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カテゴリー: アメリカ

カフェインの真実

カテゴリー:アメリカ

(霧山昴)
著者 マリー・カーペンター 、 出版  白揚社
コカ・コーラの成分は今も怪しいと私は疑っています。中毒性の原料が混じっているからこそ、そんなに美味しくもないのに、タバコのように、いつまでも止められずに飲み続ける人々がいるのです。
コカ・コーラの名前は、初期の製法に入っていた2種類の興奮剤に由来する。南米産のコカの葉と、カフェインをふくむアフリカ原産のコカ・ナッツだ。
20世紀初めのコカ・コーラ1杯(250ml)には81ミリグラムのカフェインが入っていた。これは現代のコカ・コーラ350ミリリットル缶に含まれているカフェイン量の倍以上だ。裁判のあと、コカ・コーラ社は、カフェイン量を減らした。
そして、粉末カフェインをつかっている。合成カフェインは、植物がつくり出したカフェインを横取りしたものではなく、カフェインの成分を池の物質から流用して組み上げたカフェインだ。
モンサント化学工業は合成カフェインを大々的に生産している。
あの悪名高きモンサントがここにも登場するのに驚きます。
カフェインは運動能力を高める薬物だ。しかし、たいていの競技で使用が認められている。カフェインの作用は、運動能力や認知力の向上、そして不眠や不安障害に至るまで、多岐にわたる。
カフェインには、うつ病を予防する効用があるかもしれない。コーヒーを飲む人のほうがうつ病になる人が少ない。そして、もっともコーヒーを飲む人は、もっともうつ病になりにくい。
カフェインの禁断症状は、実に不快なもので、頭痛や筋肉痛、疲労感、無気力、うつ状態をともなうことが多い。カフェインの摂取を急にやめると、多くのアメリカ人はひどい不快感に見舞われる危険性が高い。
カフェインは、神経細胞に対する作用の仕方がコカインやヘロインのような依存性薬物とは異なっている。とくに、脳内のドーパ濃度に及ぼす影響は少ないようだ。
私はコンビニにはあまり入りたくないのですが、街角にあるコーヒーショップでは、よくカフェラテを飲みます。さすがに、二杯目は抹茶ラテにすることも多いのですが・・・。
(2016年12刊。2500円+税)

愛は戦渦を駆け抜けて

カテゴリー:アメリカ

(霧山昴)
著者 リンジー・アダリオ 、 出版  角川書店
報道カメラマンというより戦場カメラマンと呼んだほうがいいように思えるアメリカ人カメラマンの体験記です。
アメリカ人としてパキスタンの現地に行ったとき、次のように言われたそうです。
「お引き取りください。空爆が始まって、アメリカはイスラムの兄弟を殺しています。あなたたちアメリカ人は、いまや招かれざる客です」
まさしく、そのとおりではないでしょうか。世界中に戦争を起こしておいて、武力衝突のタネをばらまいていながら、それによって途方もない甘い汁を吸っているのに、表面上は世界平和を語り、民主主義をお説教するなんて、私にはとてもまともな国のすることとは思えません。
トランプ大統領になって、一段と、その間違った方向が強まることを恐れています。武力(軍事力)によらない民生支援を世界はもっと真剣に考え、行動すべきだと思います。
そんなこと言うと、理想だけ、現実を知らない者のたわごとだと非難されるかもしれません。
でも、著者はカメラマンとして、世界最強のアメリカ軍に随行していて、アメリカ軍兵士が殺されていくのを目撃しています。なぜ、そもそもアメリカ軍がベトナムのジャングルに行ったのか、もう歴史が証明していると思います。完全にアメリカは間違っていました。同じ誤ちを今も世界各地でくり返しているだけなのではないでしょうか。
アメリカ軍は、アフガニスタンにおける軍事作戦においてドローンを駆使しています。戦場に倒れている人物が生きているのか死んでいるのか、赤外線センサーを搭載したドローンを飛ばして、熱を感知するかどうかで、司令部にいる指揮官は判断している。
指揮官たちは、司令部にいて、それぞれの部隊が現場で戦っている映像を壁を埋め尽くす画面で見つめている。そして、電話によって、遠隔地にある基地から部隊を出動させて、要請に対応している。高級指揮官たちは、タマの飛んでこない遠くの安全地帯にいて画面上の捜査で指揮しているというわけです。
そして、現場で何が起きるか・・・。
「もう無理だ。これ以上は歩けない。ぼくはやめる」こう言いながら若い兵士が泣きじゃくる。
もう限界だと言い続ける兵士を、ほかの兵士がうしろら押して前進させている。戦場の実際を写真と映像で伝えてくれる報道カメラマンの存在は貴重だと改めて思いました。
それにしても、本当に危険な仕事です。実際、著者は拉致・監禁もされています。
たくさんの臨場感あふれる写真があり、危険な状況がひしひしと伝わってきます。
(2016年9月刊。1900円+税)

カストロ兄弟

カテゴリー:アメリカ

(霧山昴)
著者  宮本 信生 、 出版  美術の杜出版
 カストロ兄弟の未公開写真が何枚も紹介されています。著者はキューバ大使をつとめていたこともある元外交官です。キューバの歴史と内情が分析的に語られていて、説得力があります。
 キューバの国家経済は大変のようですが、国民が反乱を起こさなかった理由がいくつもあるようです。薄くても、全国民が福祉・医療のセイフティー・ネットの下にあり、安心感がある。キューバは気候温暖なので、飢えと寒さによる死の恐怖はない。ぜいたく言わなければ生きていける。
政府は有機農業を奨励している。教育水準は高く、識字率は100%に近い。医学もレベルが高い。
 キューバ政府の高官であっても汚職はきびしく裁かれる。アンゴラ作戦群のオチョア司令官は麻薬売買等によって死刑判決を受けて処刑された。ラヘ官房長は外国からの利益供与を受けて姿を消してしまった。同じく、ナンバー・スリと目されていたアルダナ政治局員(党中央委書記)も同じような理由で党から除名された。
 カストロは党指導部の清廉さこそ、党が国民の支持を得る最大の前提であると認識し、実行してきた。
キューバにおいては特権的官僚群は存在しない。大臣であっても自転車通勤したりしている。したがって、一般国民が党や政府の指導部に対して恨みや嫉みや怨念は存在しない。ここが旧ソ連などとはまったく異なるようです。
キューバは、ソ連の援助に頼りきっていたこともありましたし、アフリカのアンゴラへ1万5000人そして最大時5万人も軍人を派遣していたこともありました。それは、経済的には大変な負担でしたが、第三世界では評価されることでもありました。
20年前の本『カストロ』を全面的に書き改めたもののようですが、豊富な写真によってキューバとカストロ兄弟の理解を助けてくれます。
それにしても、幼いころのカストロ兄弟は、写真を見ると、いかにも賢い感じです。
(2016年11月刊。1500円+税)

大統領を操るバンカーたち

カテゴリー:アメリカ

(霧山昴)
著者  ノミ・プリンス 、 出版  早川書房
 アメリカの政治が財界によって動かされてきたことを実証している本です。銀行家がアメリカの大統領を背後から操っていたのです。日本でも同じことが言えるのでしょうか・・・。
1929年の大暴落から2008年まで、銀行家たちが民主的に選ばれたリーダーではなく、君主的なリーダーとして、アメリカを支配してきた。これらのエリート銀行家たちは、今日もなおアメリカの金融システムを動かしている。
アメリカの偉いところは、アメリカの政治の根幹に関わる文書が国立公文書記録管理局や大統領図書館に保管され、分類され、一般にも公開されているところです。
 1933年3月4日、FDR(フランクリン・ルーズベルト)大統領は就任演説で、次のように述べた。
「恐れる必要があるのは、恐怖そのものだけだ」
 この当時のアメリカでは1400万人が失業しており、900万人が蓄えを失っていた。FDRは、1933年5月、連邦緊急救済局を設立した。公共事業プログラムによって、失業した人々にさまざまな政府の仕事を提供した。1935年、公共事業促進局と社会保障局に引き継がれた。
 FDRは、銀行業に対する国民の信頼を復活させた。資本主義を下支えし、銀行家たちの賛同を得つつ、彼らを自己破壊的な行動から抜け出させた。
 さらに、銀行産業の世代交代を促進した。銀行業界は反撃したが、FDRは屈しなかった。FDRは銀行業界に対して、過去のどの大統領よりも大きな力をもっていた。議会や一部の主要銀行家の支持はもちろん、国民の支持も得ていた。
 ニューディールの第二段階で、FDRは社会保障法によって退職者や障がい者のためのセーフティーネットを導入した。このとき失業保険プログラムも創設した。
これに加えて、FDRは富裕層に対する積極的な増税を実施した。最高税率が25%から63%に引き上げられた。1942年には税率は82%へ、1944年に94%に引き上げた。そして、法人税のほうも31%を40%に引き上げた。銀行家たちは怒り、FDRの敵となった。
1936年の大統領選挙で、FDRは大企業や最上層の金融資本家を声高に批判し、圧倒的な国民の支持を得て再選された。
1939年9月、イギリスがドイツに宣戦布告したとき、ニューヨーク証券取引所には買いが殺到し、史上最大の債券取引高を記録した。このとき、戦争は経済的恵みになると投資家たちは考えた。戦争はヨーロッパの競争相手に打撃を与え、アメリカの資金と金融サービスを世界の金融ピラミッドの頂点にしっかりと位置づけたのだ。
戦争はもうかるもの。銀行家たちは戦争を好ましいものと考えるというわけです。実におぞましい存在です。そんな輩が国を間違った方向へひっぱっていくわけです。
(2016年11月刊。2700円+税)

アメリカ黒人女性作家論

カテゴリー:アメリカ

(霧山昴)
著者  加藤 恒彦 、 出版  御茶の水書房
 1991年12月発行の本です。私の本棚に長く「積ん読(つんどく)」状態にありました。正月の人間ドッグのときにホテルに持ち込み、ようやく読了することができました。
 三人の黒人女性作家が取りあげられています。アリス・ウォーカー、トニ・モリソン、グローリア・ネイラーの三人です。前二者の本は私も読んだことがありますが、三人目の作家は知りませんでした。
 この本は1980年代の黒人女性作家論をテーマとしているようです。
 アメリカ人種主義社会のなかで、失業と貧困にあえぎ、家長としての責任を果たせず、未来に絶望して、無責任な父親となって家を捨てる黒人男性が多いことは、よく知られた事実である。
 これは30年も前のアメリカ社会の描写ですが、今はどうなのでしょうか?実のところ、現代日本にも多少あてはまる現象ではないかという気もします。というのが、日本では、その前にあまりの低賃金のため結婚できない若い男女が増えていることから、その結果として少子化が進んでいるようにも思います。
 この本では、貧困のなかでの暴力の連鎖をテーマとする本も紹介されています。
 両親に愛されることなく育ったために、自己の人間としての価値に気づくことができず、したがってまた、他者を愛することも深い意味ではできなかった。さらに、直接的な感覚をこえて物事の本質を見抜く知性を奪われてしまった・・・。
これって、現代日本にも当てはまる現象と言えるのではないでしょうか・・・。
 エリートの若い黒人カップルがいる。夫は、厳しい競争社会で、より以上の成功を求めようとするからこそ、妻に自分への理解ややすらぎの場を求めるのに対して、妻は夫に富や地位を求め、夫を競争社会に駆り立てようとする。ともに富と成功を追い求めることによって、皮肉にも二人は相手を失っている。
 これまた、現代日本にも共通するところが多いように思われます。
 その意味で、25年も前の本ですが、いま読み返すだけの価値があると思いました。
(1991年12月刊。3000円+税)

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