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カテゴリー: 恐竜

恐竜まみれ

カテゴリー:恐竜

(霧山昴)
著者 小林 快次 、 出版  新潮社
子どもも大人も、恐竜が大好きだというのは世界共通だと思っていました。だって『ジュラシック・パーク』はアメリカ映画ですし、世界的に大人気だったわけでしょ。
でも、著者によると日本は世界のなかでも飛び抜けて恐竜ファンが多いのだそうです。
私も恐竜ファンの一人です。現代に生きる恐竜が鳥類だなんて、不思議そのものです。
そして、恐竜時代にわが人類の原型(祖先)は深夜だけウロチョロしていたネズミのような哺乳類だったというのです。うひゃあ、恐竜が絶滅しなければ、人類だって、昼間おおっぴらに活動できなかったというわけです。
著者はアンモナイト少年から長じて恐竜博士になりました。
恐竜発掘のため、危うい目に何度もあっています。巨大なグリズリー(ハイイログマ)に襲われそうになったり、ヘリコプターで墜落寸前になったり、ゴビ砂漠では道に迷って転落死寸前、ガラガラヘビを目前に見たり・・・。それでも無事に研究生活を続けているのですから、たいしたものです。
発掘体験記を読むと、まさしく恐竜発掘の大変さと楽しさがビンビン伝わってきて、ともに感動の余韻(よいん)に浸ることができるのです。これだけでも一読の価値があります。
化石の発掘調査。じつは発掘というのは、恐竜研究の一部にすぎない。だが、結論を言えば、恐竜研究の醍醐味はここにある。自分の足と手、目を使って発見する。抜群の面白さだ。
姿を消してしまった恐竜を研究する面白さは、恐竜そのものに挑むことにある。圧倒的に少ないデータを、自分の力で増やしていくのだ。
現在まで1000種類の恐竜に名前がついている。その75%は、たった6ヶ国から発見されている。アメリカ、カナダ、アルゼンチン、イギリス、中国そしてモンゴル。残念ながら、日本は入っていない。
恐竜の化石を見つけるには、人の歩いた形跡のないところ、歩きづらいところをあえて歩く。どんなに疲れていても、あえて違う道を歩くように心がけ、常に化石が落ちていないか目を配る。
大発見は、予期せぬ形で起きる。最終日の夕方に・・・。
絶滅した恐竜の祖先系がワニ類で、末裔(まつえい)が鳥類だ。そこで、恐竜の行動や姿形を推測するためには、ワニ類と鳥類の両方を見比べる。
化石は日本の研究室へもち帰ることはしない。化石は、それが埋まっていた町や村、市の宝なのだ。
フィールドに到着すると、ひたすら歩く。今日も歩いて、明日も歩く。とにかく気力と体力の勝負。ほとんど土砂をショベルで掻(か)いている。
恐竜の研究者は、骨の形と体で覚えている。
いま、東京・上野の国立科学博物館で開催中の「恐竜博2019」には「むかわ竜」の全身骨格が復元展示してあるとのこと。ぜひみてみたいものです。
そして、中国からも全身骨格が届いているそうです。
実際に恐竜がいたら怖くてたまりませんが、夢とロマンの対象として恐竜には限りなく関心があります。小林先生の次の本が楽しみです。
(2019年6月刊。1450円+税)

恐竜の卵の里をたずねて

カテゴリー:恐竜

(霧山昴)
著者 長尾 衣里子 、 出版  成文堂新光社
久しぶりに恐竜の本を読みました。鳥が恐竜の子孫であることは間違いないようです。
今朝は珍しく澄んだ甲高い小鳥の鳴き声を楽しむことができました。わが家の周辺は、いつもカササギ夫婦がカチカチ、シギシギ言いながら飛びまわっています。
中国、アルゼンチン、フランスそして日本と恐竜の卵の発掘現場を探訪した旅行記です。
とりわけ印象的なのが中国です。たくさんの恐竜の卵化石が発掘されていて、驚嘆しきりです。発掘現場には、砲丸投げの球そっくりの黒くて丸い卵化石が点在しています。日本では丹波竜の卵の化石が、見つかっています。
そして、フランス南部にもチタノサウルスの卵化石が発掘されています。ラグビーボールほどの大きさ、そしてずしりと重たいそうです。
今では、卵化石のなかの赤ちゃん恐竜の背骨の一本一本までがクローズアップして見えるようになっています。恐るべき科学技術の進歩のおかげです。
たくさんの卵化石の写真が紹介されていて、楽しく読めるエッセーになっています。
(2019年3月刊。1000円+税)

大人のための「恐竜学」

カテゴリー:恐竜

著者  土屋 健 、 出版  祥伝社新書
アメリカにはダイヤモンド公園という広大な公園があって、ダイヤモンドを土なかから探し出すことができるそうです。私は、そんなところに行くより、カナダのアルバータ公園とかにいって、恐竜の発掘現場に行きたいです。日本でも天草とか福井県に恐竜がよく発掘されているところがあります。ぜひ一度、現地に行ってみたいものです。
 今のところ、残念ながら、恐竜とのご対面は上野の東京科学博物館くらいです。
 宮崎の成見弁護士は私の尊敬する先輩ですが、各地の恐竜展には欠かさず行くようにしているとのこと。うらやましい限りです。
 この本は、今さら子どもには訊けない、最新の恐竜学が解説されています。
 恐竜は鳥盤類と呼ばれる動物たちと今の鳥類をふくむ竜盤類と呼ばれる動物たちから成る。両方とも陸上を歩いた爬虫類である。
恐竜とは、体の下に足がまっすぐのびた爬虫類。
 鳥類は恐竜の一部である。クビナガリュウや翼竜は恐竜ではない。
 恐竜は、短くとも6600万年という途方もない時間を経て化石になっている。
 この化石化の過程はまだ明らかにされていない。
恐竜は二足歩行型の方が、四足歩行型よりも足が速かったとみられている。
 ティラノサウルスは、陸上動物史上まれにみる高度な肉食動物だった。そこで、肉食恐竜をこえるものとして「超肉食恐竜」と呼ばれている。
恐竜は肉食、植物食、雑食といろいろいたが、多くの恐竜は基本的に植物食だった。
 多くの恐竜の寿命は30歳前後。
 小型の恐竜は内温性だったのではないか。大きな竜脚類の恐竜は外温性。このように、一概に恐竜をどちらかに決めつけてしまうのは難しい。
 恐竜は2億年近くも、この地上にいた巨大な生物体です。人類とは共存できそうもありませんが、ロマンをかきたてられる存在ですよね。
(2013年10月刊。780円+税)

鳥類学者、無謀にも恐竜を語る

カテゴリー:恐竜

著者  川上 和人 、 出版  技術評論社
鳥は恐竜である。だから、恐竜は死滅(絶滅)したのではない。恐竜は今も生きて、あなたの身のまわりに存在する。
 これはすべて本当のことです。ええーっ、でも可愛い小鳥があの、いかにも怖いステゴザウルスと同じだなんてウソでしょ、という反発の声が聞こえてきそうです。だけど、本当に鳥は恐竜の一部なのです。これは、学界で定説となっています。
鳥類を除くと、ワニは恐竜にもっとも近い現生動物である。
 翼竜、魚竜、首長竜などは、恐竜ではない。
 恐竜が、二足歩行を実現することができたのは、それ以前の爬虫類と異なる脚のつき方を進化させたからだ。
鳥にとって独特の特徴だと思っていた羽毛は、恐竜時代に発達したと考えられている。多くの恐竜には羽毛が生えていた。
 二足歩行は、鳥類と恐竜の大いなる共通点である。シソチョウ(始祖鳥)は、羽ばたきは無理でも、滑空はしていただろうと考えられている。
翼竜は、空を自由に飛翔した、はじめての脊椎動物である。この点では翼竜は鳥類の先輩だが、系統的には鳥や恐竜とはまったく異なるものだ。鳥類が空に進出したときには、すでに翼竜が空を支配していた。
 鳥が羽毛をつかって飛ぶのに対して、翼竜は皮膜を利用して飛行する。
羽毛は皮膜よりも優秀な飛行器官である。羽毛は軽い。飛翔のための強度をもちつつ、とてつもない軽量さを誇っている。これに対して、翼竜の皮膜は、生きた皮膚であり、血流は水分を含み、必然的に羽毛より重くなってしまう。
 恐竜と鳥の大きな違いの一つが、尾の部分だ。恐竜において、バランサーやエンジンとして役に立っていた尾は、子孫の鳥では不要になってしまった。
ほとんどの翼竜には、立派な歯が残されている。その多くは、魚を食物としていた。
 鳥は、空を飛ぶために、むしろ歯や腕、尾を捨てた。
毒牙をもつと考えられる恐竜が見つかっている。実にシノルニトサウルスという小形恐竜である。牙に溝がある。
 恐竜の一部は渡りをしていた。
鳥類を研究する学者が恐竜を真面目に論じている面白いキョーリューの本です。なかなか恐竜展に行けないのが残念です。
(2013年6月刊。1880円+税)

恐竜時代Ⅰ

カテゴリー:恐竜

著者   小林 快次 、 出版   岩波ジュニア新書  
 恐竜についての最新の研究成果が、さすがに子ども向けらしく、とても分かりやすく解説されています。大人にとっても十二分に役立つ内容です。
過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい。
 鳥は恐竜である。鳥類は恐竜類から進化したと言うと間違いだ。正しくは、鳥類は、中世代の恐竜類から進化したと言うべき。
 始祖鳥は、空を飛んで生活していた。体の軽量化に成功していた。しかし、始祖鳥は、いまの鳥類のように翼をバサバサと羽ばたかせて空を飛んでいたとは考えられない。始祖鳥の胸筋は、現在の鳥類のようには発達していなかった。そこで、始祖鳥は、鋭い爪をつかって木に登り、十分な高さまで登って、そこから滑空していたのだろう。うひゃあ、これって八王子の高尾山の神社に住むモモンガそっくりじゃありませんか・・・。
 1億7000万年のあいだ、地球を支配していた恐竜はすぐれた生命体だった。身体の構造は複雑であり、ちみつな設計により成り立っていた。ところが、今から6550万年前に忽然と地球上から姿を消した。もちろん、鳥類を除いて・・・。
恐竜の足跡化石にも、大きな利点がある。まず、数が多い。そして、歩くスピード体重、行動について証拠を残している。
 恐竜の起源から繁栄のはじまりまでの化石記録がもっともよく残っているのは、アルゼンチンのイスチグアラスト州立公園である。
 恐竜も子育てしていた。子育てという行動を確立することによって、恐竜の繁殖能力は、ほかの動物よりもすぐれていた。そうやって、恐竜は大繁栄し、全大陸を制覇できた。
 恐竜の一部が巨大化したのは、天敵がいたため。身を守るには体を大きくすることしかなかった。長い首は、食べるものを集めるのに役立ち、体温調節にも役立つ。長い首をもつことで、体を動かさなくても首を左右に振るだけで、たくさんの餌にありつける。細長い首と尻尾はラジエーターのような役割、つまり、体にこもった熱をそこから逃すことを可能にした。
 本書の前半部分では、大変な苦労をしながら、恐竜化石を求めて世界を歩いている実情が語られています。こんな学者がいるから、恐竜について少しずつ分かっているのですね。本当にお疲れさまだと思いました。
(2012年6月刊。940円+税)

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