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江戸の旗本事典

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著者:小川恭一、出版社:講談社文庫
 著者は有名な江戸研究家の三田村鳶魚の最後の弟子です。ですから、江戸時代の実相がことこまかに紹介されています。なるほど、なるほど、とうなずくほかありません。
 「丈夫届」というものを初めて知りました。出生届のようなものですが、江戸時代は、幼児の死亡率が高かったので、すぐには幕府に出生を届けず、何年かたって丈夫に生長しているということで届けたというのです。しかも、そのとき「公年」といって、本当の年齢(とし)よりも5歳ほど年長に届け出ていたのです。それは、当主が17歳未満で死ぬと養子が許されずに絶家となるから、その危険を避けるためでした。
 もうひとつ。武家社会のいじめにあった被害者が殿中で刀を抜いて3人を殺し、2人に傷を負わせました。ところが、いじめの張本人は無傷で逃げおおせてしまいました(あとで、御役ご免の処分は受けています)。旗本8万騎といっても、実数は5千人ほどだったことなど、江戸時代の一面をよく知ることのできる便利な本です。

伝記・正岡子規

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出版:松山市教育委員会
 秋晴れのさわやかな日、久しぶりに松山城にのぼりました。リフトに揺られ、心地よい秋風を全身に受けとめ、下界をはるかに見おろし、しばし憂き世の些事を忘れました。
 道後温泉の一角にある子規の半生に触れることができました。子規がベースボールを愛好していたこと(最近、野球の殿堂に飾られたとのこと)、東大予備科に入り、そこで知りあった夏目漱石と同じ家に下宿していたことも初めて知りました。
 15歳で野心に燃えて上京した子規です。私も18歳のとき、大いなる期待に胸をふくらまして上京しました。残念なことに、たちまち巨大都市・東京には幻滅させられてしまいましたが・・・。子規は病気とたたかいながら、俳句そして短歌の革新を目ざしました。その感覚の鋭さと命をかけた努力ぶりには頭が下がります。春や昔15万石の城下かな

安政五年の大脱走

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著者:五十嵐貴久、出版社:幻冬舎
 井伊直弼が登場します。横恋慕した姫が諾と言わないので、山頂に閉じこめてしまうのです。そこで、津和野藩士が不可能と思われた脱走を試みるというストーリーです。
 まさか、という展開が最後まで息をつかせません。スティーブ・マックイーンの『大脱走』を超えるとオビにあります。そこまでは言えませんが、たしかに、この先どうなるのか、ハラハラドキドキさせられることは間違いありません。秋の夜長の気分転換にふさわしい本のひとつです。

10年後の『結婚しないかもしれない症候群』

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著者:谷村志穂、出版社:草思社
 女性はみな本当にたくましくなった。何にも頼らず、当然のように一人で歩き出し、人と出会い、愛しあう。男も、もはや自分でお茶もいれられないなんていったら生きていけない。
 20代後半の女性の未婚率は、福岡県は全国4位(65.3%)で全国平均54.0を上まわっている。
 この本を読みながら、女と男の出会いはたたかいであるという著者の言葉が素直に心にはいってきました。まことに縁は異なものです。
 あなたの10年後はどうなっているのか、たまに立ちどまって考えてみる。また、10年前をふり返ってみるのもいいものですね。さて、私の10年前は、いったい何をしていたのでしょう・・・?

隠された証言

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著者:藤田日出男、出版社:新潮社
 1985年8月12日に起きた日航123便の墜落事故について、改めて疑問を投げかけた本です。2つ問題があります。1つは、墜落直後には、助かった4人以外にも何人もの生存者がいたのに16時間も放置されてしまったのです。夜明け前に墜落現場に救援隊員を降下させることも可能だったのに、それもなされていません。民間人の方が早く現場に到着しているのです。これらはアメリカ軍と自衛隊が作為的に妨害工作した可能性をたしかに推測させます。
 もう1つは、後部の隔壁が破壊したため垂直尾翼が吹き飛んだとされている事故原因が本当なのかという点です。客室乗務員だった落合さんの証言は、それに矛盾することが明らかにされています。しかも、垂直尾翼の大半が海中に落下しているのに、それを引き上げることが早々と断念され、決定的な証拠が見つからないことになってしまっています。
 あの18年前の大事故の教訓がいま本当に生かされているのか、改めて心配になってくる本です。飛行機に何百万人もの日本人が乗っているわけですから、政府は疑惑にこたえ、真相を究明して国民に公表すべきだと思います。
 『クライマーズ・ハイ』を読んで当時の状況をたどったばかりでしたが、あわせて『沈まぬ太陽』を読んだときの心の震えるような感動も思い出しました。

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