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カテゴリー: 生物

精霊の踊る森

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 嶋田 忠 、 出版  講談社
私は『ダーウィンが来た』を欠かさずみています。ふだんテレビはまったくみませんが、この番組だけは録画したものを週1回、寝る前にみています。世界各地の生き物たちの驚くべき映像に接して、大自然の営みの豊かさを実感させられます。
この写真集も『ダーウィンが来た』で紹介された鳥たちを見事に切り取っていて感動そのものです。
極楽鳥と庭師鳥について、「進化しすぎた鳥たち」と評されていますが、なるほどすごい色と形、そして求愛ダンスと愛の巣づくりのすばらしさに、ただただ圧倒されて声も出ません。
タンビカンザシフウチョウの求愛ダンスで示す色と形は神秘そのものです。誰が一体こんなデザインを考えついたのでしょうか、不思議でなりません。
カンムリニクシドリは、高さ2メートルにもなる求愛用のアズマヤのタワーを森の中に築き上げます。
オウゴンチョウモドキでは、若鳥たちは成鳥オスに見習って踊りを練習します。成鳥になるのに5年もかかり、その間、一生けん命に成長オスの踊りを見て学ぶのです。
真紅の円形の頭に白い目に黒い瞳がじっとこちらを見すえている写真が表紙を飾ります。ド迫力です。
写真をとった人は、私と同じ団塊世代(1949年生)。ニューギニア島に通い続けているのです。パプアニューギニアでは、今も昔ながらの原始的な生活をしている人々がいるようです。祭りのときには極彩色に顔と身体を飾りたてます。まるで鳥たちと競いあうようです。
極楽鳥の求愛ダンスは日の出前後にあるので、日の出前の暗いうちに機材をかついて森の中に入り、撮影用の特製テント(ブラインド)に入って、じっと待つのです。なんと5日目に決定的瞬間の撮影に成功したといいます。テントのなかに隠れてじっと音も立てずに待ち続けるのです。大変な根気のいる仕事です。おかげで居ながらにして、こんな素晴らしい写真を拝むことができます。ありがたいことです。
手にとって一見する価値が十分にある写真集です。3600円が高いと思う人は、ぜひ図書館に注文して手にしてみて下さい。世界観が大きく変わること間違いありません。
世界は生命の神秘にみちみちていることを実感させられます。ぜひぜひ後世にそのまま残したいものです。
(2019年7月刊。3600円+税)

フクロウの家

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 トニー・エンジェル 、 出版  白水社
フクロウのことが、なんでもよく分かる本です。
フクロウは、南極以外のすべての大陸に分布している。サボテンフクロウは砂漠に棲み、アナホリフクロウは地下に穴を掘って巣をつくり、シマフクロウはシベリアの極寒の地にも耐えられる。フクロウは、その生息する環境にあわせて生態が多様化し、今日では世界に217種ものフクロウが存在している。
『ハリー・ポッター』にもフクロウが登場している。シロフクロウのヘドウィグは、ハリー・ポッターが信頼を寄せる友人だ。配達をまかされているフクロウもいる。
メンフクロウは、人間と共生している。1年目までに75%が死亡するものの、34年も生きた個体がいる。
フクロウは場所に関する記憶力に優れ、ほとんど真っ暗な中でも木々の枝をすり抜けるように巧みに飛翔する。探究的にで、情熱的で、攻撃的で、欺瞞的、そしてときにきわめて勇敢な生き物だ。喜びや恐怖を感じ、ひとたび雌雄の関係を築いたら離れることがない。
カップルは歌を鳴きかわし、互いの羽づくろいをする。そして、そのあと交尾する。交尾瞬間は短いが、何回もする。また、雄は雌に贈り物をする。
卵を抱卵中の雌は、あまりにお腹がすいてくると、洞の中から勢いよく飛び出してきて雄に体当たりして、止まり木から突き飛ばし、餌を取りに行くよう求める。
フクロウは、タカやワシ、ハヤブサとは類縁関係にない。しかし、身体面や行動面でよく似た特徴を発達させてきた。
フクロウの聴覚は鋭い。しかし、やはり目が何より重要である。頭を素早く270度も回転できるため、音や動きに即座に反応して獲物を見つけることができる。
フクロウは獲物をかみ砕くための歯はなく、代わりにくちばしでつぶす。少し柔らかくなったところで、一気に呑み込み、あとは消化過程で栄養物と不要な部分とを選り分ける。
フクロウはネズミが好物なので、果樹園などのネズミ退治にはもってこいの存在である。
270頁ほどの、フクロウ全書とも言える楽しい本でした。
(2019年2月刊。3000円+税)

魚たちの愛すべき知的生活

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 ジョナサン・バルコム 、 出版  白揚社
魚をめぐる驚きの本です。なんと魚は、ゆたかな生活を営んでいて、知覚し、意識し、苦痛を感じる生きものだというのです。ええっ、そ、そんな、嘘ではと、つい叫びたくなりますが、どうやら本当のようなんです。だったら、刺身とか、踊り食いなんて、食べられませんよね・・・。
魚は、ただ生きているのではない。魚には魚の生活がある。魚は、ものではなく、生きて暮らしている。一匹ずつ性格と個性と社会関係をもつ、一個の存在なのである。計画し、学習し、感じ、創造し、なだめ、企む。恐怖やたのしさや痛みを感じ、遊び心もある。よろこびだって魚は感じ、知っている。
魚の4種に1種(8000種)は、なんらかのかたちで子の世話に励む。卵を守ったり、ひ弱な稚魚をしばらく世話したり・・・。
サメは胎盤のあるものもいて、胎仔は母体を出るまで、へその緒を通して栄養物質を与えられる。
魚には、音の調子、とくに旋律を聞き分ける能力がある。
コイもキンギョも、音をつかって意思伝達している。
人間と同じように、魚にも舌と味覚受容体がありこの受容体から、神経を介して脳に味覚の信号が送られる。魚の味蕾のほとんどは、口と喉にある。
魚は、よく楽しそうに互いに触れあう。
キンギョは色を識別できる。
魚は、ずっと前のことを覚えている。
魚は柔軟で、好奇心も旺盛だ。
魚には社会性のある生きものだ。一緒に泳ぎ、姿やにおいや声などの感覚情報で、他の個体を識別し、つかう相手を選び、協力する。
魚の群れには、ショールとスクールの二つがある。
魚の世界で子育てを主として担っているのは、メスではなく、オスのほうだ。
魚たちについての驚きの話が一杯のショッキングな本です。面白いですよ、ぜひご一読をおすすめします。
魚釣りが好きな人、寿司屋によく行く人も、ぜひ読んでほしいものです。
(2018年11月刊。2500円+税)

進化の法則は北極のサメが知っていた

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 渡辺 佑基 、 出版  河出新書
びっくりするほど面白い本です。登場するのは、サメ、ペンギン、そしてアザラシなどです。
途中で理解困難な計算式が出てきたりもしますが、そんなものは読み飛ばします。生命の神秘が一番心惹かれるところですが、実はそれを探究するために極地へ出かけたりする冒険旅行記がスリル満点で、読ませるのです。
著者にとっての最大の謎は、生命活動がシンプルな物理で説明できるのに、なぜ地球上にこれほど多様な生物が満ちあふれているのか、この二つがなぜ両立できるのか、ということです。さすがに、謎の提起が鋭いですよね・・・。
著者は、ヒマな時間をもてあまさないよう、けん玉1級の技能をもっているとのこと。うらやましい限りです。孫が来たとき、私も昔とった杵づかでエエカッコしようと思って実演してみせたのですが、トホホでした。世の中は、そうはうまくいかないものです・・・。
ニシオンデンザメは、超大型のサメで、体長6メートル、体重1トン。低温に適応しており、水温がゼロ前後という海の中で暮らしている。ニシオンデンザメは、体温が低いだけでなく、超低温環境下で獲物をとらえて、巨大な体を維持している。
ニシオンデンザメの遊泳スピードは、平均して時速800メートル。人間の歩くスピードの6分の1しかない。2日に1回だけ獲物を追いかけるだけ。
ニシオンデンザメのメスは、体長4メートルで性成熟するが、その大きさに育つまで150年もかかる。そして、寿命は、400歳。うひゃあ、声も出ません・・・。
人間にとっての1日は、ニシオンデンザメの1ヶ月半に相当する重みをもっている。ニシオンデンザメの視点から人間をみると、まるで映像を47倍速で再生したみたいに、ちょこまかと動き、あっという間に子どもを産んで、あっという間に死んでいく哀れな存在にうつるだろう。
マグロやホホジロザメなどの中温性魚類は、同じ大きさの変温性魚類に比べて2,4倍も遊泳スピードが速い。体温が10度上がるごとに、代謝量は2~3倍になる。
生物体は、一つの巨大な化学工場である。
温度が上がるほど、分子一つ一つの動きが活発になり、異なる分子同士の出会う確率が増えるため、化学反応は促進される。
体重25キロの小学生と、体重65キロの大人を比較すると、時間の濃度は子どものほうが11.3倍も濃い。大人の薄い時間に換算すると、子どもは1日が31時間、つまり7時間も余計にあるようなものなのだ。
分からないように、物理学をふまえた生物の話の面白さにぐいぐいと引きずりこまれてしまいました。よかったら、どうぞあなたも読んでみてください。
(2019年2月刊。920円+税)

くうとしの

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 晴 、 出版  辰巳出版
不思議な写真集です。ワンちゃんとネコちゃんが顔を寄せあって気持ち良さそうに眠っています。ほっこり心の安らぎを感じさせてくれる写真集です。
このワンちゃんは、年寄りのメス犬なのですが、認知症になってしまったのでした。
皮膚病にかかった犬をまちで見つけて自宅へ連れて帰ったのが始まりです。手厚い看護のおかげで、犬は元気になりました。そしてネコちゃんもまた、町でみかけたオスの子猫。
ワンちゃんは庭で暮らし、ネコちゃんは家の中の生活。ところが、ネコちゃんがワンちゃんに一目ぼれしてしまったのです。ですから、そのオスネコちゃんがメスワンちゃんに猛烈にアタックしていくのです。その様子が実によく写真にうつっています。そして、二匹はすっかり仲良しになるのでした。
ところが、ワンちゃんは認知症を発症し、行動に異状が出はじめます。そこをネコちゃんが見事にフォローしていくのです。
ワンちゃんがダンボール囲いのなかをぐるぐるまわると、ネコちゃんも一緒について歩きます。ネコちゃんはワンちゃんを丁寧に毛づくろいしてやり、おやすみのチュッも・・・。
ネコちゃんがそばにいると、ワンちゃんは、安心した表情になってぐっすり長く眠れるのでした。
二匹が一緒にいると、いつだって穏やかでゆったりとした時間が流れていきます。
いやあ、よく写真が撮れています。心の震える思いです。
犬派の私ですが、犬と猫がこんなにも寄り添っている姿は初めてみました。犬派にも猫派にも必見の写真集です。ぜひ、あなたも手にとって眺めて、心を癒してください。
ひととき幸せな気分に浸ることができることを約束します。
(2019年8月刊。1200円+税)

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