(霧山昴)
著者 佐藤 亮子 、 出版 小学館
中学受験をするにしても、しなくても、9歳までが大切だという子育てを詳しく解説している本です。
9歳というと、小学3年生です。それまでの学習の蓄積が中学受験に向けた勉強の基礎になる。小学3年生までの教科内容は保護者が教えることができる。
しかし、中学受験に必要な学習内容は難しいので、保護者は教えられないし、中途半端に介入すると子どもが混乱してしまう。塾など、プロにまかせたほうがいい。
きっとそうなんでしょうね。私も昔、ツルカメ算などで苦しんでいたような記憶があります。
耳学問を大切にする。絵本を読み、童謡を歌って聴かせ、美しい言葉を耳からインプットして語い力をつけ、豊かな感性を育てる。そして思い切り遊ぶ。
遊びは子どもの想像力を育て、成長する糧(かて)になる。
また、子どもの話をよく聴く。インプットと同じく、しゃべるというアウトプットも大切なこと。人間はインプットとアウトプットを繰り返して、知識や技能を身につけていく。
佐藤ママの勧める勉強法の特徴は、合理的な方法で、ムダを省き、楽しくできる工夫をするということです。実に徹底しています。
「くもん」の幼児教室に1歳半から長男を通わせていますが、それは佐藤ママの気分転換も目的の一つだったとのこと。なるほどですね…。
子どもはウソをつくもの。佐藤ママは、まずはだまされたふりをする。そしてあとで、「ウソって、必ずバレるのよね」と、さりげなく言う。「ウソを一度つくと、次にまたウソをつかないといけなくなるのよね…」と付け加える。すると、子どもにとって、ウソがバレるのが一番怖いことなので、自然とウソをつかなくなる。これまた、なーるほど、です。
掛け算の九九は歌をメインにして覚え、表で補う。今は九九の歌というのがあるのですね。ある段はマーチ風、ある段はバラード風。段ごとに曲調が変わって九九が唱えられる。これを佐藤ママは車の中で聴かせたそうです。
私は、すぐ上の兄が泣きながら九九を暗唱させられるのをそばで見ていて、こりゃあ大変だ、泣かないですむよう早く覚えておこうと思ったことを今でも覚えています。兄弟が多いことの利点です。
佐藤ママには子どもが4人いて、「お兄ちゃん」とは呼ばず、全員を名前に「ちゃん」づけで呼んだとのこと。これはいいことです。「お兄ちゃんだからガマンしなさい」とか、「ここはお兄ちゃんに譲ってあげなさい」と親から言われるのは、子ども心に納得できないものです。みんな一人の人間として平等に扱うことを徹底した。偉いです。
たとえば、誕生日のプレゼントは、その子だけでなく、全員にそれぞれに合ったものをプレゼントする。さすが、です。兄弟ゲンカしたときも、「お兄ちゃんだからいい」とか言わず、ともかくまずは両方の言い分をよく聞く。そして、解決策を示して納得させる。
佐藤ママの家には子ども部屋がない。リビングに机を並べる。4つの机が並ぶ。親の目の届かない部屋に子どもを置かない。いやあ、とてもよく考えられています。
とっくに子育ては終わり、孫の勉強にも一切口出ししない私ですが、とても参考になりました。というのも、弁護士として、子どもの親権者・監護者争いの渦中に身を置くことがあるものですから…。
佐藤ママの夫である真理(まさみち)弁護士より贈呈してもらいました。いつもありがとうございます。
(2026年2月刊。1760円)


