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江戸の地図屋さん

著者:俵元昭、出版社:吉川弘文館
 『切絵図・現代図で歩く江戸東京散歩』(人文社)という本があります。1年間、ほとんど東京それも皇居周辺をウロウロしていましたので、江戸時代はどんな町並みだったのか興味があり、ときどき書棚から取りだしては眺めています。彦根藩井伊家の上屋敷がどこにあったのか、などが古い図面(切絵図といいます)と現代図で対比しながら説明があって、大変わかりやすい本です。
 この本によると、武家屋敷には表札や看板などがまったくなかったので(テレビの時代劇に表札があるのは視聴者の便宜のため)、不便でしょうがなかった。そこで、どこの大名なのか書きこんだ地図が売れたということです。
 江戸の地図は当初きわめて正確につくられていたけれど、250年かかって不正確なものへ変化していったそうです。見た人が分かりやすいように変わったということです。伊能忠敬をもち出すまでもなく、正確な図面をつくる能力は江戸時代にあったのです。でも、つかう人の便宜を考えて、絵図面いりの図面がつくられていきました。やっぱり、正確さより分かりやすさなのですね。

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