著者:スティーブン・ピンカー、出版社:NHKブックス
なぜ卵子は大きく、精子は小さいのか。同じ大きさであってはいけないのか?
仮りに同等の生殖細胞が2つ融合して細胞ができると、やっかいなことになる。それぞれの細胞にあったミトコンドリアが激しく戦い、殺し合う。それではエネルギー不足になってしまう。仲間うちの戦いを防止するため、一方は代謝機構をもたないDNAだけの細胞を用意する。生殖は、DNAの半分と必要な機構をすべて備えた大きな細胞と、DNAの半分だけであとは何もない小さな細胞の融合によっておこなわれることにする。この大きな細胞が卵子、小さな細胞が精子である。精子は小さくて安あがりなので、たくさんつくられる。卵子は大きくて貴重なものだから、養分をつめこんで保護カバーをかける。
鳥類のメスが不倫するのは、適応度のもっとも高いオスの遺伝子と、子育てにもっとも熱心なオスの投資を両方ともとろうとするから。人間にもあてはまるような気がします。
あるデート斡旋業者によると、女性は男性のプロフィールにきちんと目をとおすが、男性は女性の写真しか見ない。男性の裕福さを推測する一番いい手がかりは妻の容姿だ。女性の容姿を推測する一番いい手がかりは夫の裕福さだ。これは本当にそう言えそうですね。いろんなことを考えさせられた本でした。
2004年1月1日


