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時間の分子生物学

カテゴリー:未分類

著者:粂和彦、出版社:講談社現代新書
 加齢とともに早起きになるのは、概日周期が短くなるからではなく、睡眠の質が大きく変わるから。年をとるとともに深い睡眠が減り、明け方はとくに浅い睡眠ばかりになるため、朝早く目が覚める。
 ハエも眠る。ハエの複眼にまぶたがないので、目をつぶることはない。しかし、何時間もずっと動かずにいる。眠らせないとハエは死んでしまう。誰でも、毎晩、少なくとも10、多ければ100以上の夢を見ている。夢を見ることは、起きているときに学習したことを復習しているということ。
 睡眠にも質があるという考えを私は信じています。だから夜は12時前に寝るようにしています。そして、7時間眠ります。出張したときには、疲れていますので、11時までにベッドに入り、持参のMDでシャンソンを聴いて心を静めてぐっすり眠ります。そして朝は6時に起きます。やはり、早寝早起き、規則正しい生活が頭と身体をスッキリさせて活動できる源(みなもと)です。

病の世相史

カテゴリー:未分類

著者:田中圭一、出版社:ちくま新書
 江戸時代、佐渡の村医者の日記を通じてみた百姓の生活が描かれています。私たちの常識に反して、村には、無医村の多い現代から想像もつかないほど多勢の医者がいました。昔の人は必ずしも短命ではなく、50歳をこえる人も多かったのです。80歳以上の老人には、お米を2割安く買えるように奉行所が手配していました。
 多きもの 医者と寺院と赤トンボ 臼の挽きがら 眼やみ瘡(かさ)かき
 こんな戯れ歌があったほど、江戸時代の佐渡には医者が多くいたのです。無医村ができたのは大正・昭和に入ってのことなのです。医者になったら金もうけができて、生涯安楽に暮らせるうえ、人聞きもよいと人々が考え、大勢の人が医者をめざしました。薬草や民間療法も研究がすすんでいました。温泉にしても、どこの温泉が何に効くということが詳しく紹介されていて、そこへみんな出かけていたのです。
 私は、昔の人をまたまた見直してしまいました。昔の人は偉かった・・・。

出すと病気は必ず治る

カテゴリー:未分類

著者:石原結實、出版社:三笠書房
 東京での生活を1年間送っているうちに体重が70キロ近くになってしまいました。5キロほども太ったのです。学生時代には53キロしかありませんでしたから、まさに中年太りの典型です。あわてて始めたのが朝食抜きのダイエット法です。もちろん、身体を動かす方も一緒にやっています。
 私と同世代の著者は、毎朝ニンジンジュース一杯健康法をすすめています。この本は、それをやさしく解説したものです。ニンジンジュース断食といって、1週間、朝昼夜、それぞれコップ3杯のニンジン・リンゴジュースだけで過ごすというものもやっているそうですが、とてもそんなことはできません。私は、朝食だけ抜いてニンジン・リンゴジュースを飲んでいます。著者と違うのは、私は牛乳とハチミツを加えるのです。そのうえで、ショウガ入りの紅茶を飲みます。その点は同じです。あとは、昼12時まで飲まず食わずで我慢します。昼食も夕食も普通にとれます。1日2食になりますから、食事が楽しみです。ご飯は30回ゆっくりかんで味わいます。
 快便、快食、快眠。この3つが大切だという著者の主張に同感です。おなかがスッキリしていると食事はおいしいし、ぐっすり眠れます。頭が冴えていないと、法律相談を受けたときのアドバイスも間違ってしまいますよね。

終わりなきアメリカ帝国の戦争

カテゴリー:未分類

著者:デイナ・プリースト、出版社:アスペクト
 少しばかり重い気分になって最後まで読みとおしたところ、著者がアメリカの女性ジャーナリストだというのを知って、目を見開かされました。それまで、てっきりボブ・ウッドのような男性ジャーナリストだと思いこんでいたからです。アメリカの支配層、とくに将軍たちの思考パターンがよく描けていると感心しながら読みました。
 シンク・タンクの予測によると、これから予想される戦争はローテクの武器による無差別な戦争だ。自爆テロや有毒ガス・殺人ウィルスが武器となり、ドラッグやダイヤモンド、ダーティーマネーが世界的なテロ組織の資金源となる。
 それを予防するには、多国籍の近隣住民による警戒と密告グループが地域的国家連合を結成して、悪いやつがさまよいこんできて愚かなことをしでかさないように警戒するしかない。それは軍事というより、民政・外交の分野だ。
 かつてアメリカが絶縁しようとした独裁者たちが今やアメリカの支援を受け、かつては狂人として排除した反徒や軍閥たちを、今度は味方として取りこんでいる。
 パウエル・ドクトリンとは、敵に対しては最初から決定的で圧倒的な兵力であたること、それができなければ、何もしないこと、というもの。
 アメリカの街頭で売られるコカインは、2002年には、ほとんどすべてがコロンビアから密輸されたもの。アメリカは麻薬戦争に何百万ドルもつぎ込んだが、効果はなかった。コカイン生産量は増加する一方。除草剤を散布して20万エーカーのコカの木を除去したが、たちまち植え直された。コロンビアのコカイン生産量は、2001年まで増加の一途で、年間800トンに達している。
 アメリカがいくら軍隊を置くって外国を支配しようとしても、その国に本当に必要なものとは違う。真に求められているのは武器ではなく、ミシンであり、水と食料である。そして、民間のNGOだということが改めてよく分かる本です。

シェイクスピアの妻

カテゴリー:未分類

著者:熊井明子、出版社:春秋社
 すこし前に『恋に落ちたシェイクスピア』という映画を見ました。ワラ屋根のグローブ座が主な舞台となっていましたが、なかなか見ごたえのあるいい映画でした。
 シェイクスピアが恋におちるのですから、てっきり独身かと思うと、さにあらず。郷里に年上の妻がいて、3人の子どもまでいたのです。
 この本は、その妻が主人公です。文才のあるシェイクスピアをロンドンに送り出しながら、主のいない一家を切り盛りしていく苦労など、身につまされる場面があります。それはともかく、この本が読みごたえのあるのは、シェイクスピアの作品の裏話が妻との会話を通じて「明らかに」されていくところです。逆に言うと、シェイクスピアの作品をもとに、家庭での「会話」を創作していったのでしょう。作家の創造力ときめこまやかな描写に感嘆してしまいました。
 参考文献をみると、シェイクスピアを本当によく知り抜いているからこそ書ける小説だと改めて敬服した次第です。

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