著者:ハワード・ジン、出版社:大月書店
「軍事基地である広島に史上最初の原爆が投下されたことに世界は気がつくであろう。この最初の原爆攻撃でわれわれが願ったのは、できるかぎり民間人の殺戮を避けることであった」
これはトルーマン大統領が原爆投下を発表したときの談話。できる限り民間人を殺さないようにしたなんて、よくも言えたものだ。
この本には、アメリカの民主主義の本質が鋭くあばかれている。アメリカでは、反対意見がもっとも必要なときに、その反対意見を閉塞させてしまうという長い伝統がある。どうでもいいような些細なことに関しては言論の自由が保たれても、生きるか死ぬかという重要な問題に関しては言論の自由が許されない。これを民主主義と呼んでいる。今の日本はアメリカの民主主義を、そのまま真似ているだけのように思ってしまう。
テロリズムと戦争
