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カテゴリー: 社会

自民党・改憲案を読み解く

カテゴリー:社会

著者  長谷川 一裕 、 出版  かもがわ出版
自民党の改憲草案の問題点を分かりやすく解説したコンパクト(本文84頁)で、安価(1000円+税)なブックレットです。
戦後68年たって、一度も改正されていないから、今の憲法は古くさくなってしまったと叫ぶ国会議員がいます。とんでもないことです。
 古いものがダメだというのなら、ギリシアの古典哲学が今も大切に語られているのは、どうなるのでしょうか。それに、聖書なんて古くさいからダメだなんて、まともな人だったら誰もそんなことは言いませんよね。古くて新しくても、内容さえ良ければいつまでも大切にしなければいけないのだと私は思います。
憲法は、いわば空気や水のようなもの。空気や水は、人間が生きていくうえでなくてはならないものなのに、日頃はそれを意識することがない。いざ失われようとしたとき、その価値が分かる。本当にそうなんですよ・・・。
 憲法は、国民の暮らしに深くとけこみ、目に見えない大切な役割を果たしている。それは、社会を支える「見えないインフラ」と言うこともできる。
 日本国憲法が、日本を占領した連合軍総司令部(GHQ)の民政局メンバーが起案した草案が原型となって制定されたことは、まぎれもない事実である。しかし、制定過程をつぶさにみると、単純に日本国民の意思に反して押しつけられた憲法とは言えないこともはっきりしている。たとえば、GHQ民政局原案では、貴族院が廃止されて一院制だった。国民主権についても、当初は「天皇は日本国民至高の総意に基づき」とあったのを、国会審議のなかで、「(天皇の地位)は主権の存する日本国民の総意に基づく」と改正され、主権が国民にあることが明確化された。また、生存権の規定も新しく入れられた。
 「この押しつけがあったおかげで、我々はいま、世界に誇ることができる歴史上最高の憲法をもっている。この憲法のおかげで、戦後日本というレジームは、日本の歴史上最大の成功をおさめた」(立花隆) 私も、まったく同感です。
 アメリカの憲法には時代遅れの部分がある。たとえば、アメリカの憲法には、移動の自由、教育、労働組合を結成する権利、女性の権利に関する規定など世界の70%の憲法がカバーしている人権についての規定がない。そして、逆に世界の2%にしかないような「武器を携帯する権利」を憲法に明記している。うひゃあ、とんでもない憲法ですね。
 自民党の改憲草案を読んだ作家はこう言った。
「前文の文章が下手すぎて泣ける。思わず添削したくなる」
 ホント、そのとおりです。復古調といっても、まるで美英文調ではありません。いかにも下手くそな、せいぜい中学生の出来の悪い作文です。これで国を愛せというのですから、本当に泣けてきます。いったい誰がこんな下手くそな前文を書いたのでしょう。そして、自民党案として承認したのでしょうか・・・。ついつい号泣したくなります。一度ぜひ、あなたも自民党の改憲草案の前文を読んでください。現憲法の前文の格調の高さとの落差にガックリ肩を落とすことを私がきっぱり保証します。
 自民党の改憲草案の前文には「和を尊び」という言葉があります。これではまるで、道徳の教科書です。聖徳太子は「和をもって貴としなす」と言ったとよく言われています。しかし、「憲法十七条」の全文をぜひ一度読んでみて下さい。実は、その当時の日本は、ケンカが絶えず、裁判があまりにも多いのだから、日本人よ、ほどほどにしろ、もっとケンカせずに仲良くしなさいといさめたという内容なのです。つまり、日本人は昔から、ケンカと裁判好きだったのです。それを戒めたものなのです。それが、いつのまにか、日本人は和を大切にするからケンカも裁判も少ないなどと間違って逆に理解して言い広める人が少なくないというだけなのです。著者にも、一度、ぜひ『十七条の憲法』の全文と解釈にあたっていただくようお願いします。
自民党の憲法草案は、天皇を元首とすることを憲法に明記すること、そして、日の丸・君が代の尊重義務、さらには元号のことまで憲法に定めるとします。何と、その根拠は、明治憲法で天皇を元首とする規定があったからだというのです。明治憲法と現憲法には明らかに大戦による深い断絶があるのに、連続性があるとしているわけです。そこには大戦をひきおこした反省がまったく認められません。こうなると、単に復古調だということにとどまりません。東アジアを含めて、全世界から戦争の侵略戦争をひきおこしたことを反省しない態度をとる日本は厳しく糾弾されるしかありません。
 ところで、明仁天皇は、国旗・国家について、「やはり強制になるということでないことが望ましいですね」と発言しました。これは本当に立派な、見識ある発言だと思います。右翼を自称する人々も、少しは天皇の「おコトバ」で頭を冷やすべきではないのでしょうか・・・。
憲法9条の縛りを解き放ち、正真正銘の軍隊へ・・・。自民党の改憲草案によると、いまの自衛隊は無制限の自衛権の行使を認めている国防軍になる。自衛隊は、既に高い練度と高度な装備を保有し、総兵力は24万人、年間の防衛予算は4兆7000億円と、世界的にみて上位にある。公式の英語名称も自衛隊ではなく、陸軍、海軍、空軍になっている。国会で小泉元首相も安倍首相も自衛隊は軍隊だと堂々と答弁している。しかし、正真正銘の軍隊なのかどうかという点では、装備や兵力だけでは決まらない。軍隊として機能するのか否かを見る必要がある。
自衛隊は装備、予算は一流だけれども、憲法9条のもとで厳しい制約と縛りがかけられている。だから、自衛隊は、軍隊ではあっても一人前の軍隊とは本当は言えない側面がある。
私は、人を殺したことのない自衛隊をある意味で誇りに思っていますし、敬意を表します。そして、そのためにアメリカ軍は日本の自衛隊を心底から、は信用していないのです。日本の自衛隊員はトップから一兵卒にいたるまで誰も、一人として、戦場で人を殺したことがありません。そんな軍隊って、全世界では珍しい存在なのです。そして、日本人として、私は、そのことを誇りに思っています。人を殺さない「軍隊」だったら、いっそのこと、大災害救助隊と名前を変えたらいいのです。3.11のときには本当によくやってくれました。
この小冊子は80頁のなかに考えるべきことがよくまとまっています。多くの人に活用してほしいと思います。願わくば、もっとマンガとかイラスト(図)を盛り込んでもらえたら、もっととっつきやすい本になるのに・・・と思いました。ぜひご一読ください。
 著者から贈呈していただきました。ありがとうございました。
(2013年4月刊。1000円+税)

なぜ、あの会社は顧客満足が高いのか

カテゴリー:社会

著者  福冨言・川又啓子ほか 、 出版  同友館
日本のホテル業界の顧客満足度調査のナンバーワンは、帝国ホテルでもホテルオークラでもなく、スーパーホテルだった。
 私はまだ利用したことのないホテルですが、1泊5000円の安さです。1泊3万5000円以上のザ・リッツ・カールトンと同じレベルの満足度だそうです。本当にそうなんでしょうか。リッツ・カールトンにも泊まったことがありませんので、何とも言えませんが・・・。
 スーパーホテルの稼働率は90%、リピート立も70%と高率だ。日本全国に104のホテルを展開している。たしかに、よく宣伝・広告しているのを見かけますよね。
 スーパーホテルは料金前払いシステムで、チェックがない。ルームキーもない。チェックインも自動チェックイン機が対応する。
 ベッドの下に空間のないタイプのベッド。だから、ベッドの下にホコリがない。枕は自由に選べる。ベッドは大きめで低反発マット。防音対策・照明も工夫されている。
なにより、スーパーホテルでは、個人事業主が対応してくれる。自分の夢のために頑張っているから、創意工夫の意気込みが違う。なーるほど、ですね。
 スターバックスとドトールコーヒーの比較もあります。私はスタバはあまり利用したくありません。カフェラテの出てくるのがいつも遅いからです。他の店とそれほど味に違いがあるとも思えないのに、なぜか遅いのです。
ドトールの顧客の平均的な店舗滞在時間は30分以内だそうです。たしかに、私もそうかもしれません。昔ながらの喫茶店がないから、いつも仕方なく入っています。学生の時代は一杯のコーヒーで2時間も3時間も彼女とだべっていました・・・。
 カフェの業界の顧客満足度ナンバーワンは、カフェ・ベローチェだそうです。私も、これには納得します。思わずうなずきました。
 生涯にわたってパーソナルサービスを提供し、顧客満足を高めるには、ライフプランナーが辞めずに顧客に接し続けることが絶対条件だ。そこで、離職しない人材を獲得するため、転職が一般化している生命保険営業の経験者は採用しないことにしている。
 なるほど、なるほど、これは大変見識ある方針だと思います。私の知る限りでも、転職を繰り返す人があまりにも多いのが生保レディーです。そして、少なくない人が無理な営業で借金までしてしまうのです。
 それにしても、弁護士である私もわが身をふり返って反省させられるところがある本でもありました。
(2012年12月刊。2000円+税)

カウントダウン・メルトダウン(下)

カテゴリー:社会

著者  船橋 洋一 、 出版  文芸春秋
3.11のとき、アメリカ政府と軍がどのように対応したのかが紹介されています。今のところ表面的には何となくおさまったかのような印象ですが、内実はそんなことはありません。日本のマスコミが政府と一緒になって相変わらず原発は安全という幻想を振りまいているだけです。現実は、日本崩壊寸前の事態だったのです。その意味でアメリカは正しく原発事故を恐れたのでした。
 それにしても、日本人のジャーナリストである著者が首都にアメリカ軍基地が今なおあることに疑問を抱かず、アメリカ軍を手放しで礼賛する神経には、とてもついていけません。どうしてなんでしょうか・・・。
 アメリカのルース大使は枝野官房長官に対して官邸内にアメリカ政府の専門家を常駐させるよう要求した。
 いやはや、とんでもないことですよね。日本政府はアメリカ政府からこんなとんでもない要求を突きつけられるほど目下の扱いを受けているというわけです。ひどいものです。
このとき、アメリカ政府は、東日本が崩壊するかもしれないとみていた。そして、東電が福島第一原発事故対応を断念しようとしているのではないかとの情報がアメリカ政府に入っていた。それを聞いて菅首相(当時)が激怒したのと同じ情報がアメリカにもすぐ伝わっていたわけです。
 アレン米統合参謀本部議長(海軍大将)は、駐米大使に詰問した。
 日本政府は、なぜ、このような重大な危機なのに、事故の対処をとう東電にゆだねているのか?
 アメリカ海軍の大将は、東京在住のアメリカ国民9万人全員を退避させる必要があると主張した。アメリカ海軍原子炉機関の人々は潜水艦の基準で安全規制を考える。潜水艦の内部では、少しでも放射性物質に汚染されたら、一巻の終わりである。
 日本から退避しようと準備しはじめたのはアメリカ軍、とくに海軍だった。日本にとどまるべきだと主張したのは、外交官などだった。
アメリカ空軍は110キロ圏内で活動する人員に安定ヨウ素剤を配布する方針を決めた。
 そして、3月16日午後1時15分、アメリカ政府は福島第一原発から80キロの退避区域を指示し、アメリカ政府職員と家族に対して自主的国外退避を勧告した。この80キロ圏内には、福島、郡山、いわきの三大都市だけでなく、仙台市南部まで含まれ、圏内の人口は200万人をこえる。
 3月14日、横須賀のアメリカ海軍基地はパニックが起きていた。20日には基地内で安定ヨウ素剤の配布をはじめた。高級将校の夫人と家族は次々にチャーター機でアメリカに向かった。家族全員で民間機の切符を買って飛び出してもいった。その切符代1万ドルは、あとで払い戻してもらえるのだ。
 アメリカの原子力空母ロナルド・レーガンは、放射線センサーが鳴ったとたん離脱し、その後、二度と三陸沖には近づかなかった。
 福島第一原発事故によって放射能に汚染されたとき、空母内の原子炉の放射能もれによる汚染なのか、それとも外界からのものなのか、識別できなくなる恐れがある。
 放射能に汚染された空母は外国から寄港を拒否される恐れがある。そうなれば作戦に支障をきたす。このようにアメリカの原子力空母は逃げ出したわけですが、それでも、著者はアメリカ軍の援助があったことを忘れるなと強調しています。こうなると、日本人というよりアメリカ軍人の視点からみているジャーナリストとしか私には思えません。
 アメリカ海軍、横須賀基地がパニック状態に陥っていることを知って、東京のアメリカ大使館の家族はさらにパニック状態に陥った。それは当然ですよね。
原発そのものを狙ったテロを想定した訓練は、政府も電力会社もやりたがらない。北朝鮮のテロを声高に叫ぶ人は、いつも、では、そのターゲットが原発だったらどうするかという仮定は絶対に立てようとしません。おかしな話です。
 アメリカという同盟国がいかにありがたい存在であったかを日本国民は改めて知った。空母ロナルド・レーガンを直ちに派遣し「トモダチ作戦」を展開した。戦後最大の危機のとき、アメリカという同盟国が日本とともに戦った。
 信じられませんね。ロナルド・レーガンがいち早く日本から逃げ去ったという事実を書きながら、こんなことを臆面もなく書きしるす人なのに「日本を代表するジャーナリスト」を自称しています。そもそも、原子力発電所が危険なものであることを承知のうえで日本に押しつけたのはアメリカ政府であり、財界だったわけです。そして、その結果としての原発事故が起きたとき、いち早く逃げ出したのもアメリカ軍でした。それでいて、アメリカが日本とともに戦っただなんて、よくも恥ずかしげもなく書けるものですね。
 この本は、3.11のときのアメリカ政府と軍の対応の内幕を知る点については他書にはない取材があることを認めつつ、アメリカ軍を手放しで礼賛する姿勢に根本的な疑問を覚えました。
(2013年3月刊。1600円+税)

動じない心

カテゴリー:人間 / 社会

著者  宮城 泰年 、 出版  講談社
京都に聖護院があることは知っていました。昔、日弁連の夏期研修に参加したとき、聖護院別荘(ホテル)に泊まったこともあります。日弁連元会長中坊公平氏の関係するお寺だと聞いていました。
 聖護院は京都にある本山修験宗。山伏の総本山。これは知りませんでした。
 白河上皇が熊野詣するときに先達をつとめた功績で聖護院を賜ったとのこと。山伏を統括し、江戸時代には本山派修験と称して、修験道の一大勢力となった。今でも、毎年、100人ほどの山伏が列をなして吉野から熊野に向かい、厳しい奥駈修行をしている。
 現在の山伏にプロは少ない。本山修験宗で200人、全教団をあわせてもプロは1000人ほど。ほとんどの山伏は、ふだんは会社員であったり。こんな在家信者が全国に1万5000人ほどいる。
 1931年(昭和6年)生まれの著者は25歳のときに山伏となった。以来、50有余年。
山伏とは、山に伏して修行する者のこと。自然の中に入ると、とりわけ山中では、五感はいやでも研ぎすまされる。黙々と歩いていると、いつのまにか雑念が消える。すると、肉体的には疲れていても、感覚は鋭敏になる。わずかな枝葉の動きや物音もたちまち目や耳に入るし、土や風が運んでくる匂いも分かる。空気の変化は肌で感じるし、ひょっとしたら言葉にならないあの妙な感覚を、第六感が察知してくれる。
 昔も今も、行者は山に入ると、「サーンゲ、サンゲ、ロッコンショウジョウ」と唱えながら歩く。掛け念仏だ。サンゲとは懺悔。この世に生を受けてから今日までの罪過を神仏の前にさらけ出すこと。ロッコンショウジョウとは、六根清浄。眼、耳、鼻、舌、身、意の六つの気管を指して「六根」という。
 掛け念仏を一心不乱に唱え、足を一歩でも前へと進める。すると、いつしか身も心も掛け念仏に同化していく。このようにして掛け念仏の意味する境地へと自然に引き上げられていくのが、山の持つ力なのである。
 ひたすら歩く。全神経を足元に集中させる。みなに遅れまいと必死についていく。そうやって無心になれる。山伏の装束は買える。15万円から25万円くらいで買える。
法螺貝は大きな見だが、それにしても出る音はさらに大きい。また、山中では空気が澄み、適当な湿度があるので、音の通りがとてもよい。だから、優に5キロメートルは届く。そんなことから、法螺を吹くには、針小棒大、つまり物事を実際よりも大げさに言うという意味がある。しかし、それは決して嘘をつくことではない。
 動じない心とは何か?
 それは動かされない心であり、また自在に動ける心でもある。動じる心とは動かされる心であり、同時に自在に動けない心である。動揺や迷いは人生に付きもの。自分を動揺させているもの。迷わせているものが何か、その正体をしっかり見きわめることが大切になる。 正体のひとつは、真実を見きわめられずまどわされる心、もうひとつは我執やこだわりから道理を受け容れられない心である。
 五感が曇っていると、見るもの聞くものが正しく受けとれず、真実でないものに惑わされる。心に真実、真理の芯がなければ、空洞のまわりの堂々のめぐりとなり、果ては自分の不満や苦しみを他人や物事のせいにして避難する。
 自分を動揺させ侵す対象を心と五感を研ぎすまして正しく唱え、真実を受けいれる心をもてば、いっときの動揺であっても軸を失い、倒れることはない。軸のある心は倒れることなく、自在に動かせるのだ。
 いったん「動じない心」を獲得しても、放っておけば心の迷いやチリはすぐに積もる。ときどき掃除する必要がある。それが「六根清浄」である。山は、これにまことにふさわしい場所なのである。
 山伏の行の意義が分かりました。
(2012年12月刊。1500円+税)

日米地位協定・入門

カテゴリー:社会

著者  前泊 博盛 、 出版  創元社
読めば読むほど、腹の立ってくる本です。いえ、この本の著者に対してではありません。この本に書かれている内容が問題なのです。
 いったい、はたして沖縄は日本なのか。なぜ、戦後70年たっても、アメリカ軍はまだ日本にいるのか。いやいや、日本は、これで本当に独立国家なのか・・・。
 胸に手をあてて、自問自答するとき、いずれのこたえも「ノー」でしょう。残念ながら、「ノー」と答えざるをえません。でも、本当にそれでよいのかと問い返されたら、もちろんそれでいいはずはありません。バカにするんじゃない。そう言ってやりたいじゃないですか。
 アメリカが日本を守ってくれるかなどという疑念をもつこと自体、アメリカに対して失礼である。これは、外務省の内部文書に書かれているものです。驚くではありませんか。これでは、日本は文字どおりアメリカの属国ですよね。
 オスプレイは日本の上空で平均150メートルで飛ぶことが認められている。と言うことは、日本の法令で定めた150メートル以下でもオスプレイは飛べるということですよね。だって、「平均」ということは、それ以下の高度でも飛べるということですからね。これって、恐ろしいことですよね。
 そして、野田首相は「アメリカ軍にどうしろ、こうしろとは言わない」と国会で公式答弁してしまいました。情けない日本国首相です。そして、今の安倍さんは、もっとひどいです・・・。
日米地位協定とは何か?
アメリカ占領期と同じように、日本に軍隊を配備し続けるためのとり決め。日本におけるアメリカ軍の強大な権益についてのとり決め。
 1952年、日本は独立した。しかし、それは、看板だけとりかえて、実質的には軍事占領状態が継続した。
 アメリカ軍関係者は一切の入国手続を省略して自由に日本に出入りすることができる。日本にあるアメリカ軍基地に出入りするときに自由なだけでなく、基地からの出入りについても、完全にノーチェック。だから、日本政府は、日本国内にアメリカ人が何人いるか把握することができない。日本のなかにアメリカ人がいて、あるべき国境がないというのですから、日本ってまるで植民地ですよね。
 日本にいるアメリカの将兵が3千人しか移住しないのに、日本政府はアメリカに対して8千人分の移住費用を支払う。もちろん、これは税金。
広大な横田基地は首都・東京にある。そして、首都圏の上空には「横田ラプコン」といわれる巨大なアメリカ軍の管理区域がある。だから、日本の民間航空機は無理な急旋回と急上昇を余儀なくされる。
アメリカ軍将兵が犯罪をおこしたとき、公務執行妨害、横領・詐欺などについては起訴率ゼロ、まったく罪に問われていない。もっと重大犯罪であっても、常にあまりに寛大すぎる判決が出るのみ。
アメリカ軍の飛行機が日本国内で事故を起こしたとき、基本的にアメリカ軍の指揮下にあって、日本国民もアメリカ軍の命令に従われなければならない。とんでもないことですよ。こんなこと、絶対に許せません。ところが、現実には日本の司法は、政府と同じようにアメリカ軍の前にひれ伏すばかり。
 日米安保条約を解消するのは簡単なこと。終了の意思を日本政府がアメリカ政府に通告したら、1年たつと自動的に終了する。
そんなバカなことと思う人には、フィリピンとイラクの実例が紹介されています。いずれも、アメリカ軍が渋々ながら撤退していきました。フィリピンでは、アメリカ軍基地跡は経済的に大繁栄しているとのことです。同じことは沖縄でもあります。おもろ町周辺の近代な町並みは、基地跡地ですよね。
 前に末浪靖司氏の本『対米従属の正体』(高文研)を紹介しました。その後も、続報が続いていますが、有名な伊達判決をひっくり返すため、最高裁の田中耕太郎長官が駐日アメリカ大使に裁判の内情を全部バラして、指導を受けていたのでした。先日の新聞によると田中長官は当然のことをしているだけ、アメリカ大使と話すことが裁判官としての守秘義務に反するとは思っていなかったとのこと。信じられない感覚です。
そして、この本によると、同じように最高検察庁もアメリカの指導するとおりに論告していたというのです。守秘義務をふみにじり、日本の主権を裏切った司法界のリーダーたちは許せません。今からでも遅くありません。必ず資格剥奪処分をすべきだと思います。こんな人たちが愛国心をもてと若者に説いていたなんて、まるでマンガです。腹が立って仕方がありません。高血圧の人にはおすすめしませんが、日本人の必読文献だと思います
(2013年4月刊。1500円+税)

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