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あなたのなかのサル

カテゴリー:未分類

著者:フランス・ドゥ・ヴァール、出版社:早川書房
 イギリスの動物園で、ボノボの飼育場のガラスにムクドリが激突して落下した。ボノボのクニは高い木のてっぺんにのぼり、両脚で幹にしがみつき、両手でムクドリの翼をそっと広げ、オモチャの飛行機を飛ばすように飛ばした。ムクドリはまだ目がさめず、飛べないまま地面に着地した。そこで、クニは木からおりて、ほかのボノボが近づかないよう、長いあいだムクドリを見守った。やがてムクドリは元気を取り戻して飛び立っていった。このボノボの行動は、他者を思いやる共感行動ができることを証明している。
 別の動物園で、ボノボのリンダが産んだメスの赤ん坊(2歳)が、おっぱいをほしがった。赤ん坊が人工保育で育ったため、リンダのおっぱいは出なくなっていた。それでもリンダは赤ん坊の要望を理解し、水飲み場に行って口いっぱいに水を含んだ。そして、赤ん坊の正面にすわって唇をすぼめ、水を口うつしで飲ませてやった。赤ん坊が満足するまで、リンダは水飲み場とのあいだを三度往復した。
 ボノボのメスには乳房がはっきり認められる。Aカップぐらいはある。ボノボのトレードマークは、まん中分けになっている頭の毛。
 ボノボとチンパンジーは身体つきが相当ちがう。チンパンジーは頭が大きく、首が太く、肩幅も広くて、毎日ジムで鍛えているみたい。それに対して、ボノボは首が細く、肩幅も小さくて、上半身がほっそりして知的な外見をしている。二足歩行すると、ボノボは背中がまっすぐで妙に人間っぽい。ボノボは大型類人猿のなかでいちばん最後に1929年に発見された。ボノボは日本にいないそうです。残念です。
 チンパンジーとボノボは鳴き声で区別するのが一番簡単。チンバンジーはフーフーという低い声を出す。ボノボは、むしろヒーヒーといった高い声。
 野生状態のボノボは、思春期になってもとの群れを離れるのはメスのほう。オスはそのまま残り、母親の庇護を受ける。影響力の強いメスの息子は自然と地位も高くなり、食べ物をとっても大目にみてもらえる。動物園では、メスによるオスのイジメが問題になる。くんずほずれつの乱闘となって、負傷するのは必ずオスのほう。
 チンパンジーの世界は、潜在的な暴力という雲におおわれている。動物園でも野生でも、子殺しは死亡原因のかなりの部分を占める。
 第二次大戦中、動物園の近くが空襲を受けたとき、3頭のボノボは心臓発作をおこして全員死んだ。チンパンジーは無事だった。それほど、ボノボは繊細だ。
 チンパンジー社会は、1頭のオスが単独支配することはまずない。あったとしても、すぐに集団ぐるみで引きずりおろされるから、長続きはしない。チンパンジーは同盟関係をつくるのがとても巧みなので、自分の地位を強化するだけでなく、リーダーは同盟者を必要とする。トップに立つ者は、支配者としての力を誇示しつつも、支援者を満足させ、大がかりな反抗を未然に防がなくてはならない。人間の政治とまったく同じ。
 チンパンジー社会では、上下関係があらゆる面に入りこんでいる。メスがトップの座につくのは、誰もがリーダーと認めるからであり、そのため地位をめぐる争いはほとんど起こらない。オスのあいだでは、権力は早い者勝ち。年齢その他の基準で授与されることはない。あくまで競争の末に勝ちとるもの。ライバルたちに用心しながら必死で守るもの。オス同士が同盟関係を結ぶのは、あくまでお互いが必要だから。
 サルには厳格かつ安定した序列関係ができている。チンパンジーは、ケンカに介入するとき、勝者も敗者も、ほぼ同じくらい支援する。いくら形勢が有利でも、増えるのは敵か味方か予想がつかない。サルは勝者を応援する。これはサルとチンパンジーの社会が決定的に異なる点だ。負け側に力を貸したりすると、上下関係に動きが出てくる。チンパンジーのトップの座はサルの社会に比べると不安定なのだ。
 人間の笑顔は、もとをたどれば懐柔の合図。だから男性より女性のほうがいつも笑顔でいることが多い。うーん、そうなんですね・・・。だから、私は、いつもニコニコしているんですね。
 ボノボのセックス好きは有名です。だから、子どもが見物にいく日本の動物園にはボノボがいないのでしょうね。あれ、何してるの?と子どもたちに訊かれたら赤面して、引率の先生はシドロモドロになってしまうことでしょう。ボノボが交尾に要する時間はおどろくほど短く、平均14秒。だから、ボノボの日常は、いつ果てるともしれぬ乱交パーティーというのではなく、親密な性的接触をスパイスのようにまぶした社会生活である。
 セックスといえば、子づくりと性欲のためと人間は考えがちだが、ボノボにとっては、セックスのためのセックス、宥和のためのセックス、愛情表現の性行動など、あらゆるニーズをセックスで満たしている。めざすところは満足感であり、生殖はセックスの一機能にすぎない。ボノボやチンパンジーのオスは、成熟しきったメスを交尾相手に選びたがる。若いメスには目もくれない。すでに健康な子どもを産んだ実績を重視しているからだろう。
 ゴリラは、家族を守るためなら、死もいとわず敵に向かう。ボノボの生息域にはゴリラはいない。チンパンジーの活動範囲はゴリラとぴったり重なりあい競合している。
 ボノボは、永遠の若さをもつ霊長類だ。頭は小さくて丸みを帯びており、白いふさのような尾がはえたまま。声は甲高いし、メスの性器が全面にあるのも、幼形成成熟のひとつ。おとなになっても茶目っ気が抜けない。
 世界に残された類人猿は、チンパンジーが20万頭、ゴリラが1万頭、ボノボとオランウータンが2万頭だけ。2040年には類人猿に適した生息環境が完全に消えるという予測がある。
 著者の「政治をするサル」(平凡社)を読んだとき、私は本当にびっくり仰天してしまいました。まさしく人間と同じで、いかにも高度の政治をするサルの世界が紹介されていたからです。離合集散みごとな高等芸術でした。自民党の派閥抗争なんか顔負けです。果たして、人間はチンパンジーに似てるのか、それともボノボに似てるのか。また、どちらに似たほうが人間にとって幸福なのか。いろいろ考えさせられる本です。

泣いて笑ってスリランカ

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著者:末広美津代、出版社:ダイヤモンド社
 私は紅茶が大好きです。ミルクティーをゆっくり味わいながら本を読んでいると、幸せ感に全身が包まれてしまいます。
 紅茶の名産地、スリランカに日本人女性が1年間滞在して、体当たり紅茶修業をしたのです。すごいですね、日本の女性は。タフでなければやっていけません。精神的にも、そして胃腸の方も・・・。
 紅茶にもいろんな種類があることを、今さらながら思い知らされます。といっても、私の毎朝のしょうがとハチミツ入り紅茶は、悲しいことに生協のティーバッグなのです。
 紅茶のテイスティングは、口にふくむことから始まる。このとき、できるだけ空気と触れさせるために、ズズズと音を立てながら吸う。行儀はよくないが、これがテイスティング。そして、鼻から空気を出す。そのときに、鼻をすっと抜けていく香りをチェックするのだ。そのあと、ぺっと吐き出す。決して飲みこんではいけない。
 ミルクティーには、砂糖山盛り1杯とコンデンスミルク普通盛り1杯を入れる。スリランカでつかう砂糖は日本のものより甘みが少ない。だから、想像するほど甘くはない。
 スリランカでは、ミルクティをつくるとき生乳はつかわない。粉ミルクをつかう。冷蔵輸送のインフラがととのっていないから。家庭の冷蔵庫に入っているのはココナッツミルク。
 スリランカの食事はカレー。左手は不浄の手なので、右手だけで食べる。食べる分だけを混ぜる。人差し指から薬指をつかい、小指は軽くそえる。指をスコップのようにして混ざったカレーをすくう。そして口のところまでもっていき、親指でカレーを押し出すようにして口に入れる。食卓に肘をついて食べる。熱いものでも、少し冷めてから食べる。
 晩ご飯は夜の9時。夕方5時にティータイムがある。食後に紅茶を飲む習慣はない。食後は決まって水。一度沸かして冷ました常温の水をがぶ飲みする。
 紅茶の葉っぱは一芯二葉で摘む。芯芽とその下についている葉っぱ2枚を摘む。でも、三枚目の葉っぱがもしソフトなら一緒に摘んでもいい。
 雨が降っても紅茶は摘む。ビニールシートを頭からすっぽりかぶって・・・。
 軟らかい葉っぱには、紅茶のおいしさの元となる化学物質がたくさん残っている。
 乾期になると、紅茶の生産量は格段に落ちてしまう。しかし、その分だけ紅茶のうま味がぐっと出てくる。劇的に味が良くなる。
 インドのダージリン、中国のキーマンと並ぶのが、スリランカのウバ。メントールの味と香りが強烈だ。
 スリランカでは、ミルクティをつくるとき生乳はつかわない。粉ミルクをつかう。冷蔵輸送のインフラがととのっていないから。家庭の冷蔵庫に入っているのはココナッツミルク。
 スリランカで結婚するときには、やはりカーストが問題となる。自分の身分に見合う人を親が探し出し、親が決めた人と結婚する人が多い。
 日本女性の健康はつらつとした行動力に、男も負けてなんかいられないと、つい思ってしまいました。それにしても、おいしいミルクティーを味わいたいものですよね。ご一緒に、いかがですか。

またまた、へんないきもの

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著者:早川いくを、出版社:バジリコ
 私は、いつも奇人・変人と言われています。もっとも、本人はいたって平凡な常識人だと自負しているのですが・・・。テレビを見ない。プロ野球にもゴルフにも興味がない。カラオケも歌謡曲も大嫌いだ、なんていうと、やっぱり、この世の中では変人の類なのかもしれません。でも、でもでも、この本を眺めると、私のようなものはまだまだ変人なんて域には達していない、単なる凡人でしかないことを確信します。
 そう、そうなんです。自称・他称の奇人・変人に生きる勇気を与えてくれるのが、この本なんでーす。いかにも奇妙奇天烈な変てこりんの生き物たちの堂々たるオンパレードです。本当は絵を見てもらえば、その妙ちくりんの姿につい笑いたくなるほどなのですが、ここでは示すことができませんので、機能の方で、その変てこりんぶりを紹介します。
 ツノトカゲは追いつめられると、なんと目から血を発射して敵を威嚇する。射程距離は1メートル。発射後は角膜がきれいになるのをぐっと待つ。ビーム砲のように血液を噴射するなんて、まさに怪獣ですよね。
 セアカサラマンダーは、一夫一婦制の両生類。メスはよそのメスとつがった浮気なオスに対し、殴る、かむなどの激しい攻撃を加える。おー、こわ、こわ・・・。
 地球で一番長大な生物はクジラでもヘビでもない。なんと、クラゲ。体長40メートルのクラゲ。しかし、このクラゲは、遊泳、消化、浮力調整、生殖など、それぞれが機能別に変身している。つまり集団でありながら一匹の生物としてふるまう群体生物なのだ。
 シュモクバエでは、オス同士は顔つきあわせてお互いに目玉の離れ具合を入念に計測する。目と目の距離はオスの遺伝子の優秀さを表示している。この計測で勝負が決まると、敗者は黙って引き下がる。うーん、潔ぎよい・・・。
 ホシバナモグラは、鼻が星のようにヒラヒラしています。まるで変です。でも、鼻先にある22本のセンサーは常にピクピクと動いて、世界を触覚で認識しているのです。世界でもっとも精密なセンサーと言えます。接触した物体が獲物かどうか、0.025秒で判断し、0.205秒で捕獲。合計0.23秒でたいらげるのです。触覚のみで、この速さなのですから、たいしたものです。わが家の庭にもモグラがいることはまちがいありません。しかし、残念なことにヘビと違って、一度もお目にかかったことがありません。一度ぜひ、そのご尊顔を拝閲させてください。
 マダラコウラナメクジは長さが20センチにもなる。連れ添う2匹が50センチに及ぶ粘液の糸をくりだして逆さ吊りになる。そして吊られたまま、銀の粘液に光る肌を寄せあい、絡ませ、よじらせ、身悶えしつつ互いにその身を溶けあわせる。雌雄同体生物であり、両性具有者である。ペニスの長さは85センチにも達し、うっかりするとこんがらがってしまう。ペニスは、プロペラのように、渦巻きのように、そして相手をまさぐる恋人たちの手のように変幻自在に形を変え、ねっとりと舐めあい、溶けあい、互いに精子を交換する。
 フランスの自然を観察した映画(「ミクロコスモス」だったと思うのですが・・・)に、カタツムリの愛の交歓をうつしたものがありました。いかにもなまめかしい愛撫がえんえんと続き、ポルノ映画でも見ているようにゴクリとツバを飲みこみ、圧倒されながら見入ってしまったことを思い出します。
 サナダムシの長さは長くて12メートル。人間の腸は9メートル。今までで一番長いサナダムシは25メートルあった。サナダムシは全身が生殖器といってもいいくらいで、1日に200万個の卵をうむ。そして、最盛期には1日に20センチは伸びる。
 いやはや、いろんな生き物がこの世にはいるもんですね・・・。

見えない恐怖におびえるアメリカ人

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著者:矢部 武、出版社:PHP研究所
 アメリカこそ全世界にテロの恐怖を輸出しているならず者国家の典型だ。私は、そう考えています。そのアメリカ国内で何が進行しているのかを暴いた本です。
 全米で離婚に率の高い州はブッシュ大統領が勝利した州が占める。アーカンソー、ミシシッピー、ケンタッキーなど。もっとも離婚率の低いのはケリー候補の地元のマサチューセッツ州。
 ブッシュ大統領は福音主義者であるが、福音主義者が多い州では、プロテスタントの個人主義的な信仰が人々に、“我が道を行く”的な生き方を奨励し、また、結婚前の性的関係を禁止する禁欲主義の風潮が強い。もし家族などに結婚前の性的関係を慎むように強く言われ、それに従って結婚したカップルは離婚する可能性が高い。福音主義者の方が、それ以外のキリスト教徒よりも離婚しやすい。うーん、なんだか常識に反する気もしますが、抑えつけすぎると必ず反動があるということなんでしょうね。
 アメリカでは成人の64%が太り過ぎ、31%が肥満だ。そこで、最後の手段として、胃を小さくするバイパス手術を受ける人が増えている。これは、患者の胃の最上部5センチぐらいのたるみ部分(小袋のような)と小腸をつなぐ手術だ。こうすると、食べたものは胃の大きな部分ではなく、小さなたるみ部分を通って小腸へ送られる。ここで持ちこたえられるのは、わずか60グラムぐらいなので、少量しか食べられず、だんだんやせていく。問題なのは、この手術には大きなリスクが伴うということです。もっとも深刻なのは、胃と小腸をつないだ部分が破れて、食べたものが体内に漏れ、感染症など、合併症をおこすこと。手術後、2ヶ月以内に20人に1人の割合で深刻な合併症をおこし、患者の50人に1人から200人に1人の割合で死亡している。ところが、胃バイパス手術を受けた人は2005年には17万人に達する見こみだ。
 実は、私も中年太りに悩んでいます。鏡に自分の裸身をうつすたびに、小腹の出ているのが、わが身体ながら嫌になってしまいます。若いころはスリムなボデーを誇っていたのですが・・・。それでも、ダイエットは今でも続けているのですよ。朝はニンジン・リンゴのジュースと青汁としょうが紅茶のみです。そのあと昼12時までは一切何も口にしません。胃腸を休めるのです。
 驚いたことに、アメリカではペニス拡大手術が流行しています。信じられません。
 アメリカでは、女らしさの象徴は性器のほかに胸、かわいい顔があるが、男性はペニスだけという考え方が強い。男のパワーの象徴としてのペニスへの異常なほどのこだわりがある。問題は実物のサイズではなく、精神的な不安、恐れなのである。死人の皮膚をつかって、ペニスを拡大させる。料金は6000〜7000ドル。高度なものだと1万4000ドルもする。これには驚きました。なんとも言いようがありません。
 さらに、男性がシリコン筋内豊胸手術を受けているというのです。なんということでしょうか・・・。
 アメリカには2億数千万丁の銃が氾濫しているため、その銃によって年間3万人の生命が奪われているのです。
 この本の最終章のタイトルは、日本はいつまでアメリカに盲従するのか、というものです。ホントにそうですよね。日本の景気がちっとも良くならないというのに、グアムにアメリカ軍が移転する費用の大半(なんと9,000億円にものぼるのですよ)は日本が負担してあげるというんですから、そのバカバカしさには、開いた口がふさがりません。
 私は昔からヤンキーゴーホームでしたが、いま一度ここで叫びたい気がします。といっても、ここでいうヤンキーとはアメリカ軍人のことです。念のため・・・。

なぜ、いま代用監獄か

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著者:小池振一郎、出版社:岩波ブックレット
 著者はテレビのワイドショーのコメンテーターに長く出演していました。「ワイドショーに弁護士が出演する理由」(平凡社新書)と言う本があります。司法試験の受験勉強を一緒にした仲間です。コメンテーターとして一言いうのもなかなか難しいと語っていました。ときの政府をあまりコテンパンにやっつけてしまうと、次から座敷がかかってこないというのです。さしずめ、今だったら小泉首相を弱者いじめの極悪人だと決めつけるような言い方をすると、次には間違いなくお呼びはかからなくなるのでしょうね。
 著者は世界の刑事拘禁施設について調べています。日本の留置場がどんなに警察にとって都合のよいものか、取調べの便宜のために正義が犠牲にされていることを強調しています。私も、自白している被疑者が面倒みてもらっていることを何回となく体験しました。否認している被疑者とは雲泥の差があります。
 たとえば、煙草、そして差し入れの食事です。これまで愛人と面会でき、しかも、密室になることが許されたケースも報告されています。その面会のときの写真まであるというのですから、信じられません。
 オウム事件の主任弁護人だった安田好弘弁護士は10ヶ月近くも拘置所に勾留されてしまいました。安田弁護士のこの逮捕は、まさに不当逮捕の典型だと思いますが、体験談のなかに次のようなくだりがあり、驚きました。
 留置場ではもちろん、拘置所の中にあってもフセンを使うこともできない。カラーマーカーもない。ホチキスもない。えーっ、本当でしょうか・・・。私は、記録を読むとき、カラーマーカーをつかいながら、いくつもの色のフセンをつけていくようにしています。後で読み返すときの便宜のためです。もし、こんな制限が本当にあるのなら、まったくもって不当な制限だと思います。
 警察の留置場の規則は厳しい。しかし、これは破られている。消灯時間の夜9時までに房に戻しておくことになっている。ところが、取調べのために、消灯時間を2時間も過ぎた夜11時に戻すことがある。それでも、その時間は夜9時に戻ったことになっている。被疑者は時計をもたされていないし、留置場や取調室には時計はない。だから、被疑者が何時まで取り調べられたか客観的には分からない。うーん、そうなんですね・・・。
 警察の留置場に被疑者がいる限り、取調べ官の便宜が最優先してしまうのはあたりまえのことです。ここは、どうしても留置場とは別の拘留場所を確保すべきなのです。
 わずか63頁の薄いパンフレットですが、今まさに時宜にかなった内容になっています。

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