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カテゴリー: 生物

深海散歩

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 藤倉 克則 、 出版  幻冬舎
「極限世界のへんてこ生きもの」というサブタイトルがついている本ですが、まったくそのとおりです。奇妙奇天烈としか言いようのない形や色をした生物が海底深くに、こんなにも存在しているなんて、神様でもご存知なかったことでしょう。となると、誰が創造主なのか・・・という疑問が生まれます。
私がもっとも奇妙な姿だと思ったのは、カイメンです。枝がハーブのように広がって伸びているカイメン(タテゴトカイメン)、ピンポン玉のような球がいくつもついているカイメン(コンドロクラティア・ランパディグロバス)、打ち上げ花火の形をしているカイメン。これらは肉食性カイメン。甲殻類を食する。
写真をぜひ見てみてください。なんとも不思議な形と色をしています。
水深6000メートルという超深海では植物が育たない。だから、獲物は滅多に出会えない。大きな口をもって、一口で丸飲みしてしまい、逃さない。
リュウグウノツカイは、成長すると、大きなものは10メートルをこえる。銀色の体でウロコはなく、背びれは赤い。人形伝説のモデルになったと思われる。
深海は太陽光が届かない暗黒の世界。なのに、深海にすむ動物たちは、派手な赤や銀などを身にまとう。ほんと、派手すぎる色と形のオンパレードです。
ヒカリボヤは、5000メートルをこえる深海にもすんでいる。数ミリの小さな個虫が集まり、群体として生きている。最大20メートルにもなる。個虫のなかに発光バクテリアが共生しているので、強く明るく光る。
いやはや、生物の多様性には今さらながら驚かされます。人間が万物の霊長だなんて根拠もなく言うのは許されない、そんな気分にさせる素晴らしい深海にすむ生物写真集です。ありがとうございました。
(2017年6月刊。1300円+税)

先生、犬にサンショウウオの捜査を頼むのですか!

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 小林 朋道 、 出版 築地書
先生シリーズも11冊目のようです。すごいですね。ただ、先生も活躍しすぎたのか、少々お疲れのご様子。本書では、何ヶ所か体調不良になって走れなくなったという類のエピソードが紹介されています。先生、どうぞ無理するのもほどほどにして、息長くご活躍、そして学生の指導にあたってくださいね。
今回の生物のトップバッターは、なんとゲジゲジです。わが家にもたまに見かけます。不気味ですから、ゴキブリと違って殺さず、家の外へ放り出してやります。殺す勇気はないのです。
次にヤドカリの生態調査。ヤドカリと殻の大小の関係を実験で明らかにするとは、たいしたものです。残念なことにピンボケ写真のオンパレードです。先生がスマホで手ぶれしながら撮っているからでしょうか・・・。
そして、洞窟に棲むコウモリです。コウモリの赤ちゃんを拾って育て、洞窟に戻してやったのです。数時間おきにスポイトを使って、ミルクを飲ませて育てたというのです。信じられない苦労です。そして、4日目には飛んで去っていくのでした。
この鳥取環境大学には構内にアナグマが生息しているようです。わたしの家の近くにはタヌキの子連れ姿を見ることがあります。こんな先生のもとで、野外研究・観察ができる学生は幸せですよ。
モモンガが学生のかけた巣箱に入って育っているという話もうれしい限りです。
(2017年5月刊。1000円+税)

植物はそこまで知っている

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 ダニエル・チャモヴィッツ 、 出版  河出文庫
じっとしていて動かないように見える植物が、実は動いていて、意外に賢い存在だと認識を改めさせられる本です。
遺伝子という観点で比べると、植物は動物よりも複雑であることが多い。
植物は中枢神経系、つまり体全体の情報を調節している「脳」は存在しない。それでも、植物は環境に最適化するよう、各部位を緊密に連携させて、光や大気中の化学物質、気温などの情報を根や葉、花、茎で伝えあっている。
植物は、さまざまな方法で光を見ている。それは、人間の見えない色まで見ている。
植物に屈光性が生じるのは、植物の苗の最先部が光を見て、その情報を中央部に伝えて曲げさせるため。
植物は光を浴びている時間を測っている。植物の視覚は、ヒトの視覚よりも、ずっと複雑だ。植物にとって、光とは単なる合図以上のもの、食料そのものだ。植物は光を使って、水と二酸化炭素を糖に変える。受けとる器官が異なるだけで、植物もヒトと同じく、光を感知している。
植物は、匂いを嗅いでいる。古代エジプト人は、イチジクの実を収穫したあと、まず2個か3個に深い切れ目を入れておくと、残りの実すべてが熟すことを知っていた。それはエチレンガスがもれ出して、ほかのイチジクの完熟を促したのだ。
ネナシカズラは、明らかに匂いを嗅いで食べ物を探している。
葉を食べる昆虫が襲来すると、木々は、互いに警戒しあっている。
植物は、病原菌やウィルスの攻撃を受けたときにサリチル酸をつくる。植物にとって、サリチル酸は、免疫機構を増強する「防御ホルモン」だ。
植物は触覚を感知できる。オジギソウの葉の基部には葉枕(ようちん)という膨らんだ構造があり、その中に葉枕細胞という、運動細胞がある。ここに電気信号が作用すると、オジギソウの葉は垂れる。筋肉がなくても葉枕は葉を動かしている。
シロイヌナズナは、1日に数回、人の手でさわられると、何もしないシロイヌナズナに比べて、草丈がずっと低く、開花もうんと遅れる。
植物は聞いている。
植物は、地面に対して垂直に育っているのか、斜めに育っているのかを知っている。
この本を読むと、植物について、まったく誤解していたとしか言いようがありません。知的刺激にあふれた本です。
(2017年3月刊。800円+税)

日本のかわいい鳥、世界の綺麗な鳥

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 上田 恵介 、 出版  ビジュアルだいわ文庫
日本のかわいい鳥のオンパレードです。写真がよく撮れています。
わが家に来る鳥で、人気ナンバーワンは、なんといってもジョウビタキです。美しい頭上の銀と翼の白い斑紋が優雅。鳴きながらピョコンとお辞儀をするようにして、尾羽を振る。このとき、くちばしで「カチカチ」という音を出す。
冬島として、日本全国に飛来してくる鳥です。この本に紹介されていないのは、庭仕事をしていると、すぐそばまでやって来るということです。私が庭を掘り起こして虫が出てくるのを待っている、というのでもありません。ともかく好奇心が強くて、「何してんの?」という感じで、わずか2メートルほどのところまで近寄ってきて、尾羽を下げて挨拶するのです。その仕草の可愛さといったら、ありません。
そして、スズメです。残念ながら、下の田圃で米つくりを止めてから、わが家に棲みつかなくなってしまいました。警戒心旺盛なので、決してなつきはしないのですが、小スズメたちの朝の騒がしさがなくなったのは淋しい限りです。
さらに、メジロです。梅やイチゴの木の蜜を吸いにやってきます。まさしく目白(めじろ)ですし、ウグイス餅の色をしています。
ウグイスは6月に入ってもまだ美声で鳴いていますが、その姿を見ることは珍しいです。本当に目立ちません。ウグイス餅の色をしていないからです。
世界中のきれいな鳥も紹介されています。私が唯一楽しみにみているテレビ番組「ダーウィンが来た」で紹介された鳥たちがたくさん登場します。
写真がたくさんあって、楽しい文庫本です。
(2017年4月刊。780円+税)
 共謀罪法の成立はひどいものでした。森友・加計における安倍首相による政治の「私物化」が国会でこれ以上追及されないように、会期を延長せず、徹夜国会で問答無用式に憲法違反の法律をまたもや成立させてしまいました。その手法は、いくら国会で多数議席を占めているとはいえ、ひど過ぎます。
 私は、その日、夢を見ていました。共謀罪が廃案になったというニュースを聞いて、幸せな気分で新聞を手にとって、ガク然としてしまいました。
 映画「母」をみました。小林多喜二の母セキの物語です。戦前の治安維持法の下、特高警察に惨殺(拷問死)させられた小林多喜二は、戦争のない日本を願って活動していたために権力から殺されました。今の日本が再び「戦前」になろうとしている気がしてなりません。

「すずめ日誌」

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 熊谷 勝 、 出版  青青社
すずめの生態をとらえた写真集です。わが家にも、かつては2家族のすずめがいたのですが、すぐ下の田で稲作しなくなってから、姿を消してしまいました。朝、トイレに入ると、子スズメのせわしく可愛らしい鳴き声を聞くことが出来ていましたが、聞けなくなって楽しみが減りました。残念です。
庭にパンくずをまいても、前はすぐにすずめが群がっていましたが、今では2、3日、そのままのことがあります。たまにすずめ軍団が庭にやってくると、うれしくなります。
ふくらすずめ。冬のスズメはふっくらしていて、丸っこい。
スズメたちは、水浴びが大好き。冬、池の氷が少し溶けると、水浴びを始める。
スズメの砂浴びは、身体についたダニをとるため。
スズメは、休息していても、決してあたりへの警戒は緩めない。
焼鳥として食べられてきた長い歴史があるからでしょう。
スズメは、人間のすぐ近くで生活しながら、人間を以上に警戒します。そこがジョウビタキと完全に違います。
スズメの喧嘩は、けっこう激しい。そんな写真があります。そして、けんか相手に威圧されて、「参りました」と降参しているスズメの姿も写真にとられています。
オスは、お気に入りのメスや恋敵のオスに出会うと、尾羽を上げ、胸を張って自己主張する。
スズメの幼鳥たちは、独り立ちすると、幼鳥だけの群れをつくって夏を過ごす。
たくさんのスズメが群れをなして電線にとまっています。これは、幼鳥の集団だったのですね・・・。
知っているようで知らない、スズメの生態百態をとらえた写真集です。一見の価値があります。
(2017年1月刊。1600円+税)

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