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カテゴリー: 生物

発光する生物の謎

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 マーク・ジマー 、 出版  西村書店
私が発光する生物を初めて見たのは、ホタルを別にすると、伊豆諸島の戸田(へた)の海岸での夜行虫でした。夜の海岸で怪しげに光っているのを見て、その美しさに驚きました。
ノーベル化学賞をもらった下村脩氏はオワンクラゲをアメリカの海岸で大量に集めたのでしたよね。
自然に発光するダンゴイカ、チョウチンアンコウ、クラゲなどのほか、人工的に発光させて病理研究に役立てている話も紹介されています。
チョウチンアンコウは、口の前方に生物発光するアンテナをもっている。アンテナの先には、何万匹もの発光バクテリアが棲息し、その光に犠牲となる魚が惹き寄せられる。
オワンクラゲの傘の部分には緑色の光を発する数百の発光器がある。その光の点滅がどのように制御されているのか、まだ分かっていない。
蛍光タンパク質をつかってマラリア原虫の動きを探り、ガンとのたたかいに役立てようとしています。
蛍光タンパク質によって鳥インフルエンザの感染もすぐに判明するようになりました。
遺伝子操作は怖いものですが、こうやっていろんな生理現象の解明に役立っているというのはすばらしいことです。
蛍光タンパク質をつかった地道でカラフルな探究がさらにすすむことを願っています。
(2017年8月刊。1800円+税)

にっぽんスズメしぐさ

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 中野 さとる 、 出版  カンゼン
夕方になると、駅前の街路樹でスズメの集団がかまびすしいですよね。大勢のスズメたちが、あっちうろうろ、こっちうろうろして、鳴きかわしています。いったいぜんたい、何を話しているのでしょうか・・・。私は、ぜひぜひ、その会話の中味を知りたいです。
この本は、日本のスズメの生態を写真で紹介するシリーズ第二作。
スズメは、3月、桜の花が咲くころ、メスは卵を産みはじめる。産んだ卵をすぐに温めるのではなく、すべての卵を産み終えてから抱卵をはじめる。これは産卵順で成長に差が出ないように、卵のかえるタイミングをそろえるため。卵のほうも、温められてから成長スイッチが入るようになっている。
抱卵して2週間ほどでヒナが誕生する。そして、親は毎日せっせとエサを運ぶ。1日300回、2週間で4200回、親はエサをヒナに運ぶ。そして、ヒナのフンを外へ放り出して、巣の中を清潔にたもつ。
巣だってしばらくの間も、エサをとるのが苦手な幼鳥は親鳥がエサを与えて、ケアする。
その後、親は次の子育てに入り、8月から9月にかけて2回、多いときには3回も子育てする。そんなにヒナの子育てしたら、スズメが爆発的に増えるはず。ところが、現実には、そんなにスズメは増えていない。なぜか・・・。
野生のスズメの平均寿命は1年3ヶ月。自然のなかでは仔スズメは、ほとんどが生きのびれない。生き残った、ほんの一部が子孫を担うことで命がつながっている。
カラスやツミがスズメのヒナを襲う。
亡くなった作家の半村良は、スズメが大好きで、庭に来る100羽のスズメの全部に名前をつけて個体識別していた。
山の中で道に迷ったらスズメを探したらよい。なぜか・・・。日本のスズメは、人の暮らしの周囲にしかいないので、山の中でスズメに会ったら、人家が近くにあることを意味しているからだ・・・。
スズメは、水浴びと砂浴びの両方をやる。そして、不思議なことに水浴びのほうが先。そのあと砂浴びをする。
スズメの生態をよくとらえた写真集です。
(2017年5月刊。1400円+税)

にっぽんスズメしぐさ

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 中野 さとる 、 出版  カンゼン
夕方になると、駅前の街路樹でスズメの集団がかまびすしいですよね。大勢のスズメたちが、あっちうろうろ、こっちうろうろして、鳴きかわしています。いったいぜんたい、何を話しているのでしょうか・・・。私は、ぜひぜひ、その会話の中味を知りたいです。
この本は、日本のスズメの生態を写真で紹介するシリーズ第二作。
スズメは、3月、桜の花が咲くころ、メスは卵を産みはじめる。産んだ卵をすぐに温めるのではなく、すべての卵を産み終えてから抱卵をはじめる。これは産卵順で成長に差が出ないように、卵のかえるタイミングをそろえるため。卵のほうも、温められてから成長スイッチが入るようになっている。
抱卵して2週間ほどでヒナが誕生する。そして、親は毎日せっせとエサを運ぶ。1日300回、2週間で4200回、親はエサをヒナに運ぶ。そして、ヒナのフンを外へ放り出して、巣の中を清潔にたもつ。
巣だってしばらくの間も、エサをとるのが苦手な幼鳥は親鳥がエサを与えて、ケアする。
その後、親は次の子育てに入り、8月から9月にかけて2回、多いときには3回も子育てする。そんなにヒナの子育てしたら、スズメが爆発的に増えるはず。ところが、現実には、そんなにスズメは増えていない。なぜか・・・。
野生のスズメの平均寿命は1年3ヶ月。自然のなかでは仔スズメは、ほとんどが生きのびれない。生き残った、ほんの一部が子孫を担うことで命がつながっている。
カラスやツミがスズメのヒナを襲う。
亡くなった作家の半村良は、スズメが大好きで、庭に来る100羽のスズメの全部に名前をつけて個体識別していた。
山の中で道に迷ったらスズメを探したらよい。なぜか・・・。日本のスズメは、人の暮らしの周囲にしかいないので、山の中でスズメに会ったら、人家が近くにあることを意味しているからだ・・・。
スズメは、水浴びと砂浴びの両方をやる。そして、不思議なことに水浴びのほうが先。そのあと砂浴びをする。
スズメの生態をよくとらえた写真集です。
(2017年5月刊。1400円+税)

山と河が僕の仕事場2

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 牧 浩之 、 出版  フライの雑誌社
神奈川県川崎市で生まれ育った都会っ子が宮崎県高原町で山の生活を謳歌しているという、読んで、また見て楽しい、写真たっぷりの体験記(レポート)です。
フライフッシングの毛鉤(けばり)づくりの仕事に始まり、山でシカやイノシシそしてカモなどを捕まえる猟師となり、果てはシイタケ栽培やら農業にまで手を広げていくのです。
毎日が、生き物を相手としていますので、予定が狂わされることも多いようですが、次第にネットワークが広がっていく様子は頼もしくもあります。
著者はよほど器用な人なのでしょうね。
フライフッシング用の毛鉤をつくっていく過程が写真でも紹介されていますし、シカやイノシシを解体・精肉化していく様子も見事です。
九州は宮崎の山の中で住むのって、虫やら蛇やらいて、大変じゃないかと思いますが、地元出身の気丈夫な奥様とうまく折りあっていきながら、毎日、楽しそうです。
マガモの尻に生えている羽はCDC(フランス語です)と呼ばれる特別の羽。フライフィッシングにはもってこいの羽だ。
罠にかかったメスジカは最後まで逃げようとするが、オスジカは、意を決すると、角で人間に向かってくる。ええって、こんな違いがあるのですね・・・。
シカと同じようにイノシシも罠にかかっても危険なようです。うかつに近づくと踏み倒されそうです。
霧島山麓には、1平方キロメートルに50頭ものシカが生息するとみられている。
シカやイノシシが村人の畑を襲い、日常的に被害を与えているのです。ですから、人間と共存するためには、一定の駆除は必要だとのことです。現実は、単純に野生動物を保護しましょうとはいかないのですね・・・。
著者は猟師になってからアルコールを絶っているとのこと(なぜなのか、理由は書いてありません)。代わりに奥様がビール党としてがんばっているようです。
読んで楽しい、大自然の中で楽しく生きているという素晴らしいレポートです。前の本とあわせて、一読をおすすめします。
(2017年2月刊。1600円+税)

樹木たちの知られざる生活

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 ペーター・ヴォールレーベン 、 出版  早川書房
森のなかでじっと立っているだけのように見える木が、実は、お互い同士で交信し、支えあっているし、世代交代によって場所を移動しているというのです。さすがは森林管理官だけあって、樹木の生態がよく語られている本です。
木は自分を表現する手段をもっている。それが芳香物質、つまり香りだ。
葉をキリンに食べられたアカシアは、災害が近づいていることを周囲の仲間に知らせるために、警報ガス(エチレン)を発散する。警告された木は、いざというときのために有毒物質を準備しはじめる。そして、それを知っているキリンは、風に逆らって警告の届かない木のところまで歩いていく。
樹木は、どんな害虫が自分を脅かしているのか、判断できる。
樹木には、自分で自分を守る力をもっている。たとえばナラは、苦くて毒性のあるタンニンを樹皮と葉に送り込むことができる。
密集しているブナ林のほうが生産性は高い。密集しているほうが木が健康に育つ。養分や水分をよりうまく分配できるから、どの木もしっかりと生長する。
一本のブナは5年ごとに少なくとも3万の実を落とす。立っている場所の光の量にもよるが、樹齢80年から150年で繁殖できるようになる。寿命を400年としたとき、その木は少なくとも60回ほど受精し、180万個の実をつける。そして、そのうち成熟した木に育つは、たった一本のみ。残りの種や苗は、動物に食べられたり、菌に分解されたりして消えてしまう。
木が若いころにゆっくり生長するのは、長生きするために必要な条件だ。ゆっくり生長するおかげで、内部の細胞がとても細かく、空気をほとんど含まない。おかげで柔軟性が高く、嵐が吹いても折れにくい。抵抗力も強いので、若い木が菌類に感染することもほとんどなく、少しくらい傷がついても、皮がすぐにふさいでしまうので、腐らない。
樹木は助けあいが大好きで、社会をとても大切にする生き物だ。仲間のいない森の外に出ただけで、ブナは生きていけなくなる。
うひゃあ、本当なんですか・・・。ちっとも知りませんでしたよ。
中央ヨーロッパには、もはや本当の意味での原生林は存在しない。もっとも古い森林でも、200歳から300歳だ。とても老木とは言えない。木は年をとればとるほど、生長が早くなる。樹木の世界では、年齢と弱さは比例しない。それどころか、年をとるごとに若々しく、力強くなる。若い木より老木のほうが、はるかに生産的だ・・・。
広葉樹は、1億年前に出現した。針葉樹は、すでに1億7000万年前に生まれていた。
木は昼の長さと気温の組み合せで、それを判断する。
マツ林のなかの空気は、針葉が発するフィトンチッドの働きで、ほぼ無菌である。クルミの木の下にいると、蚊に刺される確率が格段に低くなる。
木について、思う存分に知ることの出来る、知的刺激にみちた本です。
(2017年6月刊。1600円+税)
これはまったく私の独断と偏見なのですが、裁判官のなかには騙されたほうが悪いという考えにこり固まっている人が少なくありません。騙し方はいろいろな形態があるわけですが、型通りの法律論をふりまわして切って捨てようとします。そこには弱者に思いを寄せるという発想が全然みられません。悲しくなります。もっと柔軟な発想で社会の真実を見きわめて、適正妥当な解決を図るという発想を裁判官はもってほしいと思います。
よくしゃべる若手裁判官なのですが、社会を見る目が足りない気がしてなりません。

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