著者:豊田直己、出版社:七つ森書館
イラク戦争のときバクダットにいた日本人フォトジャーナリストのレポートです。テレビでは表面的(かつアメリカ軍ごのみの一面的)な報道しかされないなかで、写真は映像より豊富な情報を提供してくれます。
フォトジャーナリストがいかに危険な存在であるか、写真を眺めて、つくづく思いました。そんな危険な目にあって情報を提供してくれる彼らを「自己責任論」でもって非難する人々の神経が私にはとても理解できません。
2004年9月1日
2004年9月1日
著者:豊田直己、出版社:七つ森書館
イラク戦争のときバクダットにいた日本人フォトジャーナリストのレポートです。テレビでは表面的(かつアメリカ軍ごのみの一面的)な報道しかされないなかで、写真は映像より豊富な情報を提供してくれます。
フォトジャーナリストがいかに危険な存在であるか、写真を眺めて、つくづく思いました。そんな危険な目にあって情報を提供してくれる彼らを「自己責任論」でもって非難する人々の神経が私にはとても理解できません。
2004年9月1日
著者:神崎宣武、出版社:岩波新書
江戸時代の日本は、世界に冠たる旅行大国でありました。伊勢参宮ひとつをとっても、現代の海外旅行の人口比に匹敵するほどの人出があったのです。
女性も盛んに旅をしていました。40歳代から50歳代の女性が何ヶ月も夫と家庭を放り出して全国を旅していました。それだけではありません。なんと20歳前の若い女性も、自分たちだけで旅をしていたのです。それほど道中は安全でした。
温泉へ、男も女も出かけました。お風呂は混浴です。そう言えば、父の出身地(大川市)では、昭和30年代はじめまで、共同風呂は混浴でした。そのうち、男女を区切るしきりがつきましたが・・・。ですから、日本古来の淳風美浴とは、男女混浴が平気だということなのです。風紀紊乱は、古代から日本のお得意とするところなのです。
日本人は昔から団体旅行が好きで、おみやげを大量に買って帰ることも、江戸時代からありました。旅のガイドブックが相次いで出版され、いずれもベストセラーになっていました。昔から日本人は好奇心が強く、「異国の地」への憧れを実行せずにはおれなかったのです。
2004年9月1日
著者:宮田一雄、出版社:ポット出版
いま、世界では、1ヶ月に6人の割合で25歳未満の若者がHIVに感染している。アフリカのボツワナで女性25%、男性11%、アジアのカンボジアで女性3.5%。男性2.4%。世界全体で15〜24歳の感染者は女性640万人、男性390万人の合計1030万人。
若者の場合、女性の感染者は男性の2〜4倍。また10代の少女を20代後半から30代、40代の男性がセックスの対象としているので、男女間の感染の年齢差が生じている。
2006年に日本の感染者は2万2000人になると推測されている。国連の推計では、4200万人のHIV感染者がいて、年間500万人が新たに感染し、310万人がエイズで死亡している。日本も、もっと取り組むべき課題だと痛感させられる。
2004年9月1日
著者:浅野一郎、出版社:信山社
実は、国会議事堂のなかに、残念ながら、私は一度も入ったことがありません。首相官邸には3回入ったことがあります。議員会館の方は、衆参両院とも、何度もありますが。
テレビで中継される国会の審議状況だけでは、国会の本当のことは分かりません。この本は、初心者にも国会とは何か、国会議員や秘書がどんなことをしているのかを分かりやすく解説してくれています。国会全体が見渡せる総合的な入門書としては、よくできていると思いました。
公職選挙法は、現職有利、政権党(与党)有利な「べからず集」だということも、よく読めば分かります。私は戸別訪問の禁止は時代錯誤だと思うのですが、この本でも、「戸別訪問を禁じているのは、選挙民つまり国民を信用していない戦前の選挙観の名残りともいえる」と指摘しています。
日本の投票率が6割を切っているのは、マスコミが政治不信をあおり、棄権を美化するからだと思います。投票率が7割から8割になったら、日本の国会は劇的によくなることでしょう。
国会議員の年収は3350万円。このほか、政党助成金があり、受けとっていない日本共産党議員のほかに対して、1人あたり4360万円も支払われています。政党助成金の実態は不明だとこの本も指摘していますが、本来の歳費よりも多い「副収入」というのには改めて大きな疑問を感じます。
日弁連執行部にいたとき、私もその一員として国会議員対策を1年間ほどやりましたが、朝8時からの朝食会が連日のように開かれているのを知り、驚きました。国会議員は早朝から動き出すものなのです。夜の赤坂料亭だけで政治は動いていないので
すね。
国会審議が全部テレビで中継されるようになったらもっと活性化するのではないでしょうか。相撲や野球・サッカーの実況中継以上に、それは国民に知らせるべき内容だと思うのですが・・・。
2004年9月1日
著者:菊池良一、出版社:めこん
NHKのディレクターを退職したあと、シニア・ボランティアとしてラオスで2年間、農業普及番組の制作指導にあたった著者の毎日を再現した本です。
治安の心配がないわけではありませんので、ガードマンを2人も3人も雇い、メイド1人、運転手1人が別にいて、広い家に住んで生活します。ラオス語が話せないもどかしさを感じながら、現地の生活に少しずつ溶けこんでいく様子が、読み手の心をなごませます。 「スローライフの2年間」というサブ・タイトルどおりの時間の流れでした。こんな交流をもっと日本人はすべきなんだ、そう思いました。