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東京ゴールドラッシュ

カテゴリー:未分類

著者:ベン・メズリック、出版社:アスペクト
 読むと不愉快になること間違いありません。私もいいかげんにしろと憤慨しながらも、なんとか読みとおしました。なにしろ事実が描かれているというのです。だから、目をそむけるわけにはいきません。アメリカのプリンストン大学を卒業した優秀な青年が日本にやってきて、国際的な証券取引のなかで、たちまちのうちに荒稼ぎをします。3分間で600億円もの利益をあげるというのです。どんな世界なのでしょうか。想像もつきません。27歳の青年が60億円ものボーナスを手にして引退していくというのです・・・。
 毎週140時間の勤務。昼休みなし、夕食時間は10分。人間扱いはされない。上司を恨み、同僚を恨み、最後には自分さえ恨むようになる。最初の1年は地獄以外の何ものでもない。しかし、そこをかじりついて耐え抜けば、2年目には基本給は15万ドル。その後、さらに年俸200万ドルも夢じゃない。
 そんなに稼いだお金を彼らは何に使うのか。この本には、新宿歌舞伎町や六本木の性風俗店に出入りするアメリカ人の生態が生々しく紹介されています。そして、この性風俗店と金融界とのあいだに陰に陽に橋渡しをしているのが日本のヤクザなのです。
 いま私が扱っている刑事事件では、筑後地方のしがないヤクザが、なんと東京に事務所を構えて何十億円もの資産をもって旺盛にヤクザ稼業を展開しているという話が出てきます。いったい何をしているのか興味津々なのですが、その舞台のひとつが、このようなボロもうけする金融取引なのでしょうね。
 ヤミ金で巨利を得た連中が、スイス銀行に50億円を預けていたという話は有名ですが、やくざな世界のグローバル化は私たちの想像以上にすすんでいるようです。
 それにしても、せっかく有名大学を出て、こんなカネ、カネ、カネとあくせくして、そのあげくが性風俗店だというのでは、アメリカの将来はありませんよね。27歳で60億円もってバミューダに引退したあとの人生って、いったい何が楽しいんでしょうか・・・。お気の毒さま、と私は声をかけてやりたい気分です。もっとも、彼らからすると、余計なお世話だということなんでしょうね。

秩父事件

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著者:秩父事件研究顕彰協議会、出版社:新日本出版社
 映画『草の乱』をみました。今から120年前、1884年11月に3000人をこす農民が集まり、自由党の流れをくむ困民党軍として武装蜂起しました。郡役所を占拠して「革命本部」としたのですから、本格的な蜂起です。残念ながら、明治政府が鎮台兵と憲兵隊によって鎮圧し、わずか10日間の「天下」でした。
 困民党の総理田代栄助(51歳)は代言人でした。首謀者12人が死刑判決を受け、8人が執行され、1人がその前に獄死しましたが、残る3人は逃げのびました。
 会計長の井上伝蔵(30歳)は北海道に逃げて、65歳で病死しました。参謀長の菊地貫平(37歳)も逃げていましたが、別の強盗罪で捕まって十勝監獄で10数年間服役したのち自由の身となりました。乙大隊長の飯塚森蔵(30歳)は、九州そして四国へ落ちのびたらしいということが分かっています。
 明治政府は蜂起した農民を国事犯として扱わず、単なる暴徒として刑法で処罰しました。そのため、遺族は強盗や殺人犯の子どもという汚名を着せられ、長いあいだ泣き寝入りさせられたのです。
 秩父事件の原因については、当時の農民の生活がいきづまり、破産者(身代限り)が続出していたことが主たるものとしてあげられています。それなら、年間20万人以上の破産者のある今の方がもっと深刻のはず。武装蜂起はともかくとして、政府に「反乱」を起こすべきときではないでしょうか・・・。
 映画を見て、白タスキに白ハチマキに違和感を感じたのですが、この本によると、実際そのような服装をした人が多かったというので納得しました。死を覚悟しての行動だったので、死に装束としてきちんと正装していたというのです。なるほど、なるほどと改めて得心しました。

黒曜石3万年の旅

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著者:堤隆、出版社:NHKブックス
 伊豆半島の沖にある神津島でとれた黒曜石が長野県の野尻湖遺跡から発見されました。3万年前に、直線で300キロも離れているところまで運ばれていたというわけです。
 黒曜石は切れ味が大変よく、今でも外科手術のとき神経の切断にメスを使わず黒曜石をつかうアメリカの外科医がいるほどだそうです。
 黒曜石について少しばかり知ることができました。

黒川と湯布院

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著者:松田忠徳、出版社:熊日出版
 黒川温泉は今や日本一有名な温泉です。湯布院をしのぎます。なぜ、そうなったのか、温泉教授が地元旅館の経営者と対談しながら解明しています。
 雑木を植えて、昔ながらのひなびた温泉街とした。ツァー客や団体客に頼らなかった。いろんな工夫が紹介されています。温泉にはシャワーも石けんもない。心を清める場だから・・・。残念なことに、私は黒川温泉に行った記憶がありません。
 湯布院温泉の方は何度も行ったことがあります。車が多いのが難点ですが、しっとり落ち着いた町です。でも、ここも最近はリゾートマンションが続々建っています。高層ビルは似つかわしくありません。また、湯布院町が町村合併でなくなりそうなのも心配です。
 スイスのツェルマットは小さな山あいの町です。そこにはマイカーの乗り入れは禁止されています。電気自動車のみです。湯布院もそれくらい徹底的に規制したらもっと良くなると思うのですが、現実には逆行している気がして心配です。

セックスレスの精神医学

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著者:阿部輝夫、出版社:ちくま新書
 私は幸い、まだバイアグラのお世話にならないですんでいます。でも、バイアグラって、どれだけ効果があるのか疑問だし、副作用もひどいらしい・・・、そう思っていました。でも、この本を読むと、どうも誤解だったようです。
 バイアグラの効果はほぼ100%。副作用はあっても軽微で、顔がほてる、頭がボーッとする、軽い頭痛、鼻詰まりがあるといった程度。たまに色覚異常が出ることがある。
 ただし、バイアグラは勃起障害の特効薬だが、脳が性的に興奮した状態でないと作用しない薬である。子どもが欲しくない思いが強かったり、うつ症がひどかったりすると、バイアグラも効果はない。
 30代や40代の男たちに性嫌悪症が蔓延している。そして、それはエリートに多いとは・・・。日本はいったいどうなるのでしょうか・・・。

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