著者:山田寛、出版社:講談社選書メチエ
人口800万人の小国において、数年間のうちに150万人もの国民を死なせたカンボジア。その支配者(ナンバーワン)であったポルポトは病死(実は、暗殺された?)したが、ナンバーツーのヌオン・チェアは今も生存し、自由の身である。ヌオン・チェアは投降したあと、家族に面会したとき土下座して謝罪した。しかし、同時に自分たち最高指導者は虐殺を知らなかったなどとヌケヌケと嘘をついた。
悪名高いツールスレン監獄の所長ドッチは20年間行方不明だったが、実は洗礼を受けてクリスチャンになっていて、国連の難民救援活動に従事していたという。
ポルポトは裕福な農家に生まれ、フランスに留学し、カンボジアで教員をしていた。しかし、ポルポト派はその出自でもある知識人を根こそぎ虐殺してしまった。そして、そのポルポト派をタイと中国が武器を送るなどして直接支援し、アメリカも間接的に支援していた。アメリカの「人道支援」は、いつも自国に都合よく解釈される。
ポルポト革命史
