著者:新原浩朗、出版社:日経新聞社
大変勉強になりました。日本の優秀企業を実証的に研究しています。
優秀企業に共通する一般的なものとして、「優秀企業はバイオ・ITなどの先端産業界にある」「 貿易によって国際競争にさらされている企業は強く、内需に依存している企業は弱い」という通念がある。しかし、この2つはいずれも誤りである。
本書は、このように断言しています。では、日本の優秀企業とは?
著者は、6つの共通点を掘り出して紹介しています。
1、分からない事業をやらない勇気
今や、アメリカでもコングロマリット形態をとる企業は少ない。成功している企業となると、きわめてまれである。
2、IT時代になっても、暗黙知を形成する段階では、「場」の共有による情報の厚み、ニュアンスが大切なので、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが欠かせない。社長が現場感覚をもち、電子メールではなく、電話をかけて確認する。メールだとディスカッションができない。
3、経営者は社外からではなく、傍流の時代。
改革をリードする経営者に必要な条件とは、既存の考え方やしがらみにとらわれずに発想でき、思い切った決断と行動ができること、また、その企業の事業について現場感覚をもち、事業に精通していることが必要。
4、危機を企業のチャンスに転化する。
バッド・ニュース・ファースト。経営者にとって快適でない情報ほど、現場から経営者に伝えなければならない。危機に瀕して自己を全否定せず、自らの持てるものを見つめる。トヨタ生産方式の核は、ライン「止めぬ」ことにある。
トヨタでは異常管理が一番重要だと考えられている。
6、目的は継続的に社会に貢献すること。その手段が利益。
「世のため、人のため」という自発性の企業文化を企業に埋め込んでいること。
優秀企業は、経営トップが自社の提供する製品・サービスひいては顧客に興味がある。それに対置する企業は株式市場の評価のみに興味がある。
本書で優秀企業としてとりあげられたのは花王、キャノン、シマノ、信越化学工業、セブン・イレブン・ジャパン、トヨタ自動車、任天堂、本田技研工業、マブチモーター、ヤマト運輸です。
2004年1月1日


