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イラク戦争従軍記

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著者:野嶋剛、出版社:朝日新聞社
 イラク戦争とは一体何だったのか。イラクを占領しているアメリカ軍は毎日のようにおそわれて死者を出している。どんなにフセイン政権がひどい独裁政権であったとしても(そんな独裁政権は、残念なことに世界のあちこちに実在する)、アメリカ軍が勝手に侵攻していいはずはない。今度、日本の自衛隊がアメリカ軍を援助しに出かけることになった。恐らく11月の総選挙が終わったあとになるだろうが、行けば必ず日本「軍」はイラク人を殺すだろうし、また日本「軍」の兵隊が殺されるだろう。
 この本は、イラクに侵攻したアメリカ軍に従軍した朝日新聞の記者によるレポートだ。ベトナム戦争のときにもアメリカ軍に従軍した日本の記者は大勢いたから、別に目新しいことではない。しかし、イラク国民サイドからの報道を日本のマスコミがほとんどしなかった点は、ベトナム戦争のときと異なることは忘れてはいけない。
 一般紙を読んでも、イラク国民の目線での記事があまりに少ない。これでは日本のマスコミは取材不足、怠慢だとしか言いようがない。

にあんちゃん

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著者:安本末子、出版社:西日本新聞社
 7月20日(日)、記録的豪雨のあとの福岡市内はよく晴れていました。昨年に引き続いてフランス語検定試験(準1級)の口頭試験を受け、冷や汗をたっぷりかかされました。頭を冷やすために本屋に寄って手にしたのが、この本です。帰りの電車のなかで読みはじめたのですが、涙が出て止まりませんでした。両親を亡くした4人兄妹。お金がないから学校に弁当をもっていけない。1つのお弁当を兄妹がゆずりあう。お金がないから教科書が買えないので、学校を休まざるをえない。成績優秀のため校長先生に表彰されるのにツギハギだらけの服しかない。働き手の長兄が炭鉱をクビになって下の弟妹は他人の家にお世話になるが、そこでいびられる。
 そんな貧乏な生活なのに、著者は明るさを失いません。10歳の少女の日記とは思えない鋭い文章がいくつも登場して、モノカキを自称する私の心を強くゆさぶります。
 学校さえ行ければ、それでいいのです。楽しみは、学校なのです。私の夢は学校なのです。小学校4年生の女の子が、こんなに学校に行きたかったのです。それなのに、お金がないから、3分の1は休まなくてはいけませんでした。栄養失調のため病気にかかり、それもあって学校を休みます。本当に悲しい現実が目の前に次々と起きてきます。それをじっと兄妹で支えあいながら耐えていく心のあたたかさを感じます。
 電車の外は大雨でした。私の頭の中にも、あたたかい雨が降って、汚れた心をきれいさっぱり洗い流してくれました。すばらしい本に再会して、一日トクした気分でした。

裁判官が日本を滅ぼす

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著者:門田隆将、出版社:新潮社
 裁判官が間違いだらけ?そんなバカな!
 相場主義、良心の欠落、無罪病、傲岸不遜、常識の欠如。これはオビにあるフレーズです。日本の法廷には、欺瞞と策謀が渦巻き、虚偽が罷り通り、正義さえかえりみられない。
 えっ、ここまでいうの?そんな驚きもあります。本文で紹介されているいくつかの事件については反論の余地も大いにありますが、このような内容の本が新潮社から刊行されて本屋の店頭に並んでいることは、国民の裁判所に対する不満のあらわれとみるべきでしょう。この本が問題にしていることの一つである最高裁事務総局の裁判官が自民党議員にロビー活動していることは厳然たる事実です。卑屈なまでに自民党にすり寄っている実情があります。そこでは司法権の独立を守るというより、自らの狭い権益(既得権ないし特権)を守りたいというものでしかありません。

心の傷を見つめて

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出版社:新日本出版社
 女性精神科医のレポート。とても勉強になった。いろいろ思いあたるところがあった。
 人間は常に心に葛藤を抱えながら生きていて、いろいろな問題に対して、どうしようかあれこれ悩みながら生きている。そうした悩みを抱えたとき、たとえば夫婦の間に葛藤があっても、成人した人間同士として話し合い、コミュニケーションをとりあって、夫婦自身の問題として解決する。こうした基本線が保たれていれば、親と子の境界線がきっちり守られているため、子どもたちは「家」に安全性を感じられるし、楽に家を出て世の中に巣立つことができる。親の安定した関係を自然に内在化して、安心できる。
 ところが、親が、夫婦間で問題を解決できずに、自分たちの心の中にまで世代の「境界線」を越えて入りこんでしまうと、親子の境界線が複雑に入り乱れて曖昧になったり、破られてしまい、家族の誰とどのように接していいのか分からなくなってしまう。このような家庭を「網の目家族」と呼ぶ。こうした家庭では、子どもが思春期に入るころにいろいろな問題行動を起こしやすい。
 その行為は、家庭内暴力、ひきこもり、薬物乱用、夜遊びなど、さまざまだが、いずれも子どもの発する「こんな家庭は嫌だ」というサイン。うーん、なるほど・・・。

大失敗

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著者:ジャック・トラウト、出版社:ダイヤモンド社
 失敗した会社から学ぶべきものは大きいとアメリカのビジネス書。たしかに教訓にみちている。ストック・オプション制度が日本でも流行しようとしているが、これは当面の株価をあげることのみを考えるようになり、長い目で見たら会社にとってマイナスだという厳しい見方が紹介されている。なるほどと思った。
 あらゆる人のための、あらゆるものになることを狙えば、何ものでもなくなる。
 コンサルタントは責任を果たさない。それは金持ちから盗む現代のロビン・フットだ。仮にいい仕事をしたとしても、企業にはマイナスの効果しか及ぼさない。MBA資格をもった頭のいいコンサルタントも、カスタマーの心の問題については、ほとんど無知だし、訓練も受けていない。彼らが受けた訓練は、CEOと取締役会の懐に入る方法だ。これは、鉄砲の撃ち方を知らないで戦争に行こうとしているようなもの。

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