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カテゴリー: 生物

ハチはなぜ大量死したのか

カテゴリー:生物

著者 ローワン・ジェイコブセン、 出版 文芸春秋
 2007年の春までに、北半球のミツバチの4分の1が失踪した。
 花には非常に機能的な役割がある。その役割とは、ずばりセックスだ。花粉交配の仕事こそミツバチの仕事である。今日の養蜂業界は、アーモンドの花粉交配だけで年間2億ドルもの収益をあげている。それに対して、蜂蜜生産の売り上げは1億5000万ドルでしかない。ふむふむ、なるほどですね。
 ミツバチは、個々のメンバーの風采はあがらないけれども、忠誠心に富み、マルハナバチがガリア人の村人だとすれば、ミツバチはローマ帝国の軍団だ。
 ミツバチは15度以下の温度では飛ぼうとしない。雨の日も飛ばない。ミツバチにおいて、知性は個々のハチにではなく、コロニーに宿る。
 巣箱に5万匹のミツバチがいるとして、そのうち4万9000匹ほどは子どもの産めない働き蜂である。女王蜂は、合計すると自分の体重と同じになるくらいの重さの卵(最大2000個)を毎日生み続ける。女王蜂が交尾をやめるのは、数回の飛行で10~36匹に及ぶ求婚者からの貢物を手に入れたあとのこと。
 女王蜂は、ときどき未受精卵を生むことがあり、これが雄蜂になる。雄蜂は、要するに「飛ぶ精子」だ。だから、交尾シーズンが終わると、用なしになってしまう。秋になって気温が下がり、巣の資源が減ってくると、働き蜂は雄蜂を巣から追い出す。路頭に迷った雄蜂は、じきに凍えて死んでしまう。いやはや、オスはどこの世界でも哀れなものです。合掌。
 コロニーにいる採餌蜂の4分の1が花粉の採集を専門に行う。採餌蜂は、蜂蜜以外はほとんど何も食べない。
 女王蜂の寿命は2~3年もある。これに対して働き蜂の寿命はたったの6週間でしかない。女王蜂になるのは、ローヤルゼリーを浴びるように潤沢に与えられたもの。
 巣が混雑していることと、花が咲き乱れていることが分蜂の前提条件だ。この分蜂を決めるのは女王蜂だと最近まで信じられていた。しかし、実は、老練な働き蜂たちが討議をしたあと、巣の残りの成員に合図を送っていることが観察によって判明した。つまり、巣分かれも集団で意思決定されているのだ。うひゃあ、そうだったんですか……。
 ミツバチの大きな魅力のひとつは、幾何級数的に増えていくことだ。
 1970年代、80年代は、アメリカの養蜂業の黄金時代だった。1980年代には、何年も続けて巣箱当たり90キロの蜂蜜が収穫できた。巣箱によっては130キロもの蜂蜜がとれるものがあった。ところが、今では4000箱の巣箱から、1本分のドラム缶しか取れない。
 蜂蜜は私の大好物でもあります。午後のひととき、紅茶に蜂蜜を入れ、ブランデーを注いで味と香りをつけて楽しむのが、私の楽しみです。そんな蜂蜜が将来とれなくなったら、それは大変なことです。そして、それ以上に、花が受粉できなくなったら大変も大変、人類は絶滅の危機に立たされるのです。
 ミツバチを一度買ってみようかなとまで思わせる楽しい本でもありました。
 我が家の庭のチューリップが8割方は咲きました。400本ほどは咲いていると思います。といっても、庭のあちこちに植えていますので、例年よりはチューリップのオンパレードという感じでもありません。
 ハナズオウの赤紫色の花も咲いています。春爛漫の候です。
 ちなみに、私の法律事務所のホームページの私のブログに、チューリップの花の写真をアップしています。
(2009年1月刊。1905円+税)

世界初!マグロ完全養殖

カテゴリー:生物

著者 林 宏樹、 出版 化学同人
 マグロ属のなかでもクロマグロはもっとも体長が長く、大きいもので全身3メートル、そして、体重は400キロを超えるものがいる。
 クロマグロの名は、身体の背側が黒いところによる。むなびれが、他のマグロと比べて短いのも特徴。幼魚から成長するにしたがい、ヨコワ、メジ、チュウボウと呼び名が変わる出世魚でもある。クロマグロは、奇網(きもう)と呼ばれる毛細血管を体側筋の中や肝臓の表面に発達させている。これによって冷水域でも体温を水温より5~10度は高く保つことが可能となり、筋肉の活動を低下させず高速で遊泳できる仕組みとなっている。
 クロマグロは、時速80キロで泳いでいる。
 マグロは、生まれてから死ぬまで泳ぎ続けなければならない宿命にある。というのも、マグロには鰓を動かす能力がない。だから、口を開けて泳ぎ続けることでしか呼吸のための酸素を取り込むことができない。それで、休息時も口を開けて泳がなければ窒息してしまう。
 マグロの寿命は20~30年。マグロは肉食の魚である。エサはイワシやアジ、そしてイカ、タコ、オキアミなども食べる。
 江戸時代の初めころまで、マグロは「シビ」と呼ばれ、「死日」に通じるので忌み嫌われ、あまり好んで食されていなかった。
 クロマグロの著養がもっとも盛んなのは地中海であり、世界で3万5000トンが生産され、、そのほとんどが日本に輸入されている。
 クロマグロを養殖するには、まず、幼魚のヨコワをとり、生簀に活け込む。太平洋のクロマグロの産卵域は、日本南方からフィリピン沖の西太平洋で孵化後、黒潮に乗って北上し、夏から秋にかけて10~20センチのヨコワになって日本沿岸にやってくる。ヨコワは、非常に酸素要求量の高い魚である。そのため、酸欠状態となるとすぐに死滅してしまう。
 また、光や音の刺激でパニックを起こしやすく、生簀に突進して衝突死する個体が続出した。クロマグロ完全養殖の研究を始めてから32年たって、ようやく実現することができた。味も、天然ものとまったく遜色なかった。
 成魚になったクロマグロは、病気になりにくいのでワクチンなどの薬を投与する必要もない。
 いま、クロマグロは1日2回、午前と午後、アジやサバを中心に生餌が1日当たり体重の数%の換算で与えられている。出荷するときは、電気針を使って一本釣りをする。マグロが針についた餌に食いついた瞬間に電気が流れ、仮死状態にして釣り上げる。時間をかけて釣り上げると、マグロが暴れて体内に乳酸がたまり、俗に言う身にやけが入るからである。商品価値が落ちてしまう。
 世界のクロマグロの8割を日本人が消費している。
 本当に日本人はマグロが大好きですよね。もちろん、私も大好きです。ネギトロ巻きなんか、うっとりするほどの美味しさです。
 最近、ある業界紙を読んでいたら、次のようなコラムを発見しました。いやあ、本当にひどいものです。私もあらためて怒りを感じました。

日本長期信用銀行に8兆円ともいわれる莫大な公的資金をつぎこんだ挙句、わずか10億円で2000年に米投資ファンドのリップルウッドに買収させた。一時的には国有化された旧長銀をである。そして、リップルウッドは2200億円の株式売却益を得た。なぜ、銀行ではない外国のとうっしファンド会社に売却されたか、その舞台裏で何があったのかは今も不明である。
 原価2400億円の『かんぽの宿』が109億円で落札云々も、事例としては相手が米国か日本かの違いだけ。郵便局員は公務員だが、給料は税金からは払われていない。350兆円もの郵便局の資産を外資や民間に解放することがターゲットだったのだろうか?
 アメリカが日本を安く買収できるように道筋をつくり、日本の金融資産をアメリカのために活用できるように仕組みを変えたのが、一連の構造改革であったことが次第に明らかになってくる.
(週刊先物ジャーナル987号、沼野 龍男氏)

(2008年11月刊。1400円+税)

昆虫の知恵

カテゴリー:生物

著者 普後 一、 出版 東京農工大学出版会
 いやはや、昆虫って、すごいですね。昆虫に学べ、とは、よく言ったものです。そのとおりですね。
 ヒトの皮膚にとまった蚊は、皮膚の下にある毛細血管を探り当てるために、足の裏にある感覚器官から超音波を発信し、その反響を利用して血管の位置を感知する。
 うへーっ、まるで腹部エコー検査みたいですね。
蚊が吸血するとき、体重の2倍ほどのヒトの血液を一気に吸って消火器に流し込む。一度に腹いっぱい吸血するため、異なったヒトの血液型が混じり合うことはない。そして消化酵素ですぐに消化吸収されるため、血液が凝固することはない。ふむふむ、なるほど。
 蚊のもつ抗血液凝固物質は、酵素反応の最終段階をストップさせる。このプロリキシンSという物質は、血液を凝固させないほか、血管の平滑筋を弛緩させる作用を持っている。蚊は、吸血するとき、ヒトの皮膚感覚を麻痺させるために唾液を注入し、ヒトに気づかれないようにしている。蚊の唾液がアレルギー反応を引き起こし、かゆみの原因となる。ただし、本来、蚊の唾液は吸血終了とともに蚊の体内に戻る。そのため、かゆみも止まる。ところが、吸血が中断されると、蚊の唾液がヒトの体内に残されるので、ヒトはかゆみを感じる。
 つまり、蚊の気が済むまで血を吸わせたら、かゆみはほとんど感じないわけである。
 うひょう、な、なーんと、蚊を叩き潰すことによってかゆみを感じるというわけです。でも、蚊って見つけたらすぐに叩き潰してしまいたいですよね。
 ちなみに、蚊は一般には花の蜜や果物の汁、樹液などを吸っているが、交尾したメスの蚊だけが卵のためにヒトの血を吸う。蚊のオスは人間の敵ではないということなんですね。
 生ゴミを処理するのに、アメリカミズアブを使うといいそうです。初めて知りました。50センチ角の箱にアメリカミズアブを100頭入れて高温にしておくと、有機廃棄物が効率よく分解処理される。ふーん、そうなんですか……。いま、我が家はEMボカシで生ゴミを処理していますが、これより、もっと簡単で効率が良さそうです。
 モンシロチョウからピエリシンという物質がとれ、抗がん作用に役立つという話も初めて知りました。昆虫って、偉大なる遺伝子資源なのですね。絶滅させたら、人類にとって巨大の損失です。ミズスマシやセミの抜け殻が糖尿病に良いなんて、本当でしょうか。
 傷口にウジ(ハエの幼虫)を這わせておくと、早くよくなるという話にも驚きました。戦場での実際の体験的知見による発見だそうです。
 ウジは、自分の持つタンパク質分解酵素を分泌して壊死状態の組織を溶かし、それを吸い上げることによって壊死組織を除去する。このタンパク質分解酵素は、健全な組織を融解することはないので、壊死組織だけが選択的に取り除かれる。そして、この物質はMRSAなどの薬剤耐性菌をふくむ病原菌に対する殺菌作用ももっている。ただし、ウジを使った治療法には健康保険が適用されない。見かけによらず、ウジも人間に役立つということなんですね。
 将来の宇宙食として有望なのは、昆虫(カイコガ)である。カイコガの蛹は、栄養的に非常に優れ、絹は用途が広く、微粉末にして食材にもできる。カイコガをキャットフードに25%混ぜると、猫は喜んで食べるそうです。
 バッタが幼虫時代に劣悪な環境で育つと、身体が褐色となり凶暴化して、大害虫と化す。これまた人間に似た話ですね。
 うひゃあ、すごいすごい。昆虫ってバカにできませんね。人間は昆虫に大いに学ぶべきです。
 先週末、春一番の突風が吹き荒れました。まともに傘をさして歩けず、電車も乱れていました。でも、風が温かいのです。ああ、春一番だとすぐに思いました。隣家の庭に今年も黄水仙が列をなして咲いています。輝くばかりの黄金色です。そして、近所にはしだれ紅梅も咲き誇り、春到来を感じさせます。
(2008年5月刊。1400円+税)

ハダカデバネズミ

カテゴリー:生物

著者 吉田 重人・岡ノ谷一夫、 発行 岩波科学ライブラリー
 世の中には、まさしく珍妙としか言いようのない生き物がいるものです。女王とか兵隊というのは、アリとハチで知っていますからよく分かりますよね。ところが肉ぶとん係というのがいるっていうんです。いったい何のことかと不思議に思いますよね。
 ハダカデバネズミとは、文字通り体毛がなく、前歯が出っ張っていて、そしてネズミである。彼らは、東アフリカのケニアあたりの大草原の地下にトンネルを掘って集団で暮らしている。ネズミなのに、ハチやアリと同じように女王がいて、働きデバや兵隊デバがいる。女王はトンネルを定期的に巡回し、さぼっている個体を見つけると、どやしてまわる。どやされた個体は、服従のポーズをとり、反省の意を示す。
 ハダカデバネズミは、17種類もの鳴き声を持ち、状況に応じてこれらを使い分けている。 女王は王様に交尾を要求する鳴き声をもっている。これを聞いた王様は、女王にマウントして交尾しなければならない。ところが、王さまは交尾すればするほど、やせ衰えていく。
 なぜ体毛がないのか?地下トンネル内の、1年中30度前後に安定した環境のなかで暮らし、しかも、ノミやダニの温床となりうる毛皮を自ら捨てたのだ。
 哺乳類であるけれど、自分で体温調節が出来ない。いや、する必要がない。
 いま飼っている女王の推定年齢は37歳。その身体サイズから予測される寿命の10倍以上は長生きだ。
 デバたちは、80~300匹の群れで暮らす。繁殖に関わるのはメス一匹と、1~3匹のオスのみ。そして、役割分担のある社会で生活する。
 デバの女王は、生れながらの女王ではない。厳しい戦いを勝ち抜き、ようやく女王の座を得る。女王は、常に巣穴をパトロールして、ライバルたちを威嚇してまわる。そやって自分以外の繁殖能力を抑制している。
 女王の在任期間は20年以上に及ぶ。女王は群れの中で一番体が大きく、強くて、偉い。狭いトンネルですれ違うとき、他のデバは女王のために道を譲らないといけない。
 女王への反逆を決意した第二位メスは、最初に女王を襲うのではなく、まずは王様を歯にかける。
 兵隊デバは、トンネルにヘビが侵入してきたとき、闘うというより、まっさきにヘビに食べられてしまうのが仕事。
 ハダカデバネズミの役割は、成長にともなって変化する。生まれつき固定されたものではない。働きデバの一部は、女王に子が生まれると、床に寝そべって、ひたすら子どもたちのふとん係に徹する。もぞもぞ動きながら、子どもたちを保温する役目を果たす。肉ぶとん階級である。ただし、一生この仕事をしているのではない。
ハダカデバネズミの巣穴の全長は、最大3キロメートルにも及ぶ。食べるのは植物の根。ただし、飼育するときは、リンゴが一番の好物。うむむ、なんだか変ですね、これって……。
 大変飼育の難しいハダカデバネズミだということですが、上野動物園のほか、埼玉県こども動物自然公園そして千葉大学サイエンスプロムナードで見れるそうです。私も、この珍妙な生き物を実物で見たいと思いました。やっぱり学者って、すごいですよ。感心・感嘆・感謝です。
(2008年1月刊。1500円+税)

昆虫、4億年の旅

カテゴリー:生物

著者:今森 光彦、 発行:新潮社
 うひゃあ、すごい、すごーい。昆虫って、こんなにきれいだったのか、えーっ、こんな不気味な色と形をしていたの・・・。身近な昆虫たちを間近で見ると、まったく驚きと発見にみちみちています。くっきり鮮明なカラー写真が200点もあって3600円とは、なんと安いこと。写真を撮る苦労を考えたら、本当に申し訳ない気持ちになります。
 虫にとりつかれた子どもたちのことを、昆虫少年という。昆虫少年という言葉があるのは、おそらく世界中探しても日本だけではないだろうか。かけ事ではない、カブトムシを喧嘩させて遊ぶ純粋な子どもたち。こんな国は、世界広しと言え、いちども見たことがない。「ファーブル昆虫記」のファンの数も日本が世界一だというのも十分納得できる。日本の子どもたちは、美意識と科学心にあふれる好奇な目で、昆虫たちを見ている
 頁をめくって一番始めに登場するのが南米(ブラジル)に棲むヨツコブツノゼミの顔です。頭の上のほう(オプションには胸部とあります)に、たしかに4つのコブがついているのです。その奇妙さといったら、思わず噴き出してしまいそうです。そして、このヨツコブツノゼミから、「おまえ、今、なんか笑ったか?」と重々しい声で問いを投げかけられたら、あわてて口に手をあてて、「いえ、別に・・・」と返事して、ごまかすことでしょう。世にも珍妙なるセミです。ぜひ、実物を写真でご覧ください。
 インドネシアに、ホタルのとまる木があるというのは聞いていました。幾万とも知れないホタルが高さ20メートルの木に集まり、集団発光するのです。いやあ、一度ぜひ見てみたいですね。こればっかりは、写真では実感できません。我が家から歩いて5分のところにも初夏(梅雨前)になるとホタルが飛びかう小川があります。最近、そのすぐ近くで道路工事をしていますので、今年もホタルがちゃんと見れるのか、今から心配しています。
 著者は、プロの写真家になる夢を捨てず、大学を卒業してコマーシャルスタジオに2年間勤め、ファッションや料理など、あらゆるコマーシャル撮影の技術を習得した。そして、著者は29歳のときから、毎年3ヶ月間、のべ2年4ヶ月の歳月をエジプトでのスカラベ撮影に費やした。2年目から昆虫学者(佐藤宏明)がアシスタントとして同行し、著者が写真をとり、助手は生態に関する論文を執筆した。いやあ、すごい執念です。大したものです。
 取材ノートが公開されていますが、手書きの絵もまた実に精妙です。細かいところまでよく観察していることが実感できます。
 虫の卵というのが、こんなに個性的なものであって、虫によって色も形もまるで異なるものだということも知りました。まるでケーキ屋さんの店頭にたくさんの新作ケーキが並べられている感じです。いかにも美味しそうな色をして輝いています。これって、きっとケーキ職人の新作づくりの参考になるんじゃないかと思います。
 昆虫ではありませんが、オーストリアにいるメリディオナリスシロアリのつくった塚が大平原に立ち並んでいる写真は不気味です。西洋の墓地、今でいうと、イラクで戦死したアメリカ兵の墓地を連想させます。
 よくぞ、これだけの写真を撮って公開していただきました。感謝感激です。ありがとうございました。これからも身の危険には十分用心して、頑張っていい写真を撮って公表してくださいね。
 久しぶりに湯布院の温泉につかってきました。初日は小雨模様のなか、夕方、金鱗湖あたりを歩いたのですが、観光客の中にハングルや中国語を話している人の多さに驚きました。
 2日目は雨も上がって、青空の見えるなかを歩きました。小さな美術館がいくつもあるのは湯布院の良さですね。依然として変に俗化していないので、とてもいい雰囲気です。お昼を金鱗湖に面したレストランで、湖の先の山々を見ながら、美味しくいただきました。由布岳の頂上は、白く霧氷で覆われていて、浩然の気を大いに養うことができました。
(2008年7月刊。3600円+税)

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