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人類の月面着陸はあったんだ論

カテゴリー:未分類

著者:山本 弘、出版社:楽工社
 前に、月面映像は実は地上で撮影されたもので、アポロは月面着陸なんかしていなかったという本(「人類の月面着陸は無かった論」)を紹介したことがあります。それがとんでもない間違いだということを論証した本です。
 前に書いたとき、トラックバックでとんでもないことなんだという批判を受けて、およそ分かっていましたが、この本を読むと、なるほどなるほど、とよく分かりました。まあ、それにしても副島隆彦という人物は、本当にとんでもない人なんですね。うかつに信じてしまった私もバカでしたが・・・。朝日新聞の本だということで信じたのもうかつでした。
 大気がないはずの月面で旗がはためいているのはおかしい。・・・この旗は、はためいているように見えるように作られたもの。布の中にワイヤーを入れてはためいているように見せかける。旗がダラーンとたれてしまっては、アメリカにとってカッコつかないので工夫したのだ。
 月面でとった写真のバックに星がうつっていないのはおかしい。・・・月をとったときは昼間だったから地面は明るい。空は大気がないので昼間でも暗い。だから、星がうつっていないのはあたりまえ。地域の昼間の空が青いのは、空気分子が太陽光線中の青い成分を散乱しているため。これをレイリー散乱という。月には空気がないので、レイリー散乱はないから、月の空は昼間でも暗い。
 宇宙飛行士が月に行く途中で浴びる放射線に耐えられたわけがない。・・・たしかに放射線を浴びるので危険はあるけれど、すぐに人間が死んでしまうほどのものではない。
 月面での砂ぼこりの立ち方がヘンだ。・・・真空なので、砂ぼこりは、放物線を描いて落下してしまうだけ。
 超高温の月で宇宙飛行士が生きていられるわけがない。・・・月面の最高温度は120度Cで、夜の最低温度はマイナス160度Cほど。月には大気がないので、気温もない。熱いのは月面だけ。だから直接ふれている宇宙飛行士の足の裏だけを保護すればいい。実は、飛行士にとって危険なのは外部からの熱ではなく、宇宙服の中に熱がこもって異常に上昇してしまえば人間は死んでしまう。そこで、液冷却の下着を着て、温度の上昇を防いでいる。
 そうなのかー、そんなに簡単に大勢の人をだませるようなことではなかったのかー・・・。そう言われたら、そうなんだよな。ひとり納得しました。それにしても、その後、月面に行くという話がなくなって、近くのイラクへ攻めこんで大勢の市民を殺してしまっているアメリカって、本当に変な国です。そんな国とばかり仲良くして世界から孤立する道を歩いている日本政府(小泉首相)って、やっぱりおかしいですよね。こっちの方は層簡単には騙されないぞ、と思っています。

文字の歴史

カテゴリー:未分類

著者:スティーブン・ロジャー・フィッシャー、出版社:研究社
 インカ帝国のキープ、エジプトのヒエログリフ、アメリカのマヤ文字などは有名ですが、それ以外にも古今東西、いろんな文字があります。その全体を概観できます。漢字を基調とする日本語とアルファベットを見慣れたものからすると、アラビア文字などは難しくてとても判読困難だと思うのですが、子どもでも読み書きしているわけですから、要するに慣れの問題なのでしょうね。
 日本語は世界でも難しい言葉のひとつだと、この本でも書かれています。
 日本語が実際、世界でもっとも習得困難な表記法であることに異論はないはずで、歴史上もっとも複雑な表記法であるという主張も、まったく正当であろう。しかし、日本の文字表記は完全に習得可能であるばかりか、明らかに成功であった。何世紀にもわたってこの表記システムを使ってきた日本人は、高い読み書き能力をもち、繁栄を築いてきた。きわめて豊かな文学の伝統ももっている。世界一の識字率を誇り、出版物の一人あたりの購入数は世界一である。一部の科学者は、日本人は複雑な文字をつかうために脳を余計に働かせることになり、そのために文字と直接関係のない分野においても秀でる人もいるのではないかとさえ言われている。
 日本人の頭は表意式の漢字かなまじりの文章を読んで話すように脳が機能するようになっているため、表音式の外国語の習得が難しいという学説があります。脳の働く分野が異なるからです。私はその信奉者です。何年たってもフランス語をうまく話せないからです。
 この本には言語と文字の将来予測も書かれています。現在、世界全体でつかわれている言語は約4000。100年後には、おそらく1000言語だけになるだろう。
 パソコンがつかわれるようになって、多くの人が話しことばより書きことばをキーボードにうちこんで過ごすようになった。未来には書くという行為はなくなるかもしれないと考えている人がいる。コンピューターの音声認識システムが書くのに取って代わり、読むにしてもコンピューターの音声応答システムが完成すれば消えるかもしれないというのだ。
 しかし、今後、何世紀たっても、ものを読んだり書いたりすることから得られる利益と喜びは、コンピューターの音声認識システムの比ではないだろう。というのも、書くという行為は、読み書きできる文化のほんどに内在するからである。どこの現代社会でも、人間の相互作用のほとんどは、あらゆる面で書きことばに依存している。25世紀の宇宙船の司令官は、宇宙船のメイン・コンピューターとの交信を音声指令や音声応答に依存するようになるのかもしれない。仮にそうなったとしても、自分の個室では、今日われわれが読んでいるのと代わらない、ホイットマンや芭蕉、あるいはセルバンテスの本を読んで楽しんでいるのではないだろうか。
 将来、文字がどんな形になろうとも、それは依然として、人類が経験したり、能力を得たり、記憶したりするのに中心的な役割を果たし続けるだろう。一人のエジプト人書記官は4000年前にインクで次のように書いた。
 1人の人間が死に、その肉体は土にかえった。彼の親族たちもみな土になった。彼を思い出させるのは文字である。
 私もまったく同感です。だから、これからも私は手で書き続けます。

大江戸の姫さま

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著者:関口すみ子、出版社:角川選書
 寛永11年(1634年)、大名妻子の江戸在府制が確立した。そこで、大名家ごとに「江戸にいる姫さま」が誕生した。幕末の文久2年(1862年)まで、これは続いた。この間の228年間、江戸で多くの姫さまが暮らしていたわけである。
 姫さまのペットに狆(ちん)がいたというのを初めて知りました。といっても、平たい顔で耳の垂れた小さな犬を、みんな狆と呼んでいたようです。狆を抱いた姫さまの肖像画も初めて見ました。狆のお墓まであったというのです。昔も今も変わりませんね。有名なシーボルトは狆の剥製をオランダに持って帰り、今も残っています。
 姫さまは歌舞伎も好きだったようです。有名な絵島生島(えじまいくしま)事件では御年寄りの絵島も役者の生島も、ともに配流・島流しになっています。紀州家の姫君(豊姫)が行列を組んで芝居を見に行ったことが問題となり、姫君は国元へ押込め、重臣は1人切腹させられ、ほかにも解雇された事件があったそうです。逆にいうと、それほど芝居は昔から人気があったというわけです。
 八代目の市川団十郎は人気絶頂のとき、32歳で自殺してしまいました。すると、女性が大勢泣き叫んで大変だったそうで、その姿を描いた絵が紹介されています。現代のヨン様騒動を思わせる熱狂ぶりです。これまた、昔も今も変わらないのですね。
 綱吉も吉宗も、その娘たちを有力大名に次々に嫁にやり、支配基盤を固めようとしました。吉宗は、島津家になんとか嫁にもらってもらおうと、いろいろ画策したそうです。
 吉宗はよその娘を養女にして身分を格上げしてから、大名の奥方として、壮大な儀式をとりおこなって次々に送り出していきました。これは、妻の地位が夫より高くなることにもなるので、「夫は妻を主君のごとくあしらい」という事態になっていると荻生徂徠が批判したとのことです。つまり、妻の地位は江戸時代に、それほど低いものではなかった、否、むしろ妻の地位の方が夫より高いことは不思議でも何でもなかった、ということです。
 ちなみに、八代将軍家斉は50数人の子どもをもうけたことで有名ですが、その子どもたちを男子は有力大名の養子として、女子は姫君として嫁がせています。ところが、男子の大半は20歳になるまでに亡くなり(50歳をこえたのは1人)、女子は12人のうち6人が若くして亡くなり、残る6人だけ50歳をこえています。やはり、相当なストレスがあったのではないかと考えられます。
 江戸に住んでいたお姫さまたちの生活の一端を知ることができました。

生きて死ぬ智慧

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著者:柳澤桂子、出版社:小学館
 私の父が死んだのは72歳のときですから、もうかなり前のことです。胃ガンに始まり、いったん全快しましたが、肺に転移して亡くなりました。病院で父が好んで読んでいたもののひとつに般若心経がありました。
 般若心経(はんにゃしんきょう)は、全文わずか14行の短い文章です。でも、漢字ばっかりですから、意味を理解するのはとてもできません。
 この本は、長く病気に苦しめられてきた生命科学者である著者による解説と英訳までついていますので、なるほど、そういう意味だったのかと得心することができます。
 色即是空
 空即是色
 有名な文句です。これを著者は次のように解説しています。
 お聞きなさい。私たちは広大な宇宙のなかに存在します。宇宙では、形という固定したものはありません。実体がないのです。
 宇宙は粒子に満ちています。粒子は自由に動きまわって形を変えて、お互いの関係の安定したところで静止します。
 お聞きなさい。形のあるもの、いいかえれば物質的存在を私たちは現象としてとらえているのですが、現象というものは時々刻々変化するものであって、変化しない実体というものはありません。
 実体がないからこそ形をつくれるのです。実体がなくて、変化するからこそ物質であることができるのです。
 うーむ、なんだか量子力学の解説書のようです。ちょうど量子力学について少し本を読んだばかりでしたので、とっさにそう思いました。極小の世界と宇宙のはての世界とが同じようなものだということに、すごく魅かれてしまいます。
 それはともかくとして、実体はないけど、私はいまここに存在しています。不思議な存在です。100年前にも、100年後にも私は存在しませんが、私を構成する粒子は、どちらにも存在するのです。
 乃至無老死
 亦無老死尽
 こうして、ついに老いもなく、死もなく、老いと死がなくなるということもないという心に至るのです。老いとか死が実際にあっても、それを恐れることがないのです。
 いかにも仏教図のような絵がバックにあり、解説文の雰囲気を伝えてくれます。心が洗われる気のする本です。

霊長類のこころ

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著者:ファン・カルロス・ゴメス、出版社:新曜社
 ゴリラは、生後10ヶ月から12ヶ月のあいだは、目的物に身体が到達する延長として棒をつかい、生後24ヶ月から26ヶ月では手が届く範囲を拡張するため道具をつかう。人間の赤ん坊では、その逆がおきる。似てるようで、違うんですね。
 チンパンジーは、好きな飼育係が天井からぶら下がったバナナを取ろうとしてむなしくあがいているビデオを見せられると、その次に、何のためらいもなく、その飼育係が箱によじ登っている写真を選ぶ。逆に、ビデオにうつっている人間が嫌いな人間だったら、問題が解決されたという写真ではなく、箱から転げ落ちるなど、ひどい結果になる写真を選ぶ。えーっ、そうなんだー・・・。驚いてしまいました。
 サルたちのかわしあう声には大きな意味がある。ヒョウに対する警戒音を聞いたときには木に登る。ワシに対する声を聞いたら、草むらに入った空を探す。ヘビに対する警戒音のときには、すぐに二本足で立ち上がって地面を探す。サルは、それぞれの警戒音に適切に反応する。
 自閉症の子どもは他人の手をとって身振りするときに、その人の目を見ないのが普通。しかし、ゴリラは、他人の手をとり、その人の目をのぞきこむ。
 チンパンジーのベルという名前のメスは順位が低かった。ベルが情報源となって仲間を食物のありかに連れていく役まわりのときには、ベルは食物にありつけない。なぜなら、他の高順位のオスなどが先に食物に走っていき、全部食べてしまうから。
 だから、ベルは食物のある方向へ歩いていくのをやめた。しかし、賢いチンパンジーがいて、ベルの行動をよく見て、ベルの視線の方向から食物のある方向を見抜いた。そこで、ベルは最後には、ばれないように目をそちらに向けないようにしたうえで、違う方向に歩いていった。うーん、チンパンジーは本当に賢いんですね。仲間をだます術も身につけているわけです。

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