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権力と新聞の大問題

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者 望月 衣塑子 ・ マーティン・ファクラー 、 出版  集英社新書
日本のマスコミは本当に大丈夫なのかと、ときとして不安にかられます。とくにテレビ、そしてNHKです。
そんななかで、大いに気を吐いているのが我らがモチヅキ記者です。なにしろ、あの鉄面皮のスガ官房長官に対して「分からないので訊いています」と何回も鋭い質問を浴びせ、タジタジさせたという猛者(つわもの)です。それにしても、質問力を喪った記者って、ジャーナリズム失格ですよね・・・。
そして、我らが「エナーシュカ」(フランス語読みです)は、どうなってるんでしょう。大量死刑執行前夜に万歳する法務大臣、豪雨災害で警報が発令しているのに飲んだくれている国土交通大臣と防衛大臣、そしてそれを統括するアベ首相は、災害初動の遅れは他人事(ひとごと)ですまします。いやはや、「天下泰平」(ではありません)の日本のデージンたちです。
Jアラートが鳴る前、不思議なことにアベ首相は珍しく首相官邸に泊まりこんだ。それを追及すると、スガ官房長官は、目を吊り上げて、「あなた北朝鮮の肩をもつんですか?」と逆襲した。とんでもない権力者です。
アベ政権は北朝鮮へ圧力(制裁)一本槍の政策できた。ところが、トランプ大統領が金正恩委員長と米朝会談を成功させると、さすがアメリカと絶賛するものの、日本のマスコミは金正恩への警戒一色に染めあげる。「金正恩に騙されるな」と・・・。
では、いったい、日本の平和と安全をどうやって守るというのでしょうか。朝鮮半島で戦争を終結させることのどこが悪いというのでしょうか・・・。
日本のマスコミのトップはアベ首相との食事会に喜々として参加し、その模様を報道することはない。この食事会の源資は、例の月1億円のつかい放題の内閣官房機密費に決まっています。
美味しいものを腹いっぱい食べさせられ、手土産もってハイヤーで自宅へ帰ったら、アベ首相の提灯もちの記事の一つでも書きたい気になることでしょう。でも、その裏には、自然災害で泣いている多くの被災者がいて、日本の民主主義がダメになっていくのを許せないと思っている市民がいるのです。
アベ首相、あんまり日本の市民を舐めすぎたらいかんぜよ。
そう叫びたくなる日本ジャーナリストの対談集です。
(2018年6月刊。860円+税)

ソウル・ハンターズ

カテゴリー:ヨーロッパ

(霧山昴)
著者 レーン・ウィラースレフ 、 出版 亜紀書房
シベリアに住む少数民族、ユカギールの社会を研究した学者の本です。
ユカギール人は、トナカイ牧畜によって生活している。イヌが唯一の家畜である。
ユカギール人は、エルクを狩猟によって得ると、狩猟者たちのあいだで、森の中でシェアされる。
分け前は、集団内の狩猟者の数に応じて山積みにされ、全員が年齢や技術に関係なく平等な分け前を得る。
村に戻ると、肉は再びシェアされる。狩猟者は全員と分け合う義務はなく、親戚にだけそうする義務がある。親族は「よこせ」と言う。そこには「お願いします」とか「ありがとう」という言葉はない。肉が調理されてしまうと、それは再び、その場にいる者、通常は、世帯の全員にシェアされる。肉が保存とか貯蔵されることは、ほとんどない。ユカギール人は、新鮮な肉を食べることを好む。
ユカギール人の狩猟者は、森に行くとき、わざと食料は2日か3日分しか持っていかない。古い世代のユカギール人は、野草を食べることをかたくなに拒絶する。赤くて脂肪の多い肉が何より重要視され、そんな肉のない食事は、まったく正しい食事ではないと、ほとんどの人は考えている。
ユカギールの子どもたちは、寄宿学校に入れられて学ぶよう義務づけられるが、ほとんど6年くらいで脱走して、両親の元へ戻った。
学校を必要としない社会、親と子のつながりで生きていける社会もあるのですね・・・。
(2018年4月刊。3200円+税)

コンビニ外国人

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者 芹澤 健介 、 出版  新潮新書
日本全国に5万5000店舗あるコンビニには、外国人が4万人以上つとめている。コンビニで働くスタッフ20人に1人は外国人。
コンビニで働いている留学生のほとんどは、多額の借金をかかえて来日している。
日本にいる27万人の外国人留学生のうち、アルバイトをしているのは26万人。
日本は今、600校以上の日本語学校がある。授業料は60万円から80万円。このほか、入学金や教科書代が加算される。日本語学校の授業は、午前中だけ、あるいは午後だけというところが多い。
在日韓国・朝鮮人は48万人で、この20年間で20万人も減っている。中国人は71万人。いま急増しているのがベトナム人23万人、ネパール人7万人。
外国人技能実習生は25万人。在留期間は最長5年。
高度専門職ビザで在留している外国人は、わずか5000人。
労働力を呼んだら、来たのは人間だった・・・。
日本政府は、「移民」は断じて認めないが、外国人が日本に住んで働くのはOK。むしろ積極的に人手不足を補いたい、というもの。
JR新大久保駅の周辺には外国人の比率が4割を占める地区がある。
日本のコンビニを支えているのが外国人留学生であり、ベトナム、ネパール、ミャンマーなどの学生が多いという現実を知ることが出来ました。
(2018年16月刊。760円+税)

マーチ 1

カテゴリー:アメリカ

(霧山昴)
著者 ジョン・ルイス 、 アンドリュー・アイディン 、 出版  岩波書店
先日、マルティン・ルーサー・キングの伝記を読みましたが、同じように黒人牧師として活躍し、アメリカ下院議員でもあるジョン・ルイスの半生をマンガで紹介した本です。
冒頭のシーンは、有名な「血の日曜日事件」です。黒人の集団が橋を渡ろうとしているところへ、白人警察隊が襲いかかってきます。
黒人は、住む地区が白人とは別、学校も店も乗るバスや列車も白人とは別なのです。
黒人が、そのルールに従わなかったときには、白人による凄惨なリンチが待ち受けています。黒人が殺されても、リンチした白人は晴れて堂々と無罪になります。全員が白人の陪審員団は、「ニガー」殺しで白人を有罪にするなんてとんでもない、そんな考えにこり固まっているのです。
そこへ、黒人の学生たちが無抵抗・非暴力主義で立ち上がります。少数の白人も応援しますが、見つかると大変な目にあいます。白人だからといって容赦なんてありません。コーヒーショップのカウンターに座って、じっと耐えるのです。白人の暴徒に襲われます。非暴力だから、やられっ放しです。でも、応援に次々にやって来ます。みんなブタ箱に入れられます。
バスに乗る人がいなくなり、商店で商品を買う人がいなくなります。
アメリカの自由と権利を守るたたかいのすさまじさ、これを実感させてくれるマンガ本です。
(2018年6月刊。1900円+税)

カラス学のすすめ

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 杉田 昭栄 、 出版  緑書房
毎朝毎日、見かけないことがない鳥がカラスです。でも、同じように黒いツバメとちがって、どうにも好きになれそうもありません。
嫌われもののカラスは、実際に大量に駆除され、ひところよりはずい分と減っているとのこと。賢いカラスに関する面白い話が満載の本です。
いま、日本では年間30~40万羽のカラスが害鳥として駆除されている。ええっ、どうやってあの賢いカラスを捕まえ、殺しているのでしょうか・・・。
カラスは、古代エジプトでは不吉な鳥とされていたが、旧約聖書では、カラスは重要な使者として、人間の役に立っていた。
童謡にカラスの赤ちゃんが登場してくるのを指摘されると、不思議な気がします。
そして、「夕焼け小焼け」でも、最後は、「カラスと一緒に帰りましょ」ですね・・・。
戦前の日本の軍のなかで新兵はカラスと呼ばれていたというのを初めて(?)知りました。新兵は階級章もなく、征服はまっ黒だったからです。格好のいじめの対象になったことでしょう。
カラスは、スズメ目カラス科の総称。46種類のカラスがいる。日本には、ハシブトガラス、ハシボソガラスなど5種のカラスがいる。
ハシブトガラスはクチバシが大きく太く、頭が丸い。カァーカァーと澄んだ声で鳴き、肉を好む。東京には平成13年に4万羽ほどいたのが、今では1万2千羽にまで減った。
ハシボソガラスはガァーガァーと濁った鳴き声で、郊外の農村部にすんでいる。
カラスは共食いをする。
カラスの寿命は12年ほど。
カラスは賢い。顔写真のなかから、間違いなく選びだす。
カラスは人間の男女という性別も識別している。
カラスの親は自分の子どもを分かっているし、子どもも親を間違えることはない。
カラス同士にしても、お互いの顔を識別している。
この結論は簡単ですが、それを証明するための実験には、かなり工夫と忍耐力を要したことでしょう。
カラスの記憶は1年は保てるし、数の概念だってある。
ほとんどのカラスは、4キロから5キロ以内の狭い範囲で活動している。これは、カラスの背中にGPSの発信器を付けて調査した結果です。
カラスは最高時速73キロメートル、平均時速34キロメートルというのですから、原付バイク並みです。私は速いと思います。
日本でも、昔、カラス田楽(でんがく)といって、カラス食の文化があったそうです。
でも、あの黒さって、いかにもまずそうですよね・・・。ところが、カラスの肉にはタウリンという遊離アミノ酸が50%近くも含まれていて、とても健康にいいのだそうです。
そして、フランス料理にもカラスの料理があるそうです(聞いたことありませんし、もちろん食べたことありません)。なんだか食べたくないですよね。カラスって、本当に食べられるんでしょうか・・・。
(2018年6月刊。1800円+税)

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