(霧山昴)
著者 海野 聡 、 出版 祥伝社
出雲大社には2度行ったことがあります。すごく大きくて、高い社殿に驚かされました。伊勢神宮にも行きました。昔のお伊勢参りとか御師(おんし)が活躍した門前町のにぎやかさは今はありませんので想像するだけです。
多くの日本人は神社と寺院の違いが分かっていないと思います。もちろん、私もそうです。
この本によると、全国に神社は10万社以上あるそうです。我が家から歩いて15分ほどの森の中にも無人の神社があります。以前は、正月子どもたちとお参りしていました。
鳥居(とりい)は、神社のシンボルです。これは寺院と神社を明確に区別する。鳥居は神社のシンボル。
神社建築とは、自然の中に潜む神を「かたち」にした最初の「場」である。神社建築の概念一つとして、「神は永住せず、移動する存在である」という思想がある。神は一定の地にとどまらず、祭祀のたびに仮の殿舎に迎え入れられる。社殿は恒久的な建物ではなく、神を一時的に宿す仮設性という側面を有する。
伊勢神宮には式年遷宮(しきねんせんぐう)がある。20年ごとに建て替える。もっとも重要な心御柱は古制を守って、伊勢周辺の山から切り出している。他の多くは、木曾から供給されている。
多くの神社は、「随時改修理(ずいじかいしゅうり)」の原則によっている。損傷したら修理するというもの。木は腐るか、燃え尽きる。朽(く)ちても、同じ技法で再生できる。この可変性が日本の建築文化の根底にある。
神社の多くは、垂直構成が単純。神社建築の特徴は、寺院建築のように重厚な組物で装飾性を高めるのではなく、必要最小限の構造で建築を成立させ、それをそのまま表現することにある。
神社建築には「簡素の美」が息づいている。神社建築には土壁を用いない。
神社の境内には、明確な柵や堀などの構築物がない場合が多く、自然と調和した空間が広がっている。本殿よりも拝殿が大きいことは珍しくない。拝殿は人のための空間。本殿では丸柱を基本とし、拝殿では角柱となる。角柱よりも丸柱が上位になる。
古代に仏教が伝来してきたとき、日本人は仏教を排除せず、既存の神祇(じんぎ)信仰と調和させた。
本地垂迹(ほんじすいじゃく)説とは、神を仏の表現形とする。
熊野那智大社にも参拝しました。熊野古道はとてもいいところなのでまた歩きたいと思っています。
(2026年5月刊。1100円)


