著者:ジョー・サッコ、出版社:いそっぷ社
マンガ本とはとても思えないマンガ本です。ナチス・ドイツから迫害・虐殺されたユダヤ人をマンガで描いた『マウス』(晶文社)を思い出させます。
著者はマルタ島生まれのアメリカ人です。アメリカ人がパレスチナの現場を取材するという体裁をとり、パレスチナの現状をマンガで描いています。1987年から1992年まで続いた第一次インティファーダが登場します。イスラエル軍がパレスチナを占領し、若者たちを中心とするパレスチナ人が石を投げて抵抗していくのです。
はじめは単に石を投げていたのが、次第に殺しあいになっていきます。今もとどまるところを知りません。
アラブ世界の人々が何を考えているのかをマンガ本で視覚的につかむことのできる本です。日本のマンガとはかなり違います。劇画タッチではなく、語りのために絵があるという感じです。パレスチナの実情を知ることのできるマンガ本としておすすめします。
庭にグラジオラスが咲いています。今年は白い花のほかに濃い青紫色の花も咲かせてくれました。ひょろひょろしていますので、折れ曲がってしまったのを取って卓上の花瓶に差しました。食卓風景がいっぺんに華やかになり、目を楽しませてくれます。
2007年6月29日