(霧山昴)
著者 神田和則 、 出版 地平社
高市政権の外国人敵視政策はひどいと思います。ヘイトスピーチを政府みずからあおっているとしか言いようがありません。
今の日本社会は外国人労働者がいなければ基本的なところでまわりません。すでにコンビニでは外国人店員がフツーです。そして、病院や介護施設です。インドネシア、フィリピン、ネパールなど、いろんな国から人が来ていて日本の医療体制を守っています。
この本は難民に対する日本政府の冷酷無比な対応を明らかにし、厳しく告発しています。
9月27日の毎日新聞の社説が手元にあるので紹介します。タイトルには、「難民申請者に厳格対応。保護すべき人が 守られぬ」です。難民認定申請をすると、書面だけから「迫害なし」と判断して面接しない割合が14%(その前年は0.6%)もあるそうです。書面だけでそう簡単に分かるはずはありません。ちゃんと会って話を聞くべきです。 そして、難民認定申請は2回までという制限があるそうです。信じられない制限です。
高市政権は「不法滞在者ゼロ」をめざして対策を強化しています。ところが、ミャンマーから逃げてきて申請した人は1万人以上もいるのに、難民と認定されたのはわずか200人にも満たないのです。少なすぎます。国連は「疑わしきは申請者の利益に」という原則を示しているのに、日本政府は難民認定体制を強化することもありません。排外的な風潮に乗っかかって良しとしています。まさに高市首相の排外思想を体現しています。
カナダの難民認定機関は難民を保護する姿勢で審査するのに対し、日本は難民排除を優先している。
難民審査にあたっては参与員が活用されているようですが、その参与員に難民排除を使命とするかのような人がいるようです。許せません。
入管収容施設での死亡などあってはならないことが何件も起きています。入管職員が 仮病だと疑って、適切な医療をしなかったのです。何でも疑ってかかる体質がそこにあります。
「人道的な観点からの仮放免」が減ったことから、長期収容者が増えています。
アフガニスタンから日本の大使館と一緒に来た人に対して、日本人職員がこう言ったそうです。「日本はあなたの居場所ではない。日本の国民は外国人が嫌いだ。もし日本にとどまるなら、あなたにとって、日本は地獄のようになる」。この日本人職員は正気でこんなことを言ったのでしょうか。とても信じられません。まさしく狂っています。
外国人に優しくない国は、弱者に優しくない国です。タワーマンションなどで優雅に過ごしている人だけで日本の社会が成り立っているわけではありません。深く考えさせられる本でした。
(2026年6月刊。2200円)


