著者:並木茂、出版社:悠々社
ローゼンベルグの『証明責任論』を訳した倉田卓次元判事の同僚裁判官だった著者による要件事実論です。
私にはとても難しくて、チンプンカンプンでした。実務に役立つというより、学者の議論に加わりたい人向きではないかと思われます。
私の紹介する最初の本がこんなに難解では、先が思いやられます。
2003年7月1日
2003年7月1日
著者:並木茂、出版社:悠々社
ローゼンベルグの『証明責任論』を訳した倉田卓次元判事の同僚裁判官だった著者による要件事実論です。
私にはとても難しくて、チンプンカンプンでした。実務に役立つというより、学者の議論に加わりたい人向きではないかと思われます。
私の紹介する最初の本がこんなに難解では、先が思いやられます。
2003年7月1日
著者:講談社
有名な大平光代弁護士は、この本によると、日曜日を除いて、毎日、午前4時から6時まで語学の勉強をしています。英語、韓国語、中国語ができるようです。これからフランス語とイタリア語にも挑戦するそうです。まったく、すごい女性です。
私も弁護士になって以来のことですが、毎朝、NHKのラジオ講座を聴いてフランス語を勉強しています。おかげで仏検(準一級)の一次試験まで合格するようになりました。出張するときは朝6時に起きて、30分ほどフランス語を勉強することにしています。NHKラジオ講座のCDを聞いて、テキストを書き写すのです。
2003年7月1日
著者:季恩成、出版社:桐原書店
韓国で300万部売れた超ベストセラー歴史小説。読んでみて、なるほど面白い。上下2段組の本文500頁で上下2冊。それでも著者の死によって残念ながら未完となっている。秀吉の朝鮮侵略戦争によって李王朝は混乱させられるが、それを乗りこえて医学書をつくっていくところが残念ながら欠落している。しかし、差別される境遇のなかから医学を学んで人々の役に立つ「心医」をめざす苦難の道があますところなく描かれ、心に深い感動を呼び起こす。これがテレビ放映されたら大ヒットするのも当然のこと。
『商道』(徳間書店)も大変感動的な本だったが、韓国のベストセラーもすごい。これほど深く心を揺り動かされた本は、日本では『沈まぬ太陽』(新潮社)くらいしか思いつかない。
2003年7月1日
出版社:財務省印刷局
弁護実務研究会が『時の法令』という雑誌に掲載したものを一冊の本にまとめて出したのが1980年12月のこと。それから22年あまり、ついに30巻をもって最終刊となった。
私は日弁連に通うたびに地下の本屋で買い求め、むさぼるように読んだ。
弁護士が具体的な事件をいかに解決していったのか、何を工夫し、どこにぶつかったのか、追体験させてもらうなかで弁護活動のあり方を考えることができた。私は、30巻全部読んだし、関連したシリーズものもかなり読んだが、本当に勉強になった。
最終刊には、アパートの明け渡し執行記という私にも身近な話から、スイスのオークション会社による16億円の売買代金の回収事件という私には別世界のような話まで9扁の顛末記がのっていて、今回も学ぶところ大だった。多くの若手弁護士に一読をすすめたい。
2003年7月1日
出版社:講談社文庫
乙川優三郎の時代小説は、しっとりとした雰囲気で、人生の悲哀をよくよくかみしめ味わうことができます。前に読んだ『霧の橋』もなかなかのものでした。
この本は、山田洋次監督の映画になった藤沢周平の『たそがれ清兵衛』によく似た雰囲気の話です。藩の上層部の対立抗争に腕のたつ下級武士が巻きこまれ、刺客として暗殺を命じされたりする話です。時代小説といいながら、まるで現代の会社内部の派閥抗争のような様相が描かれ、ぐいぐいと暗闘の舞台にひきずりこまれていきます。
知らない方がよかったかもしれないけれど、真相をやっぱり知りたい。そんな人間の抑えきれない欲求に悩む主人公の行く末が案じられ、我が身をふりかえります。でも、やっぱり世の中はもっと知りたいというのが私の信条です。