(霧山昴)
著者 石田京子・濱中淳子 、 出版 岩波書店
弁護士になって50年以上たちました。私にとってまさに天職です。誰に気兼ねすることもなく、自由にモノが言え、そして工夫すると自由になる時間がそこそこ確保でき、豊かな大自然と少々まじわりながら、しかも大金持ちにはなれなくても、経済的にも早くから自立できています。
朝起きて雨戸を開けると、4月には庭のチューリップたちが迎えてくれます。今は黄ショウブとグラジオラスとアマリリスの花が庭を美しく飾っています。遠くには緑豊かな小山と丘が見えます。すぐ下には水田があり、蛙の鳴き声に悩まされていましたが、今は休耕田で、雑草が生い茂っているのが少々残念です。歩いて5分ほどの小川にはもうすぐホタルが飛びかうようになります。
空き家の目立つ古い住宅団地です。子ども会も老人会も消滅してしまいました。
法律家の仕事は単調ではありません。そのとおりです。法律もいろいろあるし、扱う人の意もさまざま。その人自分にあった面白さを発見でき、力を発揮できます。
勝負のかけひきに熱中できる人は、それを面白いと感じる。私は、かけひきは得意ではありませんし、勝負事にも関わりたくありません。負けるのが嫌だからです。なので、裁判で負けたら、落ち込んでしまいます。
他人に納得してもらえるよう、相手が理解できる言葉にして伝える。そのとき、裏づけとなる証拠や事実を並べて、筋道立てて文章で説明にいく。これは私の得意とするところです。そしてこれこそ法のしごとそのものです。
このとき、正解を探すという発想はありません。最善、次善、そしてよりましな選択肢を絶えず考えていきます。これもまた面白い、知的刺激のある作業です。
弁護士に向かない人がいます。対人間に関心が薄い人は、早く方向転換したほうがいいと思います。ビジネスでお金をたくさん稼ぎたい人は、さっさと起業したほうがいいです。人に興味、関心が薄いと弁護士の仕事は辛いばかりです。また、この本では長い文章を読むのが苦手な人は弁護士に向かないとしています。そのとおりです。大量の文書をさっと読んで、肝心な点をピックアップしていくのが求められます。AIにまかせることは出来ません。さらに暗記が好きな人も向いていないとしています。正解を求める発想も向きません。依頼者の立場に立って解決策を柔軟に考えていくことが求められます。
弁護士の仕事は面白いです。ぜひ、あなたも弁護士を目指してください。
(2026年4月刊。1450円+税)


