法律相談センター検索 弁護士検索

鳥脳力

カテゴリー:生物

著者:渡辺 茂、出版社:化学同人
 鳥は恐竜から進化した動物ではなく、生き残った恐竜なのである。恐竜には、鳥型恐竜と非鳥型恐竜があるのだ。恐竜が6500万年前に絶滅するより前に非鳥型恐竜と鳥(鳥型恐竜)は共存していた。そして、鳥型恐竜は現代鳥として生き残ったのだ。
 なんと、鳥と恐竜の関係は、こんなに深いものだったんですね・・・。
 小鳥は、脳の片半球ずつ眠ることができる。これは、捕食者に対する警戒を絶やさないため。そうなんですか・・・。
 カケスは、ものを隠して、その場所を覚えているという記憶力に優れているばかりでなく、他者のものを盗むという悪知恵ももっている。いやはや、なんとういうことでしょう。
 鳥類は道具をつかう例は、哺乳類より多い。ニューカレドニアカラスは、加工した道具を携帯して場所を移動する。
 伝書鳩の原種はカワラバト。カワラバトを帰巣成績による選択交配を重ねた品種が現在の伝書鳩である。カワラバトは、崖にある巣と採餌場所のあいだ20~30キロメートルを移動する。ドバトは、伝書鳩が二次的に野性化したもの。
 ハトにGPSをつけて飛行ルートを実験してみると、一度ルートを決めたら、同じルートを繰り返す。最適ルートに近づけることはしない。ハトは最短距離を飛ぶより、熟知している、いつものルートで帰巣する習性がある。ハトが帰巣するときに間違うのは、巣の近くに駅や鉄塔など、似たようなものがあったとき。
 訓練したハトは、ゴッホとシャガールの絵を区別することができる。
 ハトは、色とか形の特定のものではなく、全体を見て判断している。
 ハトは細部にこだわる。鳥に弁別訓練を行うと、日本画と西洋画の区別ができるようになる。ハトは、訓練すると特定の音楽が弁別できるだけでなく、ある程度の音楽カテゴリーの弁別も出来るようになる。
 夜に空を渡る鳥たちは、星座コンパスをつかう。夜間飛行する鳥たちは、そのための特別な脳内機構をもっている。
 小鳥の歌には相当複雑なものもあるが、伝える情報は少ない。つまりは求愛か、なわばり宣言である。主たる機能は情報伝達であって、聴衆を楽しませるものではない。
 オウムは音楽にあわせて踊ることができる。
 カラスは鏡にうつった自分を、他のカラスだと見ている。
 カラスが毎週のようにゴミあさりにやってきます。袋をつついて破り、なかのものを散乱させてしまいますので困っています。悪知恵が働くので、今のところはゴミにネットをかぶせていますが、イタチごっこになるでしょう。
(2010年4月刊。1700円+税)
 リヨンの旧市街をを見おろす丘の上にフルヴィエール寺院があります。歩いてのぼるのは大変なので、メトロに乗ります。駅の出口から見ると、目の前に大きな寺院がそびえています。
 裏側にまわると、リヨン市街地の全体を眺めることができ、爽快です。涼しい風が吹いてくるなか、高台にあるカフェーでコーヒーを飲みました。時差の関係でしょう、夕方五時になると、いつも眠たくなります。
 寺院から少し下ると、ローマ時代の野外劇場の遺跡があります。オータンにも広大な劇場がありましたが、リヨンもなかなかのものです。観客席の傾斜はすごく急になっていて、控えの建物まで残っています。ローマ帝国の偉大さを実感します。

これからの「正義」の話をしよう

カテゴリー:アメリカ

著者:マイケル・サンデル、出版社:早川書房
 アメリカという国は、実にふところの奥深い国だと思わせる本です。天下のハーバード大学で史上最多の学生を集めている講義が再現された内容の本です。私はみていませんが、NHK教育テレビで連続放映され、日本でも話題になっているそうです。
 ことは、きわめて重大な「正義」を扱っています。とっつき易いのですが、その答えとなると、とても難しく、つい、うーんと腕を組んで、うなってしまいました。
 たとえば、こうです。アメリカの大企業のCEOは、平均的な労働者の344倍の報酬を手にした。1980年には、その差は42倍だった。この格差は許されるのか?
 アメリカの経営者は、ヨーロッパの同業者の2倍、日本の9倍の価値があるのだろうか?
 いま、日本の経営者(日本経団連)は、その格差を小さくしようとしています。アメリカ並みに労働者と格差を何十倍ではなく、何百倍にしようと考えています。その具体的なあらわれが、消費税10%引き上げであり、法人税率の引き下げ(40%を20%へ、半減)です。ますます格差をひどくしようなんて、とんでもありませんよね。
 アメリカの金持ち上位1%が国中の富の3分の1以上を保有し、その額は下位90%の世帯の資産を合計した額より多い。アメリカの上位10%の世帯が全所得の42%を手にし、全資産の71%を保有している。アメリカの経済的不平等は、ほかの民主主義国よりも、かなり大きい。アメリカン・ドリームなんて、夢のまた夢、幻想でしかありません。
 アメリカは、現在、徴兵制ではなく、志願制である。イラクのような戦地に勤務する新兵の出身は、低所得から中所得者層の多い地域がほとんどである。貧乏人は兵隊になって戦地へ行き、死んでこいというわけです。
 アメリカ社会でもっとも恵まれている層の若者は兵役に就くことを選ばない。
 プリンストン大学の卒業生は、1956年には750人のうち過半数の450人が兵役に就いた。しかし、2006年には卒業生1108人のうち、軍に入ったのは、わずか9人だった。ほかのエリート大学も同じ。連邦議会の議員のうち、息子や娘が軍隊にいるのは、わずか2%のみ。
 2004年、ニューヨーク州の志願兵の70%が黒人かヒスパニックで、低所得者層の多い地域の出身だった。最高4万ドルという入隊一時金や教育を受けられるときの特典は、きわめて魅力が大きい。
 いくつもある考えるべき課題を明らかにしてくれる、実に哲学的な本です。
(2010年6月刊。2300円+税)

母(オモニ)

カテゴリー:日本史(戦後)

著者:姜 尚中、出版社:集英社
 戦後日本の実情が描かれています。著者は団塊世代の私より2つ年下ですので、そこで紹介されている在日朝鮮人の生活は私にとっても、身近な存在でした。
 舞台は熊本市内ですが、私も福岡県南部で生まれ育ったので、よく分かるのです。
 熊本と朝鮮人労務者との関係は、韓国併合よりも早い、1908年(明治41年)にまでさかのぼる。人吉─吉松間の鉄道ループ工事に数百人の朝鮮人労務者が使役された。三井系の三池炭鉱や阿蘇鉱山、三井三池染料、三菱熊本航空機製作所などで強制労働に従事していた。
 そして、朝鮮人の集落があり、そこではドブロクの密造もされていた。
 私の住む町にも、近くに朝鮮人の集落があり、豚が飼われ、ドブロクがつくられていました。たまに、警官隊が踏み込んで密造酒づくりを摘発したという話を、私も幼い子どものころに聞いていました。
 オモニは文字の読み書きが出来ない。ところが、不思議なことに、その口調にはナマリがなかった。朝鮮人を思わせるイントネーションはまったくなかった。
 総連と民団という言葉も、今となってはなつかしい言葉です。もちろん、今もこの二つの団体は存在しているのですが、30年前には、お互いに張り合っていました。どちらかというと、今と違って総連のほうが活動家に勢いがありました。同胞の面倒みの良さも上回っていたと思います。
 戦前の日本で憲兵となった著者の叔父は単身、韓国に帰った。そして、苦労して弁護士になり、大出世します。反発していた著者も韓国に渡って、祖国を見直すのでした。ただ、成功した叔父も、晩年は人に騙されて哀れだったとのことです。栄枯盛衰は世の常ですね。
 この本は母(オモニ)を主人公とした小説の体裁をとっていますから、すっと感情移入して読みすすめることができ、大変読みやすい本になっています。そのなかで在日朝鮮人の家族の歴史を理解できる本です。ますますのご活躍を祈念します。
 ちなみに、私も母の生きざまを描いてみました。やや中途半端で終わっていますので、この本のように、もう少し小説仕立てにしたほうが読みやすいのかなと思ったことでした。
 一読をおすすめします。
(2010年6月刊。1200円+税)

属国

カテゴリー:社会

 著者 ガバン・マコーマック、 凱風社 出版 
 
 米国の抱擁とアジアでの孤立。こんなサブタイトルのついた本です。オーストラリアの大学教授の書いた日本論です。
 日本はアメリカの属国なのか? のっけから、挑戦的な問いかけがなされています。とんでもない。そうキッパリと答えたいところです。しかしながら、そう答えたいのはやまやまなれど、たくさんの事実がそれを憚らせます。
 日本経済は確実に下降し続けている。一人あたりのGDPは2006年には、OECD中の18位という、ぱっとしない地位にいる。持てる者と持たざる者、勝者と敗者の格差は拡大した。先進国の中で日本より深刻な貧困問題を抱えているのはアメリカだけである。
 生活保護の受給家庭は100万世帯にのぼるが、生活保護を受ける資格があるのに行政から拒否されているケースは、さらに多い。安定した仕事は激減し、労働者の3人に1人は、ディケンズやマルクスが描写したような資本主義初期の暗黒時代に労働者が終験した貧困や搾取とあまり変わらない状態にある。
 国民健康保険の保険料が支払えずに実質的に無保険状態になっているひとが1000万人もいる。社会の高齢化が加速し、少子化と相まって国力は衰退化しつつある。東アジアでも、世界でも日本の存在感は薄くなった。
 小泉、安倍両政権の特徴は対米依存と責任回避である。日米関係の核心にあるのは、冷戦期を通してアメリカが日本を教化した結果としての対米従属構造だが、小泉と安倍という二人の首相の「改革」は、これまで長年継続してきた対米依存の半独立国家・日本の従属をさらに深め強化した結果、日本は質的に「属国」といってもいい状態にまで変容した。日本独自の「価値観・伝統・行動様式」を追求するどころか、そうした日本的価値を投げ捨ててアメリカの指示に従い、積極的にアメリカの戦争とネオリベラリズム型市場開放に奔走した。
 世界中でアメリカの覇権とネオリベラリズムの信用度が急落しているなか、小泉、安倍両政権は献身的にブッシュのグローバル体制を支えた。後藤田正晴元官房長官は亡くなる前年(2003年)、日本はアメリカの属国になってしまったと発言した。
 日本占領期のマッカーサー元帥は憲法や行政機構にまで細かい指示を出した。それから60年にたっても、ブッシュ政権の高官は、今もって小泉や安倍を配下のように見ている。それにしても、日本が、憲法を改定しろとか、日本の基本法を改めろというような、内政干渉もはなはだしいアメリカ高官を「親日家」としてありがたがり、ちやほやするのは、一体どういうわけなのか。
 そのような自立心の放擲こそ、属国的思考の何ものでもない。
日本に公務員が多すぎるとはいえない。人口1000人あたりの公務員数は、イギリス73人、アメリカ80人、フランス96人であるのに対して、日本はわずか35人にすぎない。
 福祉予算のほうも、OECDのなかで、もっとも少ない国に入っている。郵政民営化、なかでも簡保の民営化ほど、アメリカが日本に執拗かつ熱心に迫った施策はない。日本政府が運営する120兆ドルの保険ビジネスは、アメリカの保険ビジネスに次いで、世界第二位の規模であり、カナダのGDPに匹敵する。そこで、アメリカの保険業界は日本市場への参入を要望し、アメリカ政府の日本政府への要求となった。
北朝鮮は110万人の軍隊を擁している。この数字だけからみると、超大国レベルである。しかし、多くの部隊が生きるために狩猟や農業に時間を費やし、装備の多くは1950年代のものだ。燃料不足は深刻で、パイロットは毎年、数時間しか飛行訓練ができない。
 小泉元首相は、北朝鮮への恐怖をあおることで利益をあおった張本人である。
 日本の原子力発電への依存度は発電量でも消費電力量でも、フランスと肩を並べて世界で一位、二位を争う。そして、日本は既に45トンに及ぶプルトニウムを貯蔵する世界有数のプルトニウム超大国だ。これは世界の民間貯蔵量230トンの5分の1であり、長崎型核弾頭に換算すると5000発に相当する。日本は「兵器転用可能なプルトニウムの世界最大の保有国なのである。
 イランや北朝鮮が同じことをしたら、絶対に阻止しなければならない、ということになるだろう。これって、おかしくないか・・・・?
 日本の国とは、どんな国であるかを改めて考えさせられる大切な本です。慣らされてしまうと、大事なことが見えなくなるものなんですよね・・・・。
(2008年8月刊。2500円+税)

日米密約・裁かれない米兵犯罪

カテゴリー:司法

 著者 布施 祐仁、 岩波書店 出版 
 
 この本を読むと、今の日本が本当に主権を有する独立国家と言えるのか、改めて疑問に思えてなりません。かつて大いに叫ばれていたアメリカ帝国主義からの独立というスローガンを思い出してしまいました。だって、アメリカ兵が日本人を勝手に傷つけても、日本の警察は手出しできず、アメリカ当局によってさっさと日本国外へ逃亡できるというのですからね。とんでもないことです。
 2004年8月に普天間基地のある宜野湾市で発生したアメリカ軍ヘリコプターの墜落事故のときにも、日本の警察は現場への立ち入り自体が禁止され、捜査を行うことも出来ませんでした。もちろん、この事故についての責任追及なんて、何も出来ませんでした。そして、日本政府はアメリカ政府に抗議ひとつしなかったのです。なんと情のない話でしょうか。読んで改めて腹が立ってなりませんでした。
 アメリカ兵が日本人の命を奪い、女性を強姦し、人権を踏みにじる事件を起こしても、いったん犯人が基地へ逃げ込んでしまうと、日本の警察は逮捕することができない。これは、アメリカ軍側にある、被疑者の身柄は起訴されるまでアメリカ軍の当局が拘束するという、日米地位協定が根拠となっている。
 アメリカ兵が車で日本人をはねても、それが「公務中」であれば、日本の警察がたとえ現行犯逮捕していても、アメリカ軍に犯人を引き渡さなければならないし、日本側は裁判にかけることも出来ない。「公務中」の犯罪については、アメリカ軍側に裁判権があると日本地位協定に定められているから。
 日本政府は密約の存在を完全否定する。しかし、1953年10月28日、密約が結ばれている。そして、在日米軍の国際法主席法務官は、日本が密約を忠実に実行してきたことを評価している。
 アメリカ兵の犯罪のうち、強姦、傷害致死、強盗詐欺、横領はすべて不起訴とされ、住居侵入、窃盗の大半も大半が不起訴となっていた。刑法犯のうちの起訴率は、わずか13.4%にすぎない(2007年)。日本政府の説明によると、日本がアメリカ兵の犯罪の多くを不起訴としているのは、裁判権の「放棄」ではなく、あくまでも自主的な「不行使」だというわけである。本来なら、捜査の結果、「公務中」とはっきりするまで、必要であれば犯人の身柄を日本側で確保するのが筋である。しかし、現実には、公務の執行中になされたか否か疑問であるときまで、身柄がアメリカ軍に引き渡されている。
そして、何より肝心なことは、日本政府はこの密約の存在を完全否定し、情報公開していないが、アメリカのほうは、とっくに公開ずみだということである。いやはや、なんということでしょうか・・・・。そこまで、日本はアメリカのしもべとして「忠実」なんですか・・・。あいた口がふさがりません。泣けてきます。
法務省刑事局は内部通達において、憲法で「国権の最高機関」と規定されている国会が立法した刑事特別法よりも、日米両当局間の内部的な運用準則にすぎない「合意事項」を優先するように命じている。
こんなひどい「密約」、それと一体のものである日本地位協定は当然に見直されるべきものです。そして、それは、本当に今なお日米安保条約が必要なのかを考えさせますし、軍事同盟ではかえって世界と日本の平和は守られないということに帰着するのだろうと思います。とてもタイムリーな本として一読をおすすめします。
 
(2010年4月刊。1500円+税)
 ボーヌを午後2時に観光タクシーで出発します。今日は、コート・ド・ニュイのコースです。まずはアロース・コルトン、次いで、ニュイ・サン・ジョルジュです。ブドウ畑はまだみずみずしい緑葉に覆われています。背丈は50センチほど、延々と緑のブドウ畑が広がっています。多少の起伏があるくらいで、なだらかな平地なので、はるか彼方まで見通すことができます。いよいよヴォーヌ・ロマネ村に入ります。その中心部に、かの有名なロマネ・コンティのブドウ畑があるのです。看板もなく、本当に狭い一区画ですので、案内されなければ見落としてしまうでしょう。小休止して写真をとります。ガイド女性が車のトランクから冷えた白ワインを取り出し、いっぱい飲んで喉をしめらせます。年間数千本しか作らないので、希少価値のある超高級ワインです(もちろん、飲んだことはありません)。
 クロ・ド・ヴィージョを過ぎて、ジヴリー・シャンベルタンに着きました。ここでカーブに入り、出てきて赤ワインを試飲します。飲み比べると、さすがに高いワインは舌触りも良く、味が豊かです。すっかりいい気持ちになりました。

福岡県弁護士会 〒810-0044 福岡市中央区六本松4丁目2番5号 TEL:092-741-6416

Copyright©2011-2025 FukuokakenBengoshikai. All rights reserved.