(霧山昴)
著者 定村 来人 、 出版 青幻舎
「ぎょうさい」と読むとばかり思っていましたが、「きょうさい」と読むようです。 イスラエル・ゴールドマンという人が集めた作品のみが掲載されています。一人でこれだけ集められるなんて、たいしたものです。よほどの大金持ちなのでしょう。1981年にハーバード大学を出た美術商だと紹介されていますので、まだ60歳代ですよね……。春画のコレクションもあるそうですが、この本はすべて動物です。
暁斎が活動したのは、幕末から明治にかけてです。 7歳のときから絵師について絵を学んだ9年間の修学のあと独立。
狂斎とも名乗りまた即興的にその場で筆をとる席画も描いています。 幕府を批判する狂画を描いて逮捕、投獄されたりもしています。
明治22(1889)年に59歳で胃ガンのため東京で亡くなりました。
ゴールドマン・コレクションには五千点近い暁斎の作品が集められているそうです。壮観でしょう。
動物はおしなべて愛らしい。いたずらもするし. 怖さもちょっぴりある。 蛙の絵としては、西南戦争(明治10年)を蛙の合戦として描いています。 大勢の蛙が登場しますが、みんな表情が豊かです。
暁斎は猫と暮らしていたので、猫もたくさん描かれています。 猫がネズミにやりこまれている絵も得意です。 カラスも猿も登場します。
私はネズミ年の生まれですが、ネズミは十二支の最初なので縁起が良いとされてきたとのこと。ええっ、そうなんですか……。 ニコニコ笑顔のネズミとともに登場している絵は、なんだか心楽しくなってきます。
キツネとタヌキの化かしあいもあります。
幕末の日本には、豹(ヒョウ)や虎、それに象が海外からやってきました。目の高い日本人が、それこそたくさん見に集まったことでしょう。 すごい、すごいと思いながら頁をめくっていきました。すばらしい絵です。
(2026年5月刊。3080円)


