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カテゴリー: 社会

クレジットカウンセリングの新潮流

カテゴリー:社会

著者:大森泰人・伊藤眞一・永尾廣久ほか、出版社:金融財政事情研究会
 本年6月、改正貸金業法が完全施行され、これまでのような野放図な貸し方が規制されました。それでも多重債務者はいます。しかも、たくさんの人が困っているはずです。
 そこで、クレジットカウンセリングの出番です。ところが、なぜか、総合的な体系書が見あたりません。1998年以降、10年以上も空白になっています。本書はその意味で待望の新刊です。うれしいことに、福岡から二人の著者が出ています。永尾廣久弁護士(福岡県弁護士会)と行岡みち子さん(グリーンコープ生協ふくおか顧問)です。9人の著者は、行政官、学者、弁護士、NPO法人理事長、生協幹部、金融界関係者、市長と多彩な顔ぶれです。それぞれに経験をふまえてクレジットカウンセリングを論じ、自分の実践と体験を紹介しています。
 たとえば、テレビで大々的に広告・宣伝してパラリーガルを活用した大規模でシステマティックな債務整理については、債務者の実情に即した親身な対応が行われにくいとして懐疑的です。
 最近の相談者の実情は、貧困の問題に端を発するケースが増え、福祉的な観点からの生活再生が重大なテーマとなっている。
 国や自治体による助成、法曹界など関係諸機関との連携の重要性も強調されています。金融機関が多重債務問題に主体的に関与する必要性にも言及されています。
 永尾弁護士のクレジットカウンセリング論の特徴は、全国各地にあるクレジット・サラ金被害者の会のすすめている相談および生活立て直し活動を具体的に紹介しているところにあります。
 裁判所は、破産手続について、教育的要素など期待してもらっても困るという態度です。迅速・公正な処理さえしていれば足りるのであって、そこに教育的見地をいれる必要はないというわけです。だったら、裁判所に欠けている面を誰かがカバーする必要があることは自明でしょう。それを被害者の会が補っているのです。
 グリーンコープ生協ふくおかは、なぜか多重債務問題に取り組んでいるユニークな生協です。組合員に家計破綻した人が少なくなく発生したことが契機になっているようです。組合員の相談に乗り、弁護士を紹介し、生活再生貸付事業を展開しています。
 宮城県に栗原市というところがあるそうです。残念ながら、行ったことはありません。いいところのようです。岩手県・秋田県との県境にある山のなかの市です。そこの市長さんが、自殺防止対策について寄稿しています。なんと自殺率が県下最悪だっというのです。
 クレジット・サラ金の被害を本当に根絶したいと考えている人には絶好の手引書です。日本って、まだまだカウンセリングが根付いていませんよね。でも、必要な手法です。あなたに一読を強くおすすめします。
(2010年6月刊。3600円+税)
 6月に受けたフランス語検定試験(一級)の結果を知らせるハガキが届きました。もちろん不合格なのですが、なんと自己採点では63点だったのに、現実には51点でした。この12点の差はフランス語の書きとりと作文について私の自己評価がいかに甘かったかを意味します。大いに反省させられました。自己に厳しくとはいかないものですね。
 ちなみに合格点は85点ですから、34点も不足していました(150点満点)。

主婦パート、最大の非正規雇用

カテゴリー:社会

著者 本田 一成、 集英社新書 出版 
 
  経済界がもうけ本位で安上がりにすべく主婦パートを安易に「活用」しているのが日本の将来を危うくしていると実感させられる本です。
企業が主婦パートにつけ込むことに血道をあげているうちに、旧来の忍従してきた主婦パートは様変わりし、企業経営にとって危険な存在になりうる。その結果、「生産性」は上がらず、多くのものを失う。安上がりだったはずなのに、かえって高くついてしまう。
 企業が無我夢中でパート化を進め、うまくいっていると誤解しているうちに、人材の育成がおざなりになってしまった。
 かつては正直で働き者だった主婦パートが、不満をためながら同じ職場、同じ仕事を続けているうちに、横暴な「ボス」になっていく。そして、新人や気に入らないパートをいじめたりするようになる。しかも、「ボス」が数人いると派閥ができて、目もあてられない。なぜ「ボス」パートが誕生するのか。それは、「人材開発」が有名無実になっているから。
 今や多くの企業が、この「ボス」パートの問題をかかえている。
 「かご抜け」をやっている主婦パートがいる。「かご抜け」とは、レジで代金を支払わずに、かごにいれた商品を店外に持ち出すこと。レジ担当者が、レジに並んだ知人や友人の買い物かごに入っている商品の一部を巧妙に精算せず通過させることもある。
この「かご抜け」のような露骨な反抗ではなく、実は、もっと厄介なのが「静かな抵抗」なのである。不満だらけで、いやいや働く主婦パートは、ビジネスチャンスの種を見つけても、わざと拾わず、黙ってやり過ごしてしまう。
 自分の労働が正当に評価されないと、深刻な病理現象がいろいろ発生するというわけですね。
いま、主婦パートの主流は、家計の足しにするために働くという家計補助型から、生活を維持するために働く生活維持型に変化している。主婦はこの大黒柱となっている。
主婦パートにかかる負担が強まった結果、2人目は産まないという方向性が強まっている。少子化防止のはずが、主婦パートは子どもを一人にしてしまう少子化の推進力になっている。
家庭で夫からのDVの脅威にさらされている主婦パートが実に多い。DVがおきている主婦パート世帯の子ども虐待への連鎖反応も心配である。
このように、主婦パートに光をあてて実情を分析している貴重な新書です。
 
(2010年1月刊。700円+税)

官僚村、生活白書

カテゴリー:社会

著者:横田久美子、出版社:新潮社
 選挙のたびに官僚バッシングがあるのは、おかしなことだと思います。しかも、政権与党が官僚制(システム)を叩いて人気向上の材料にしようというのですから、信じられません。
 いかなる政権であろうとも、それなりの官僚システムなしに国を動かせるはずはありません。高級官僚の天下り、「渡り」で何億円もの退職金を、わずか数年間で次々に手にするなどの病理現象はたしかにあり、改善すべき点があることは間違いありません。しかし、官僚システム抜きの行政など、ありえないことは明々白々ではないでしょうか。その意味では、マスコミも官僚叩きにおもしろがって大々的に加担している点で同罪だと思います。
 この本は、官僚「村」の実情をそれなりに取材して報告しています。
 官僚批判すれば、確実に支持率と票が取れる。民主党の支持率が着実に落ちていくなか、官僚機構の改革に着手すれば、支持率の上昇が見込めると目論んでいる。
 これまでの日本では、政治家と官僚とのもたれあいは必然の出来事だった。官僚にとっては省益や局益に直結する法案を政治家に通してもらうことこそが命題であり、その家庭で癒着が生まれ、政治家は、政策的に官僚の掌で転がされてきた。
 敗戦直後の華族制度の廃止と財閥解体はあったものの、エスタブリッシュメント層は戦後も変容しながら存在し続けている。
 皇后・妃殿下の実家である正田家や川嶋家は「新華族」とも呼べる存在である。財界には、味の素の鈴木家、ブリヂストンの石橋家、ソニーの盛田家などが名門の家系として君臨する。金融界には、三井・三菱の宇佐美家がある。
 政界には、こうした財界や新華族とつながった名門一族がごろごろしている。鳩山家、福田家などがそうだ。
 官僚たちの世界でも、2世3世が幅をきかせているようです。
 OBと現役の外交官夫人で構成される「かすみがせき婦人会」は50年以上の歴史を誇り、会員数も500人をこえる。すごい世界ですが、こんなところにはすみたくありませんね。生まれがモノを言うなんて、今どき、とんでもない世界ですよ・・・。
 キャリア官僚の初任給は18万1,200円。45歳で課長になって、年収1200万円。局長になったら年収1800万円。次官級ポストの審議官になったら2300万円。次官(1年間)の退職金は7~8000万円。もちろん、最後は高額ですが、途中までは哀れなほど低いのです。あまり低いと、どこかで埋め合わせ行動(収賄)に走る危険があります。やはり、激務であれば、それなりの高給優遇は不可欠ではないでしょうか。
 それにしても、阿久根市(鹿児島県)はひどすぎます。「ブログ市長」として一時はもてはやしたマスコミ、そして、今も公務員たたきの尻馬に乗っている人の責任は重大です。そこにあるのは、民主政治ではなく、「独裁」そのものです。悲しくなります。
(2010年6月刊。1300円+税)
 今朝の新聞にドイツが軍事費を1兆円削減するという記事がのっていました。私も5兆円もある日本の軍事費をせめて1兆円減らして福祉予算にまわしたら、相当のことができるのではないかと思うのですが、自民党も民主党もそんなことはひと言も言いません。
 軍事費の使い方には、かなりのデタラメがあるのは、先日、天皇とまで呼ばれていた実力次官が汚職で摘発されたことからも明らかだと思います。だって、戦車も選管も競争相手のいないような商品ですから、「随意」契約みたいなものです。ともかく、巨額の商品です。しかも、軍需産業と防衛省のトップは天下りをふくめてツーカーの仲なのですから、歯止めのあろうはずがありません。これは戦前の軍部と軍需メーカーでも同じことでした。
 線ky歩の時こそ、こんなところにもマスコミはメスを入れてほしいと思うのですが……。
 マスコミのトップも例の内閣機密費のおこぼれをもらっていると週刊誌が描いていました。期待する方が無理なのでしょうが、でも私は期待したいです。

憚りながら

カテゴリー:社会

著者 後藤 忠政 、宝島社 出版 
 
著者は山口組のなかでも武闘派で鳴らした後藤組の元組長です。今は引退しているとのこと。 この本を読むと、日本っていう国は暴力団があらゆる分野に根付いていることをつくづく実感させられます。本当に残念というか、悲しい現実です。そして、ヤクザの生き方の「正当性」をたたえる(自画自賛する)ところは、政治家や財界人の現実(その無責任さ、あまりの利己主義、金もうけに目がくらんでいる)をふまえると、ついそうなんだよねと、うなずかざるをえません。
 たとえば、日本経団連の前会長の御手洗氏を著者は強烈に批判していますが、私もまったくそのとおりだと思います。
 御手洗だかオテアライだか知らんけど、あんな人物でも経団連会長ができたんだから、層が薄いというか、底が知れているな。経団連会長といえば日本のトップだ。昔は「財界総理」だなんて呼ばれてたんだよ。それが自分のダチ公に散々、儲けさせといて、そいつが脱税でパクられたら、知らぬ存ぜぬだものな。
 この御手洗氏も“チンピラ”だ。法に触れなきゃ、何やってもいいのかよって話だ。別にキャノンの会長まで辞めろとは言わんよ。それは 株主が決めればいいんだから。けど、少なくとも経団連の会長だけは辞めんといかんかったんじゃないのか。経団連って、日本の財界を代表する、そのトップなんだから、これは道義の問題だ。こんなことを、ヤクザやってた者から意見されるな、という話だ。こんな人間が経団連の会長をやってたんだから、日本の経済がグダグダになるのもしょうがないわ。
いやはや、胸のすくほど痛快な指摘です。アメリカで少しはまともな合理主義精神を身につけて帰ってきたかと思うと、拝金主義の体現者として労働者の使い捨てだけをすすめるという情けない人物でしたね。
著者の出身は富士宮市ですから、創価学会とも密接な関わりを持っていました。山崎正友弁護士(故人)や藤井富太郎元公明党最高顧問と組んで暗躍した状況が語られています。
自分の手下に次から次へと居直られるような池田大作という男は、たいした人物じゃないってことだ。他人様から、とうていほめられるような人物じゃないから、自分で自分をほめる本をせっせとつくっては、業界の信者に買わせてる。ああいう見苦しい生き方もないもんだ。
こうやってバッサリ切り捨てています。
 著者はサラ金の武富士ともつきあいがありました。その株式上場を助けてやったというのです。ところが、そのお礼に武富士は「鼻くそ」みたいなカネを持ってきただけで、あとは知らんぷりだった。それで「ふざけんな」という話になった。
 いやはや、なんということでしょう。武富士は上場できて1000億円以上も儲けたというのです。このほか、株式市場でも暗躍し、大儲けをしたようです。さらには佐藤道夫参議院議員(元高検の検事長でした)の当選に力を貸し、本人からえらく感謝されたという話もあります。これって本当なんでしょうかね・・・・。
 政界、経済界、芸能界あらゆるところに「日本最強」の暴力団の親分として顔がきいていたことがよくよく分かり、つくづく嫌になってしまいます。
 そして、東京銀座で毎晩のように飲み歩いていたというのです。もっとも、そのおかげで肝炎となり肝臓癌となります。ところが、アメリカで最新式の肝移植を受けて著者は生き延びるのでした。なんともはや、すごい生命力の人物です。そして、暴力団を辞めて、得度したのでした。これまた、すごい転身です。決断力があります。
 まあ、言ってみればヤクザ賛美のような本なのですが、社会批判がかなりまともで、同感できるところが多々あるところが悔しい気すらしてしまいました。久留米の富永孝太朗弁護士に面白い本があると勧められて読んだ本です。ありがとうございました。
 
(2010年6月刊。1429円+税)
 法人税を減税しても、大企業は海外に投資してしまうので、日本の経済回復にはつながらないと指摘する人が多いですね。ということは、消費税10%で日本経済はますます冷え込むでしょう。が、法人減税も日本の国を強くすることはないということです。
 それにしても、消費税とあわせて沖縄の普天間基地の問題、日米合意は守られるべきものなのかというのも重要な争点だったはずですが、民主党と自民党の政策が一致したためか、マスコミはほとんど取り上げません。本当にそんなことでいいのでしょうか。民・自以外にも政党はありますよね。マスコミは政策選択の可能性を奪ってはいけないと思います。

日米核密約、歴史と真実

カテゴリー:社会

著者:不破哲三、出版社:新日本出版社
 核兵器のない世界は私たち誰しもが願うところだと思います。オバマ大統領がプラハ演説のなかでそのことを高らかに宣言したことは、この分野での具体的前進に期待を持たせるものでした。そして、この6月に、ニューヨークで開かれたNPT(核不拡散条約)の再検討会議は、それを前進させることで一致をみました。素晴らしいことです。ただし、私たちは他人事(ひとごと)のように手を叩き、腕を組んで模様眺めをしていてはいけないと思います。
 日本政府は「非核三原則」(核兵器をつくらず、持たず、持ちこませず)を守ってきたと言っています。おかげで佐藤栄作首相はノーベル平和賞を受賞したのでした。ところが、実は、佐藤首相はアメリカとのあいだで核に関して、日本に持ち込むことを認める密約を交わしていたというのです。それが核密約の問題です。問題は、これが単なる過去の話ではないということです。
 アメリカは、今でも(オバマ政権においても)、依然として先制核攻撃戦略を基本としている。そのため、アメリカは「重大な緊急事態」が起きたときには、核兵器をふたたび沖縄に持ち込む必要がある。日本は、そのとき、直ちに承諾する。これが核密約の中味である。沖縄にあるアメリカ軍基地に、今は核兵器はない。しかし、何かあったら、アメリカが核弾頭を持ち込む。すると、直ちに核攻撃基地として活用できる機能をもった基地として整備され維持されている。
 いやはや恐ろしい内容です。
 アメリカ政府は、事前協議の制度はつくるけれども、肝心なことは、日本政府と相談しないですむ、これまでどおり、アメリカが勝手にやれる、この道を見つけ出すことが、安保条約改定交渉(1958年10月)の一番の核心だった。
 そして、日本政府は、それを受け入れた。しかし、日本政府は万一それが明るみに出たときに言い逃れができるように、この秘密の合意文書に「討論記録」という名前をつかった。しかし、どんなタイトルをつけようと、それは国家間の法的拘束力をもつ合意文書なのだから、まさに条約にあたるものなのである。
 日本政府は表向きでは事前協議なしに核兵器の持ち込みはありえないと言いつつ、実は、こっそり事前協議を事実上、空洞化させる取り決めをアメリカと結んでいたわけです。
 この核密約について、アメリカ政府は、「密約」の秘密性を維持する必要はなくなったと考えて、機密指定を解除して「核密約」の内容を公表している。そこで、日本共産党の調査団がアメリカの公文書館の膨大な書類のなかから、この「核密約」そのものを探り宛てることが出来た。
 しかし、日本政府は、核密約なんて存在しないと今も言い張っている。
 そして、現在の民主党政権も自民党政権と同じく核密約を廃棄するつもりはないと明言している。
 こんなインチキはありません。許せないことです。
 アメリカ軍のある提督は、「1950年代の早い時期から核兵器は通常、日本の港湾に寄港している空母の艦上に積載されてきた」と発言した。
 核密約の問題は、決して過去の歴史問題ではない。アメリカは、今は艦船や航空機に日常の体制としては核兵器を持たせない体制をとっているというが、核戦略を放棄したわけではない。現在も、核戦略を強固に堅持しており、その発動を必要とする事態が生まれたら、アメリカの艦船や飛行機は核兵器を積んで行動することになる。
 そのとき、核兵器を積んだ艦船や飛行機が日本に自由に出入りできる仕組みが、この秘密協定によって今なお存在し、その意味で、被爆国である日本が現在も核戦争の出撃拠点となっているのであり、ことは重大である。
 この本を読んで、なにより腹が立ったのは、日本政府は表向きは「非核三原則」を口にするものの、実は、日本を守る「核」がなくなったら困る、だからアメリカには核兵器は積んでいてほしい、おろさないでくれと頼んでいるという事実です。ひどい話です。許せません。
 沖縄の普天間基地の「県外移設」が、いつのまにか「県内移設」で収拾されようとしています。しかし、そもそも、このような核密約をふくめて、日本政府はあまりにもアメリカ言いなり過ぎます。弱腰だというのではありません。まるで主体性がないのです。こんなことでは世界から笑いものにされるだけではないでしょうか。
(2010年6月刊。1300円+税)
 日曜日、雨が上がりましたので、午後から庭に出て少しだけ手入れをしました。いま、ぐんぐんとヒマワリが伸びています。朝顔のツルも塀にそって上へ上へと伸びあがっているので、楽しみです。
 近くのレストランの店主さんからいただいたキューリの苗が、みごとにキューリを実らせてくれました。早速、3本もいで、水洗いして、マヨネーズを少しかけて丸かじりしました。とても新鮮な味です。産地直送、完全無農薬、もぎたての野菜は本当においしいですよ。

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