著者:金子隆一、出版社:祥伝社新書
映画『ジュラシック・パーク』は、すごい迫力でした。なるほど、太古の昔、地球上を我が物顔でのし歩いていた恐竜というのは、こんな生活をしていたのだろうなと思わせるに十分な映像でした。恐竜の皮膚に色がついていたり、恐竜が鳴き声をたてたり、いろんなことが分かってきています。
1976年に出版された『大恐竜時代』(二見書房)によって、それまで愚鈍、凶暴、巨大というキーワードでしか語られることのなかった恐竜が、それらの先入観が完全に覆された。恐竜大絶滅の原因がメキシコ・ユカタン半島への隕石(天体)衝突によるものだという通説に対して、著者は疑問を投げかけています。
それだけで恐竜が絶滅したとはとても考えられない。もし、それが原因であったとしても、それは中生代の生態系に最後のとどめを刺した程度のことだ。
恐竜とは、2億3000万前にうまれ、6500万年前に絶滅してしまった爬虫類の一グループである。ワニと恐竜は、系統的にはごく近い。
恐竜の学術的な定義・要件は3つある。第1に直立歩行。恐竜は、2足か4足かにかかわらず、体の下にまっすぐ肢を伸ばして立ち、肢を前後方向に動かして歩く。第2が貫通した寛骨臼。第3が直線上の足首の関節。
恐竜は陸上動物に限られる。クビナガ竜や魚竜は恐竜ではない。前足が翼に変化して空を飛ぶ爬虫類、翼竜も、直立歩行はしないので恐竜ではない。
ええーっ、そうなんですか・・・。
博物館や大学で常勤の職を得ている恐竜研究者は、実は全世界に30人ほど。今でも 100人もいるとは考えられない。
そ、そうなんですか・・・。ちっとも知りませんでした。恐竜学で食っていくことは不可能と言わざるをえないそうです。だから、世間で評判になる恐竜展も、ビジネスにはならないし、難しいというのです。うむむ、そういうことなんですね・・・。
九州でも、天草に恐竜の化石が出ていましたよね、たしか・・・。
(2007年8月刊。800円+税)
知られざる日本の恐竜文化
