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カテゴリー: 生物

先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました

カテゴリー:生物

著者  小林 朋道 、 出版  築地書館
鳥取環境大学のコバヤシ先生のシリーズ7冊目です。こんなに自然環境に恵まれた大学で学べる学生は幸せだと思います。とは言っても、卒業後の就職先探しの点では、なかなか大変なのかもしれませんが・・・。
 この大学にはヤギ部という学生サークルがあります。そして、最古参のヤギコが、なんと昨年2月、11歳で亡くなったとのことです。ヤギコの話も面白かっただけに、本当に残念でした。寿命だったのでしょうか・・・。それでも、ヤギ部自体は続いているとのこと。
そして、この本を読むと、モモンガの森のエコツアーに誌上参加することができます。モモンガパン・モモンガゴロゴの焼き印など、子どもたちだけでなく、大人も年寄りも楽しめそうです。
 この本の初めに登場するのはヒバリの子育て。春先、頭上高くヒバリのさえずりを聞くと、いつも、ついつい心がなごみます。春を実感させるヒバリの鳴き声だからです。
 ヒバリは人間に対する警戒心が強いと思っていました。すると、なんとこの大学では、みんなが通る通路というか階段の脇の茂みに巣があって、子育てしているというのです。本当に大丈夫なのでしょうか・・・。
そして、ヒバリの巣の近くにシマヘビを見つけて捕まえ、手をかまれた学生がいました。シマヘビは、よく人物をかむのだそうです。
アオダイショウもシマヘビも、そしてマムシも、まったく違いが見分けられない私は、ヘビと聞いただけで、おじけづいてしまいます。
このコバヤシ先生は、なんとハチも育てています。アシナガバチです。よくよく観察が行き届いているところは、さすがにプロの目は違います。
 いつもながら、生物の生態を細かく教えてくれる楽しい本です。
(2013年5月刊。1600円+税)

巨鯨の海

カテゴリー:生物

著者  伊東 潤 、 出版  光文社
圧倒的な迫力のある捕鯨の話です。思わず、手に汗を握り、鯨とのたたかいに目を見張ります。和歌山県は太地(たいじ)の鯨組の話です。
本方(ほんかた)と呼ばれる鯨組棟梁(とうりょう)。刃刺(はざし)とは、鯨に銛(もり)を打ち込む勢子船(せこふね)の頭(かしら)のこと。沖合とは、船団の指揮をとる軍配役。親父とは、一から三番船の刃刺のこと。
 能野太地の鯨組では、刃刺に昇進すると、それまでの名を捨て、鯨組棟梁からそれぞれにちなんだ大夫名が下賜される。若太夫(わかだゆう)は、すでに齢(よわい)60を超えた老練の沖合である。筆頭刃刺を勘太夫(かんだゆう)という。
太地は、紀伊半島南端の潮岬から東北4里(20キロ)、那智の滝で有名な那智勝浦のすぐ南に位置している。気温は温暖で、冬でも過ごしやすい。
 夏のあいだ、鯨は蝦夷地や千鳥半島でオキアミをたらふく食べ、一尺をこす皮下脂肪をさらに厚くし、北の海が氷で閉ざされる前に、繁殖のために南に向かう。これを、上り(のぼり)鯨と呼ぶ。上り鯨が太地沖を通過するのは9月から12月で、北に向かう下り鯨は、3月から4月に太地沖を通過する。それぞれ冬漕ぎと夏漕ぎと呼ばれ、それ以外の期間は大漁となる。
 古代より日本列島の沿岸は鯨の宝庫だった。しかし、大型の鯨は人の手に負えなかった。ところが、17世紀に入って、太地の人々が網取り漁法を考案したことから、太地は鯨取り熱狂の季節を迎えた。1683年には、太地だけで大型鯨96頭の水揚げがあった。貧しい寒村が一転して長者村となった。太地の人々は鯨を「夷様(えびすさま)」と呼んで敬った。
新宮(しんぐう)藩の領内にありながら、太地は治外法権も同じ扱いを受けていた。というのも、太地鯨組の頭領である太地角右衛門家は、名にし負う大分限(だいぶげん)で、財政難の新宮藩にお金を貸したり、新宮藩がいずこからお金を借りるときの保証人になったりしているからである。
 江戸時代の鯨取りの様子をまざまざと再現しつつ、そこにうごめく人間模様をこまやかに描く語り口はあざやかと言うほかありません。
 感嘆しながら、読書の幸せをかみしめつつ、残念ながら読了してしまいました。
(2013年4月刊。1600円+税)
 土曜日の午後からフランス映画をみました。別れた夫と新しい彼とのあいだで揺れ動く女性の話なのですが、いかにもフランス映画で少々退屈しました。フランス語の勉強のつもりで最後までみました。映画のあと、ジャック・ドワイヨン監督本人のトークがありました。もちろん通訳つきですが、それでも、けっこう話は分かりました。この監督は1シーンをとるのに、最低でも15回はやり直させるようです。そうやって役者は自分のものにするとのこと。主役の女性は監督の娘です。美人というより個性的なアクトレス(女優さん)です。8歳くらいの女の子が実におませで、可愛かったのが印象的でした。

日本の絶滅古生物図鑑

カテゴリー:生物

著者  宇都宮聡・川崎梧司 、 出版  築地書館
いやあ、古代日本にもこんなに奇妙な古生物がいたのですね・・・。そして、化石として日本各地に残っていたなんてちっとも知りませんでした。
いえ、日本に恐竜の化石があることくらいは私も知っています。まだ見ていませんが、熊本県の天草に恐竜化石があるようですし、福井県は恐竜化石の宝庫だというのは聞いています。
北海道にも恐竜がいたのでした。体長10メートルに達するモレノサウルスです。
 クビナガリュウの仲間です。10メートルの復元骨格は圧巻ですね。
 日本にはワニだっていたのですね。しかも、なんと大阪府豊中市にいたとは・・・。
大阪が世界に誇る化石、それがマチカネワニだ。体長7メートル、体重1.3トンという巨大なワニです。頭部だけで、1メートルという大きさです。大阪大学のキャンパス工事現場で保有状態のよいワニの頭部が発見されたのでした。
 岐阜県には、ゾウの化石が見つかっています。日本にも野生のゾウが生息していたわけです。ナウマンゾウになると、日本各地で化石が見つかっています。マンモスは、さすがに北海道だけのようです。マンモスの臼歯化石が発見されています。
オールカラーの見ているだけで楽しい図鑑です。日本だって、古代世界の一部なんだと実感できます。眺めていると気分転換になる図鑑として、一見をおすすめします。
(2013年2月刊。2200円+税)

マタギとは山の恵みをいただく者なり

カテゴリー:生物

著者  田中 康弘 、 出版  枻出版社
東北地方には、今なおマタギが存在しているんですね。もちろん、昔ながらのマタギのままとはいかないようですが・・・。
 本書は食堂である。出てくるメニューは、実際にマタギたちが食べてきたものばかり。
 山の神から授かったマタギの食べものを、よくとれた写真でイメージをふくらませながら堪能することができます。
 でも、それにしても雪深い山中を2時間も3時間も、ひたすら歩きまわるなんて、私にはとても出来ません。せいぜい、こうやってマタギの写真を眺めて、その苦労を彼方のものとして少しばかりの実感をおすそ分けさせていただくだけです。それでも、腹ふくるる心地はしてきます。なにしろ、ナマの肉にあふれていますから・・・。
 マタギは、狩った熊をさばいて鍋料理で食べる。山菜を入れると鍋の味がひときわ引き立つ。
 昔は熊が捕れると、集落がわくわくした気分になった。子どもが小皿に熊の肉を入れて近所に配って歩いた。それくらい、昔は熊の肉は貴重品だった。熊の胆は今では薬品に指定されているそうです。
 金と同じ価値があるとされた熊の胆は、冬眠中にできる。冬眠しているときは何も食べない。だから、消化に必要な胆汁は使用されずに、たっぷりと貯めこまれる。これを加工して貴重品としての熊の胆ができあがる。
熊の肉はほとんど流通しない。並の肉でも、100グラム500円以上する。熊の肉は煮込み専門、味噌との相性がいい。ブナの実ばかりを食べた熊の肉がいちばん美味しい。
昔から熊はどこも捨てるところがないほど活用されてきた。肉は食用、熊の胆や血は薬になり、毛皮は敷物に利用されていた。ところが、今では、熊の皮は、山の中に捨てられるようになった。加工業者が減って、加工賃が値上がりしたのも理由の一つ。
 野ウサギを食べるときには、頭を半分に割って加える。そうすると、脳みそがウサギの味としてプラスされる。これって、本当に美味しいのでしょうか・・・。
このほか、山菜、バター餅、ヤマメやカジヤなどの川魚もあります。
 自然に恵まれた山深い森の自然の恵みを食する悦楽が写真で手にとるようにイメージできる楽しい本でした。
(2013年4月刊。1500円+税)
 日曜日にフランス語検定試験(1級)を受けました。この2週間ほど、必死にフランス語の書き取りをしていましたので、長文読解、書き取り、聞き取り試験はまあまあでした。分からない単語があっても、文脈から想像がつくほどにはなりました。でも、文法はまるで歯が立ちません。いつものように第1問から5問までは、ほとんど全滅でした。自己採点で68点(150点満点)。4割をこえたようです。当面の目標は5割をクリア―することです。(合格は6割)。
 やはり試験ですから、とても緊張します。昼食は結局、抜きました。お昼を食べる気分にならなかったのです。
 6月21日はフランスは全国で音楽祭をやったようです。ちょうどパリにいる娘が驚いて、ラインで知らせてくれました。街頭でもどこでも一日中、音楽をみんなで楽しむそうです。いい祭りですね。

鳥たちの驚異的な感覚世界

カテゴリー:生物

著者  ティム・バークヘッド 、 出版  河出書房新社
わが家にはスズメが棲みついていますが、前に比べてかなり減ったような気がします。外食のとき、ランチのパンは持ち帰ってスズメのエサにしているのですが・・・。
春はなんといってもウグイスです。声がさわやかなので、聞きほれてしまいます。カササギは、すぐ近くの電柱に、3コも巣をつくっています。高い所にある巣が強風で吹き飛ばされないように、うまく小枝を組み合わせているのに、いつもながら驚嘆するばかりです。
 ウミガラスは人間によく似ている。なにより、この鳥は、非常に人間的だ。コロニーで隣りあう者同士が友情を結び、ときに子育てを手伝う。たまに浮気をすることがあるにせよ、ウミガラスは単婚で、つがいのオスとメスが一緒に子どもを育て、20年間も連れ添うことがある。うむむ、これはすごいことです。
 鳥の雄のさえずり習得と、さえずり方をコントロールする脳の部位は、繁殖期が終わると縮み、翌春に再び大きくなる。
 コウモリは、眼をふさがれても空を飛んでいける。ところが、両耳をロウでふさいでしまうと障害物にことごとくぶつかってしまう。
 キンカチョウは飼い主の娘の足音を識別することができる。
鳥には磁気感覚があるため、地球磁場からコンパス方位を読みとることができる。そして、鳥は磁気図をもっているので、自分の位置を認識することができる。このように、鳥は地球磁場を利用している。鳥は、全身にある個々の細胞内部での化学反応に介して磁場を感知している。
 オオツチスドリは、遊ぶのもねぐらにつくのも砂遊びするのも仲間と一緒にやる。休憩するときも、横枝に一列に並んで羽繕いしあう。
 シロカツオドリのメスが、ある日、小さなひなの世話をつかいオスにまかせて姿を消した。オスはひなの世話をずっと続けた。5週間たって、メスが戻ってきた。再会できたオスとメスは、熱烈な挨拶を延々17分間も続けた。このように鳥は感情をもっている。
 アメリカチョウゲンボウは、18メートル離れていても、体長2ミリの虫を見逃さない。
 カモは捕食者を警戒して、片眼を明けたまま眠ることができる。
鳥って、すごい能力をもっているのですね。先日、ユーチューブで踊っているオウム(キバタン)を見ましたが、セキセイインコもテーブルの上で踊れるのですね。そして、上手にしゃべれるのを知って、今さらながら驚きました。日曜夜の『ダーウインが来た』は私が唯一みる(ビデオで)テレビ番組です。毎回、驚きの映像です。
(2013年3月刊。2200円+税)

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