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カテゴリー: 生物

かえる!かえる、かえる!

カテゴリー:生物

著者  松井 正文 、 出版  山と谿谷社
 世界のカエルが大集合した写真集です。同じカエルでも、こんなにいるのかと。びっくり仰天です。わが家には、梅雨時になると門柱に鎮座まします緑色の小型アマガエルがいます。なぜか、今年は今のところ姿を見せてくれません。
 庭のコンポストの水たまりには、これまた小さなツチガエルがたくさん棲みついています。すぐ下は、今は広々とした休耕田になっていますが、水田にしていたときには、ウシガエルのくぐもった低い鳴き声に悩まされていました。
 スズガエルは、緑と茶と黒の迷彩服を着た格好です。いわば戦闘服でしょうか・・・。
 緑色のニホンアマガエルもちゃんと紹介されています。わが家の門柱に座り込んでいるのと同じカエルです。
 トウキョウダルマガエルは、池の中にいて、両頬に大きな風船をふくらませています。
ワラストトビガエルは、どうやら空中をモモンガのように飛翔できるようです。カエルが空中を滑空するなんて、いささか不気味ではあります。
 カエルが笑っている写真があります。ナタージャックヒキガエルです。口の中に歯がないので、笑顔が本当に可愛らしいのです。
 中南米にいるヤノスバゼットガエルは、ブンブク茶ガマのような変な格好のカエルです。
オレンジヒキガエルは、前進が赤味の濃いオレンジ色をしています。
 ジョウメドクアマガエルは、白と濃茶のツートンカラーです。
 ヤドクガエルは、体内に毒をもつカエルです。
 アラハダヤドクガエルは、不気味に青く光る体色です。毒々しげです。
 トマトガエルは、イチゴのように真っ赤なトマト色の体色をしています。びっくりです。
 世の中のさまざまなカエルの写真を手軽にみれるなんて、なんて便利な世の中でしょうか。
(2014年6月刊。1600円+税)

アルゼンチンアリ

カテゴリー:生物

著者  田付 貞洋 、 出版  東京大学出版会
 アルゼンチンアリとは、聞き慣れないアリですが、日本と無関係のようでいて、いまや全世界にネットワークを拡大中の史上最強の侵略外来種であるアリなのです。当然、日本でも大いに繁殖しています。といっても、この本によると、九州ではまだ見つかっていないとのこと。本当でしょうか・・・。
 アルゼンチンアリは体長3ミリたらずの、チョコレート色をした小さい、ごく普通のアリ。強大なキバや毒針もない。それなのに、過去15年あまりのあいだに原産地南米の一隅から世界中に分布し拡大し、「史上最強の侵略的外来種」とまで言われる存在になった。
 アルゼンチンアリは、一つの巣のなかに多数の女王が存在する。大きな巣では、1000頭を優にこす女王がいる。女王は巣内で何度も交尾する。ワーカーのアリの寿命は半年ほど。女王の寿命も短く、10ヵ月程度。女王のいない巣であっても、そこに幼虫がいれば、それを女王に育て上げることができる。
 日本へのアルゼンチンアリの侵入によって、在来の地上徘徊性のアリ類が著しく排除されている。イチゴやイチジク、スイカなどの果実にアルゼンチンアリが来集する被害が生じている。
アルゼンチンアリの行列は、線状の1列のものではなく、2~3列以上の帯状である。大きな行列では幅が20センチをこえるときがある。
 アルゼンチンアリは巣分かれの繰り返しによって、多数の巣が協力しあうスーパーコロニーを形成し、なわばり争いをしない。雑食性で、なんでもエサとする。アルゼンチンアリの巣は、一生固定した巣ではなく、営巣場所の環境が悪くなると、すぐに巣を移動する。
 アルゼンチンアリが日本で発見されたのは1993年7月広島県廿日市市でのこと。
 2013年8月現在、1都11府県に広がっている。ゴミ箱に頻繁に来集するのでゴミとともに運搬される機会も非常に多い。
 アルゼンチンアリは地球規模で一つのスーパーコロニー、つまりメガコロニーを形成している。この大きさは人間社会以外に匹敵するものがない。
 アルゼンチンアリの分布拡大は、人間活動に強く依存していることから、人間は知らず識らずのうちに、自分たちの社会に匹敵するアルゼンチンアリの巨大社会をつくっていたことになる。
 これは、二匹のアリをプラスチックシャーレに入れて観察し、敵対行動をとるかどうかで判定して判明したのです。
 侵略的外来種対策の基本は根絶。アリの巣に持ち帰らせて根絶を図るベイト剤は有効のようです。とりあえずは「タダの虫」にして、そして根絶する。
アルゼンチンアリについての百科全書のような本(300頁)です。勉強になりました。
(2014年3月刊。4800円+税)

光る生物の話

カテゴリー:生物

著者  下村 脩 、 出版  朝日新聞出版
 身近な光る生物といえば、なんといってもホタルです。私の家から歩いて5分のところにホタルが飛びかう小川が流れています。コンクリート三面張りにした部分も、やがて土で覆われて、少しずつホタルが回復しています。
 本格的な梅雨入りすると、このあたりのホタルは季節は終わります。よそは8月に入ってもホタルが飛びかうようですから、私のところは早いのでしょう。
ホタルが光るのは、雌雄間の求愛行為。ホタルの点滅は、誤差20ミリ秒という正確さで同調している。ただし、雄ホタルの点滅発光は、同調しているが、雌ホタルの点滅発光は、同調発光しない。だから、雄ホタル発見できるのですよね。
雄ホタルの発酵時間は0.1秒で、発行間隔は1秒。ただし、種によって、多少異なる。
 生物が光を放つのは、化学反応である。ルシフェリンは、ルシフェラーゼの触媒作用により酸化されて、発光エネルギーを与える有機化合物である。発光量は反応したルシフェリン量に比例する。
 発光反応では、ルシフェリンが酸化され、大きなエネルギーをもつ励起状態の酸化物(発光体)を生じ、それが、通常のエネルギーの基底状態に変わるときに、余分のエネルギーを光子(フォトン)として放出する。
 著者は、光るウミホタルの研究のため500万匹のウミホタルをつかった。オワンクラゲの研究では、18年間に85万匹を、1匹1匹、手網で採取して使った。採取ノルマは、1日300匹だった。すごいですね。大変だったでしょうね・・・。
 オワンクラゲは緑に光るが、それから得た発光タンパク質イクオリンはカルシウムで青く光る。これは、オワンクラゲの発光細胞中には、イクオリンと緑色蛍光たんぱく質GFPが共存するためである。
 ノーベル賞を受賞した学者の涙ぐましい努力のあとがしのばれる本です。
(2014年4月刊。1300円+税)

観察の記録、60年

カテゴリー:生物

著者  矢島 稔 、 出版  平凡社
 すごい写真のオンパレードです。その息を呑む美しさに圧倒されます。
 アオスジハエトリというクモがいる。昆虫を食べて生きている。このクモは、前脚をいかにもありの触覚のように動かして、ときどきアブラムシの背中をトントンと叩く。すると、アブラムシが尻から甘い液を分泌する。クモは、それを飲むのではなく、アリになりきって、アブラムシの回りを動きまわっている。そこへクロオオアリがやって来る。すると、クモは体をひるがえしてアリに飛びかかってきた体をおさえこむ。牙でかみついて、そのままクモの餌食になってしまう。
 クモはアブラムシのいる所にアリが集まってくるのを知っていて、アリそっくりの動きをして待っているのだ。この瞬間を写真に撮っているのですから、すごいものです。よほど辛抱強くなければなりません。
 クヌギがコナラの樹液を求めて昆虫たちが寄り集まる。だいたい勝つのは、カブトムシのオスで、次がクワガタのオス。カミキリの大型種は、脚が長いせいか、力負けしてしまう。意外に強いのは、スズメバチ。
樹液にはお酒というより、薄いビール程度のアルコール分が入っている。木から樹液がしみ出してくるのは、篩管に穴を開けるものがいるからのこと。それは、ボクトウガの幼虫である。
 ニホンミツバチが天敵であるスズメバチを取り囲んで熱死させる情景をとった写真もあります。これも、すごいと思いました。
 ニホンミツバチは、集団で体温を上げ、48度でスズメバチを殺す。自らの体温を限界ぎりぎりまで上げて相手を熱死させる。これは、いわば捨て身の戦法だ。この習性は、セイヨウミツバチにはない。おそらく、ニホンミツバチが長い間、同じ地域にスズメバチとともに生活してるために生まれた護身術であり、それが世代をこえて伝えられているということだ。
 驚異の写真といえば、カンガルーの袋のなかの、生まれたばかりの「胎児」の写真はすごいものです。「胎児」は、目が見えなくても、生まれ落ちたあと母親の乳首を目ざして、ついにたどり着くのです。感動しました。
 写真をめくるだけでも楽しい大自然のすばらしさを語る本です。
(2014年4月刊。1800円+税)

先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています

カテゴリー:生物

著者  小林 朋道 、 出版  築地書館
 鳥取環境大学のコバヤシ教授による先生シリーズも、なんと8冊目です。すごいですね、驚嘆するばかりです。
 この書評コーナーでずっと紹介してきました。生き物観察を通じて生物の神秘を知るのは面白くもあり、人間の存在を深く考えさせられます。
 私が今回の本を読んでもっとも印象に残ったのは、ツバメにコバヤシ教授が何回も襲いかかられたというくだりです。親ツバメたちにとって、子どもを襲う危険な存在だったのでした。
 ツバメは、つがいで共同して巣作りをし、子育てする。つがいの2個体が相次いで巣に戻ってきたとき、巣づくりや子どもたちへの餌やりを先に終えたほうは、そのまま飛び立つのではなく、あとの個体が作業を終えるまで待っている。そして、あとの個体が作業を終えると、そのまま飛び立っていくのではなく、待っている相手の横に止まる。そして、互いの労をねぎらうかのように顔を見合わせて、それから一緒に飛び立つ。
 ええーっ、これって、夫婦のコミュニケーションが大切にされているっていうことですよね・・・。驚きました。
 コバヤシ教授が、親鳥のいない留守に巣に接近し、ヒナたちと目線を交わし、写真をとったころ、親鳥が巣に戻ってきた。ピチーッ、ピーッ、ピーッという甲高い、強烈な声がした。ヒナたちは一斉に身をかがめ、巣の奥に身を隠す。急いで巣から離れたコバヤシ教授の頭上を飛びかい、その数が次第に増えてきた。攻撃するように飛びかうツバメたちにはかなり迫力があった。
さすがのコバヤシ教授もタジタジになってしまったのです・・・。
 写真もたくさんあり、学生たちのさまざまな反応も面白おかしく紹介されていて、今日もコバヤシ教授は元気いっぱいなのでした。いつ読んでも面白いシリーズです。
(2014年5月刊。1600円+税)

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