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爆心を見つめて

(霧山昴)

著者 鎌田 七男・宮崎 園子 、 出版 朝日新聞出版

 アメリカは、広島・長崎に原爆を投下したあと、戦争終結と同時に調査団を派遣した。

 そして、「残留放射能はない」などという無責任なことを高言した。それは事実にもとづかない、政治的な思惑をもった願望にすぎないのに、今なお根強く生きている。このような間違った考えと闘った医師たちがいたのです。

 アメリカのABCC(原爆傷害調査委員会)は被爆者と被爆2世のあわせて3万人の血液と尿のサンプル計190万本を保存している。

 ABCCは、調査するだけで治療はしなかった。あくまでも軍事研究が目的だった。被爆者は「サンプル」と呼ばれた。生身の人間としてではなく、統計的に処理する数字でしかなかった。

 爆心地から700メートル内にいた被爆者のなかに、なんと生存者がいたのです。それも1975年の時点で69人もいました。それは、遮蔽(しゃへい)その他、何らかの条件によって生存することができたのでした。

被爆生存者30万人といわれる集団の中で69人の生存者はきわめて希少な存在だ。

 投下された原爆による放射線は、誘導放射線や残留放射線というのもある。かつては「入市被爆者」の存在が否定されていた。この「通説」は今では痛烈に批判されている。残留放射線や放射性降下物によって内部被爆した可能性もある。

 福島3.11では、低線量被爆問題が問われている。

 原爆そして原子力発電所は人間の力で制御することのできないもの。どちらも廃絶するしかないことを改めて思い知らされました。

(2025年7月刊。2090円)

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