたくさんあって、とても役に立ちました。今度はどこへ行こうかな。やっぱり久しぶりに南フランスに行ってみようかな・・・。

美姫血戦

カテゴリー:未分類

著者:富樫倫太郎、出版社:実業之日本社
 幕末の箱館(今の函館)、五稜郭をめぐる維新政府と幕府軍との最後の戦争を舞台とした小説です。といっても、主人公は松前で日本初のパン屋を開業した和菓子職人なのがユニークです。そうなのか、日本で初めてパンをつくるために、職人はパン種(だね)を手に入れるのに苦労したのか・・・、よく分かりました。
 新選組の土方歳三も箱館にまで流れてきていました。ここで、戦死したのです。
 松前藩の内部での勤王派と佐幕派との内紛も背景となっています。維新政府軍は、新式の大砲や小銃ももっていましたが、烏合の衆のために統制がとれず、初戦ではなかなか苦戦したようです。それでも援軍を次々とくり出して幕府軍を追いつめていきました。小説ではありますが、箱館戦争の様子がよく分かりました。
 そして、パンづくりです。最大の問題はパン種をどうするかということでした。当時、箱館にはロシアの領事館があり、パンをつくっていました。でも、パン種は厳重な秘密になっていたのです。大金をつかって教えてもらうか、弟子入りして作り方を盗むしかないという状況でした。それを、日本人の助手から玄米からでもつくれるということを教わり、試行錯誤のうえ、なんとか成功したのです。味噌をつかって味のいいパンをつくることができたということも描かれています。
 主人公が慕う姫君は結核にかかっていました。結核は当時はまったく不治の病でした。父の仇をとろうとして、治療も放棄して銃をとって戦おうとする、いじらしい姫君がいとおしく思われてきます。幕末の函館の姿を知ることのできる小説です。

素数ゼミの謎

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著者:吉村 仁、出版社:文芸春秋
 アメリカには、17年ごとに地上にはい出てきて鳴くセミがいます。地域ごとに、仲間の群れが何十もあって、それぞれの地域で13年あるいは17年ごとに出てくるのです。
 氷河時代を生きのびたセミたちは、温かくなって身体が大きく育つまで、ひたすら天敵の来ない地下で生活します。それも17年という気の遠くなりそうな期間です。すごいものです。偶数だと、地上に出たとき別の種のセミしかいなくて、同種のセミに会えずに終わる危険があります。いろんな種類のセミが混ざりあってしまわないためには、素数しかないのです。大自然の巧まらざる偉大な工夫のひとつです。
 それにしても、13年とか17年に1度だけ、何億匹も大量発生し、あたり一帯では話もできないほどうるさいというのは驚くべきことです。そして、地上に出て鳴くのは、わずか2週間だけなのです。これは日本と同じです。17年セミの大きさは日本のセミより小ぶりだそうです。
 写真と図解によって、この素数ゼミについて解明されています。大変分かりやすい本です。セミが恐竜時代からの生き物であることも、この本で知りました。たかがセミ、されどセミなのです・・・。

全核兵器消滅計画

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著者:中嶋 彰、出版社:講談社
 地球上のすべての核兵器をニュートリノをつかって消すことができる。うーん、すごい・・・。これはSF(サイエンス・フィクション)ではない。本のオビのそう書かれています。
 核軍拡競争の結果、今や地球上には2万発もの核兵器が存在します。それも、次第に小型化していますので、いつアルカイダの自爆テロの武器にならないとも限りません。恐ろしいことです。
 原爆に大爆発を起こさせる条件は、核物質の十分な合体とイニシエーターによる中性子の大量供給。プルトニウム240は、この2つの条件をことごとく台無しにしてしまう。だから、プルトニウム240の割合を減らして、プルトニウム239の比率を大幅に高めないと原爆は完成しない。
 ニュートリノは、身近な存在だ。太陽で発生したニュートリノは、地球にも降りそそいでいる。その数は、1平方センチあたり毎秒600億個にのぼる。ただし、ニュートリノは幽霊のような素粒子で、頭の上にやってきたニュートリノは、気がつかないうちに身体のなかを通過し、地球を貫通してどこかへ去っていく。電気的には中性で、検出するのは非常に難しい。そのニュートリノにも質量があると考えられている。予想によれば、ニュートリノの質量は電子の100万分の1。
 「超高エネルギーのニュートリノビームを利用した核爆弾の破壊」という論文を菅原寛孝が発表した。粒子加速器(ミュー粒子蓄積リング)で超高エネルギーのニュートリノを発生させ、ニュートリノを地球の裏側にある核爆弾に向かって発射する。そして、このニュートリノは、直径が1万3000キロメートルある地球の内部を光に匹敵する速さで通過して核爆弾に達する。すると、核爆弾は未熟爆発を起こし、バラバラに分解されてしまう。
 これに必要なニュートリノを発生させるには、瞬間的とはいえ、原子力発電所50基分が必要となる。つまり日本の発電設備の4分の1を投入しなければならないわけである。
 それでも、地球上の全核兵器を不能兵器に化してしまえるんだったら安いものだ。
 まさに、すごい発想の本です。でも、この本を読んでいると、なるほど、これもありうるんじゃないの、そんな気がしてきました。地道に核兵器の廃絶をめざす運動に取り組むのは、もちろん必要なことです。いずれにせよ、科学者には科学者の責任があるということも改めて考えさせられる本でした。

国際離婚

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著者:松尾寿子、出版社:集英社新書
 外国人の伴侶を見つけて国際結婚をしたいと願うのは、圧倒的に日本人女性の方が多い。彼女らは、決して小額とは言えない費用を支払って国際結婚紹介所に登録する。彼女らは、映画やテレビで見た世界から連想するようなアッパークラスの生活を夢見る。しかし、上流クラスの人たちと結婚することが、どれだけタフな神経を要求されることなのか、彼女たちは肝心なことが分かっていない。言語を操れるのは当たり前。それよりも話す内容が重視される。料理ができるかなんて、そんなのは問題じゃない。とてつもない錯誤がある。しかし、その錯誤によって、国際結婚紹介ビジネスは成りたっている。
 私の住む小都市にも、国際結婚紹介業を営む40歳代の男性がいます。近所にできた大手スーパーにおされて家業が倒産したあと、ショーパブで働く外人タレント向けの宝石販売業をしていましたが、もっともうかるビジネスに転身したのです。成約すれば、かなりの一時金が入ってくるそうです。では、そのあとで破綻したら、どうするのかと訊いたら、それなりのフォローはするけれど、もちろん責任をとることはないということでした。
 国際結婚は年間3万件。国際離婚は年1万5千件。日本人夫と外国人妻の離婚が1万2千件。日本人妻と外国人夫のそれは3千件。
 イギリスでは、離婚に合意しているときの別居期間が2年間、合意がなくても5年間の別居を証明できれば離婚できる。ドイツでは、それが1年と3年と短く定められている。
 日本と海外とでは、このように離婚に関する手続が異なっている。海外では専業主婦は不利に扱われることが多い。
 イスラム社会では、マフルという日本の結納金にあたる慣習がある。夫が離婚したいと行っても、このマフルを全額支払わない限り、夫側に離婚の権利はない。
 アメリカは、経済力が高い配偶者が親権を主張すれば、それが認められる国。もし母親が無職なら、働いている父親に親権がいくことはめずらしくない。
 結婚が破綻したとき、これからどういう人生を送っていきたいかと問いかけて答えられない日本人女性が少なくない。自分の人生すべてを国際結婚にかけ、結婚にあわせた人生設計をしてきたからではないか。それは時代に逆行している。
 離婚して子どもを連れて日本に帰ってきても住みにくい国。これが日本なのに、ちっとも分かっていない・・・。
 私の娘も海外に2年ほど住んでいました。それこそ国際結婚でもするのかと心配していましたが、なんとか独身のまま帰国してきました。生活習慣の違いなどを乗りこえるのがいかに大変なことか、この本を読むと改めてよく分かります。
 関東地方に育った私の配偶者は、いまでも豚骨スープの博多ラーメンは性にあわないといって食べようとしません。ラーメンは、やっぱりしょう油味がいいというのです。逆に私には、あんな水っぽいラーメンなんて本物のラーメンじゃないとしか思えないのですが・・・。

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