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仮釈放

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出版社:新潮社
 吉村昭の本です。大庭弁護士がメールで推薦してくれましたので、読んでみました。不倫した妻を殺した真面目な高校教師が無期懲役となり、長い刑務所生活を過ごしたあと、仮釈放されて社会に出て生活するようになったときに感じるとまどいが迫真の描写で、身につまされます。元囚人が普通に生活していくことは、こんなにも大変なことなのか、改めて考えさせられました。
 吉村昭の本は何冊か読みましたが、いずれも徹底して調べあげた、という印象をいつも受けます。凄みさえ感じるほどです。モノ書き志向の私ですが、ちょっと真似できそうもありません。井上ひさしとともに吉村昭は尊敬する作家です。

真相・中村裁判

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出版社:日経BP社
 この本を読んで、特許法35条というものを初めて知りました。従業員が発明した特許には、自由発明と職務発明の2つがあります。業務範囲内にあり、職務に属する発明を職務発明といい、それ以外を自由発明といいます。
 特許法は、職務発明について、特許を受ける権利は発明者である従業者に当然帰属するものとして従業者の権利を確保しながら使用者の寄与も考慮して、その特許権について通常実施権を有することにし、両者の利害を調整しています。
 日亜化学につとめていて高輝度の青色発光ダイオードを発明した中村修二氏は、自己の特許権を会社に譲渡していないと主張したのですが、昨02年9月19日、東京地裁は中間判決で中村氏の特許権は会社にあるとしました。この本は、その判決を批判したものですが、読んでみると、なるほどと思うところがありました。
 日亜化学は、この発明によって2000億円ほどの世界市場を獲得したのだから、中村氏の請求額20億円でも安いという主張です。金額の大きさには驚かされます。

監視社会

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出版社:青土社
 アメリカ映画『インターネット』、『エネミー・オブ・アメリカ』は、いずれも政府によって国民がいかにコントロールされているか、その危険性をゾクゾク寒気がするほど見事に描いていました。まだ見ていない方は、ぜひビデオでご覧ください。
 この本では、イギリスの監視システムがすすんでいることが紹介されていますが、日本でも同じことです。すべてのインターネットによる交信が自動的に「辞書」検索システムにひっかかることになっているなんて、ホントに恐ろしいことです。
 それにしても、路上のNシステムが目立ちます。最近また増えているように思います。私たちの日常生活がずっと監視されているって、いやですよね。

裁かれるべきは誰か

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出版社:現代人文社
 酪訂えん罪を主張する事件で有罪判決を受けた経過を本にしたものです。泥酔して駅で寝てしまった若いサラリーマンが隣で寝ていた他人を先輩と勘ちがいしてのお金をとった(借りた)ことが窃盗(仮眠盗)にあたるとして逮捕・起訴され、5ヶ月間の拘留のあと保釈されたものの、有罪判決を受けたという事件です。
 判決は、結審間際に福岡地裁小倉支部から転勤してきた若い女性判事補(6年目、30代前半)が下しました。その審理のすすめ方について、強い不満が表明されています。
 般の刑事裁判で無罪を勝ちとるのがいかに難しいか、この本を読むとよく分かります。幸い、この事件はその後、東京高裁で逆転無罪判決が出ました。ちなみに、私は無罪判決は2件しかもらったことがありません。

ストレス専門医の処方せん

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出版社:昭和堂
 サラリーマンが毎朝読んでいた朝刊を数日間読みたくないという状態が続いたとき、軽症のうつ病にかかっている。これを朝刊シンドロームと言います。
 私は、自宅では朝刊2紙を毎朝丹念に読んでいます。ところが、ホテルに泊まると、どうしても1紙を軽くしか読めません。自宅に夜帰ると、さらに別の朝刊2紙をじっくり読むのですが、ホテルではそれもできません。逆の朝刊シンドロームです。
困ったことに世の中の動きが、もうひとつぴったり来なくなるのです。
 この本は私の同級生、徳永雄一郎医師の最新刊です。日本の年間の自殺者が3万人をこえ、私と同世代の50歳代の男性が急増しています。遺書を残した1万人の自殺動機調べでは、健康問題が41%、経済生活問題が30%となっています。
 私は、この4月以来、たて続けに3件、自殺がらみの事件を受任しました。たいていは相続放棄なのですが、一件は自殺した方のかけていた生命保険金を元手に借金を整理しました。仕事とはいえ、あまり気持ちのよいものではありません。
 不知火病院には有名なストレス病棟がありますが、13年間で、1700人の入院患者のうち、入院中の自殺はわずか5例だったとのこと。うつ病は治るんですね。ストレスとうつ病、そして自殺に関心のある方におすすめします。

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