法律相談センター検索 弁護士検索

親指はなぜ太いのか

(霧山昴) 

著者 島 泰三 、 出版 講談社学術文庫

2003年の単行本が文庫本となっています。著者はマダガスカルのアイアイ研究で有名な学者です。今年80歳になりました。 

ヒトの口と手の形は骨食と直立二足歩行の可能性を示している。その掌と足裏の小さな種子骨は、自由になった両手でヒトが道具を使う能力を説明する。口と手の形が霊長類の 主食を示し、手と足の形がそのサルたちの動き方、生活の仕方を示明する。

ヒトの掌には、手に握った道具を使ったときの衝撃吸収のための構造が、種子骨の形として5個も用意されている。 ヒトの手の意味を語るのは、この種子骨群である。

他のサルたちに比べて圧倒的でありと感じられるヒトの親指は、実は、種子骨群で補強されている。

マダガスカルは、他の大陸とまったく関わりなく、6600万年間を歩み続けた。 

アイアイは、ラミーを主食としている。ラミーは、クルミとほぼ同じカロリー、しかも味もそっくり。ラミーの殻は、クルミのように堅く、厚さ4ミリもある。アイアイは、その先端を鋭い切歯で削り、1.2センチも割り開け、中の胚乳をの細い中指で取り出し、口の中にほじ込むようにして食べる。この胚乳の脂質は54.2%もある。

著者は、「口と手連合仮説」を提唱し、実証している。

マダガスカルには、7科29種におよぶコウモリ類が 棲んでいて、昆虫食のコウモリは24種以上いる。

パンダのように竹を食べる(3種)サルがいる。竹を食べる3種のサルたちが同じ森に棲むには、食べる竹の部位と竹の種をそれぞれ異にする、食べ分けから成っている。

青酸という毒を含むタケノコを好んで食べるヒロバジェントルキツネザルがいる。この青酸は、竹の葉や成長した竹の幹には含まれていないので、ヒロバジェントルキツネザルは、これらの部位を食べる。 

チンパンジーは平面(地表)をナックルウォークで進む。それは、森の中の太いツルを握って移動するので、地上に降りたとき、そのままナックルウォークになる。チンパンジーはツルや木々の先端にある果実を主食としている。 

ゴリラは、食物を食べる前に、引き抜き、下ごしらえをしなくてはならない。ゴリラのグローブのように皮が厚いのは、イラクサ類のトゲトゲしたツルをしごきちぎるのに対処している。

ゴリラは笑う。赤ちゃんが自分に近づいて来るのを見て、穏やかなほほ笑みを浮かべる。 

初期人類の手と歯は、骨を主食とするための必要不可欠の条件をすべて満たしている。人類の最初の道具は、掌におさまる拳大の大きさの石で、これは骨を割るために必要だから。 石を投げる、槍を投げるという人類特有の卓越した行動は、足親指で地面をけり込むことで完成する。これが人類の足の親指がないことを説明する。

ヒトも霊長類もサルも、みんな食べ物にあわせた体をしていることがよく分かりました。

(2026年8月刊。1870円)

福岡県弁護士会 〒810-0044 福岡市中央区六本松4丁目2番5号 TEL:092-741-6416

Copyright©2011-2025 FukuokakenBengoshikai. All rights reserved.

タイトルとURLをコピーしました