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「発車オーライ」

著者 東武労組女性労働運動史研究会、 出版 ドメス出版
 東武労組婦人部のあゆみ。これがサブタイトルです。オビに書かれている文章を紹介します。
かつて女性の職業といわれたバス車掌が、ワンマンカーの導入で仕事と職場を奪われた。まったく異なる仕事へ、再び“発車オーライ”した。働き続ける道を切り拓いた女性たちの軌跡をつづる。
 今どきの若い人は、バスに車掌さんがいて「発車オーライ」と叫んでバスが走り出していたなんて、想像もできないことでしょう。でも、そこには、人の手によるぬくもりが、たしかにあったのです。ワンマンバスは、非人間的な労働環境を象徴するものです。
 バス車掌は、最高時に8万人。日本でバス車掌が誕生したのは1919年(大正8年)のこと。この当時、バスは高級な乗り物で、東京市バスの採用試験に集まった女性は、和服姿だった。制服は、フランス人のデザイナーが一人ひとり採寸して仕立てた。
 車掌は、運転手より早く出勤する。バスは木炭車で、下駄履きだった。
 バスには冷房もなく、乗務中は立ちっぱなし。揺れるバスの中で、立ったままで乗車券を切り、お客におつりを渡す。馴れるまで、なかなか出来ない。つい立ったまま居眠りしてしまうこともある。
 乗務が終わると、清算業務がある。足りないときには車掌が負担する時代もあった。
 1979年(昭和54年)、バスのワンマン化が始まった。車掌が配転されはじめた。
 1981年に路線バスは100%ワンマン化された。
田舎のバスは、オンボロ車、ガタゴト走る。つい、この歌を思い出しました。働く人、そして乗客を本当に大切にする社会であってほしいものです。効率一本やり、見せかけのサービスだけというのでは困ります。
 
(2008年11月刊。2000円+税)

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