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カテゴリー: 人間

健腸生活のススメ

カテゴリー:人間

著者:辨野 義巳、 発行:日経プレミアシリーズ
 私と同じ団塊世代の著者の本です。大腸は大切だと、ストレス性の便秘・下痢に悩まされたことのある私も思います。
 日本人のがんは、かつては胃がんが多かったが、最近は大腸がんが急増している。とくに女性では1位になっている。
 大腸がんは、腸内の悪玉菌が便から発がん物質をつくったり、二次胆汁酸によってがん化が促進されることが分かっている。
大腸は第二の脳と呼ばれるように、大変重要な臓器で、あらゆる病気の発信源である。女性はストレスが加わると便秘するが、男性は逆に下痢をする。
 肉を食べるときは、三倍の野菜を食べろ。
 人間の乾燥した便には、6000億から1兆個の細菌がいる。500〜1000種類。大腸内に棲息する腸内細菌の総重量は1〜1.5キロ。大便の3分の1は生きた腸内細菌である。便秘によって便が大腸に長時間たまると、腸内細菌が産出した物質が大腸に直接働きかけて、大腸がんや大腸ポリープ、大腸カタル症、急性大腸炎などを起こす原因となる。
 アルツハイマー病と認知症の患者は、共通してウンチがとても臭い。それは、悪玉菌のクロストリジウム・バーフィリンゲンス菌が多いから。高齢者のウンチが臭いのも同じ原因。
 便秘しないためには、ヨーグルトをたくさん飲むのがいいようです。さらに花粉症を予防するのにも効果があるとのこと。2年前から急に花粉症に悩まされるようになった私には耳よりの話です。この本を読んで、特保のヨーグルトを買って食べています。といっても、やはり何か月、いえ、何年も続けないといけないのですよね。
便所は、たんに便器のある場所ではなく、身体からのお便りを受けるところ、すなわち、お便り所なのだ。他人にみせるものでなくても、自分だけはしっかり手紙を読み取ろう。そして病気の発信源の状態を確認しよう。うむむ、な、なーるほど、ですね。毎朝、しっかり自分のウンチを確認することにしましょう。 
日曜日にチューリップの球根を200個ほど庭に植え付けました。雨がポツポツ降っていましたので、ひどく降り出す前に少しでも多く植えようと思い、シャベルをしっかり握って、焦っていると、右手の親指の付け根に豆ができ、やがてつぶれてしまいました。
結局、雨はひどくなりませんでしたので、続いて花の終った芙蓉の木を根元から切ってしまいました。毎年のことです。芙蓉とエンゼルストランペットは、根元から切ってしまうと、翌年また大きく枝が伸びて見事な花を咲かせてくれます。よく切れない剪定バサミを使いましたので、腕が痛くなってしまいました。
 いぜんとして、両膝に痛みがあります。少ししびれ感もあるので、もう一度病院に行かないといけないかなと思っています。としを取ると、いろいろ体に支障が来るものですね。
(2008年7月刊。850円+税)

なにがスゴイか?万能細胞

カテゴリー:人間

著者:中西 貴之、 発行:技術評論社
 人間の身体は、およそ200種類の細胞でできている。皮膚や筋肉・内臓などは、その臓器専用の細胞が集まってできている。
 ところが、受精卵にまでさかのぼると、身体を構成しているすべての種類の細胞はたった一個の受精卵が細胞分裂してできたものである。そして、今や皮膚などの、既に万能性を失ってしまった細胞を初期化する方法が存在することが発見された。取り出された皮膚などの細胞から、その技術を応用して臓器細胞を作り出すことが可能になりつつある。
 脳細胞でさえ、幹細胞が存在し、記憶や学習にともなって神経細胞が誕生していることが判明している。
1996年に誕生したクローン羊「ドリー」は、世界初の体細胞クローン哺乳類であった。これによって、遺伝子も初期化できる可能性のあることが示された。
 赤血球の消耗はすさまじく、造血幹細胞は毎日1000〜5000億個もの赤血球を作っている。うひゃあ、こ、これって、あまりにもすごい数ですよね。信じられません。まさしく人間の身体の神秘です。
 今では、哺乳類もふくめて、神経系は再生することができることが判明している。たとえば、脳のニューロンが損傷を受けたときには、神経幹細胞が活躍して、その損失を補おうとする。
 この万能細胞が病気の治癒にも活躍し始めているようですが、下手に扱うと、生命を人間が勝手にいじくり回して変な奇形の身体ができる心配もあるのではないでしょうか。また、営利主義で運用されるのも困りますよね。それはともかく、カラーで、たくさんの絵ときがなされていますので、なんとなく人体の不思議が分かった気にさせてくれる本です。
 10月の連休は、久しぶりに庭の手入れをしました。このところクモの巣だらけになっています。いつもより多いのは、旅行が続いて手入れを怠ったからでしょうか。黄金グモなどにゴメンヨと声をかけてクモの巣を払い落としました。ヒマワリが終わりましたので、根っこから掘り起こしました。今またエンゼルストランペットの黄色い花がさかりです。
チューリップの球根を植えるため、コンポストに入れておいて枯葉などを埋め込みます。畳一枚分を彫り上げると、ふっと思わず嘆息を漏らすほどの重労働です。陽が落ちると、ずぐに夕暮れになってしまいます。初夏の頃は夕方7時すぎまで明るかったのに、今では6時半には夕闇に包まれてしまいます。右膝の痛いのは、この庭仕事のせいだと思いますが、なんとか暗くなる前に畳一枚半分のチューリップ畑を確保することができました。これからチューリップの球根を植えていきます。
(2008年7月刊。1580円+税)

がん、最良の治療選択

カテゴリー:人間

渡辺 亨  エビデンス社
  胃ガンになっていったんは治癒したものの、何年かして転移した肺ガンで父を亡くした私にとって、やはりがんは気になる病気です。
 この本を読むと、がんが今や決して不治の病ではないことを実感します。あのエイズ(HIV)も治療薬の開発が進み、今では40年生存も可能になってきているという記事が先日の新聞に載っていました。40年生存といったら、私なんか100歳にもなってしまいます。そんな高望みなど決して致しません。年に一回は海外旅行(できたらフランスへ)できるほどの身体と経済事情が保持できたら、と思います。
 乳ガンの10年生存率は75%で、比較的治りやすい。ただ、10年を超えても再発することがある。再発・転移したがんは治ることがない。ただ、悪性度が低いときには、薬でコントロールしやすい。ホルモン剤だけでがんをコントロールすることが出来る。乳がんが再発・転移したときは、残念ながら完治させるのは非常に困難だ。
 がんの進行や再発に伴い、血液中の特殊なたんぱく質の量が増えることがあり、これを進行や治療効果を知る目安として利用するのが腫瘍マーカーである。血液を採るだけで簡単に検査できるため、広く実施されている。ただし、腫瘍マーカーはがん細胞が増えていなくても高い数値が出たり、数値が低くても進行しているときもあるので、万能ではない。とくに早期発見にはほとんど役立たない。
 煙草によるがん発生の危険率は、1日の平均本数×喫煙年数で表す。これが400以上なら危険群で、600以上なら高危険群だ。
 煙草は、肺がんだけでなく、咽頭がん、食道がん、膀胱がん、腎がん、膵がんなどの発生に関与している。煙草をなくせたら、がん患者を毎年9万人減らせる。禁煙して10年たつと、もともと煙草を吸わない人に近い危険率に戻る。
 肺がん死亡率は、喫煙者は非喫煙者の4.5倍。喫煙者は手術後に肺炎などの合併症を起こしやすい。せきやたんが1ヶ月以上も続くときは、肺がんの疑いがある。
 血の混じっている血たんが出たら要注意。血たんの出た人の10人に1人は肺がんとみられる。せき、たん、血たんの段階で見つかった肺がんは、比較的進行速度が早いものの、治る可能性は十分にある。
日本では、毎年1万人以上が食道がんにかかる。その頻度は胃がんの8分の1だが、50歳代以降、年を取るにつれ急激に増加する。アルコールや熱い食べ物、飲料が食堂粘膜を傷つけることによる。毎日飲酒している人が食道がんになるリスクは、飲まない人に比べて2倍以上も高い。飲酒量が増えるほど、リスクも高くなる傾向がある。アルコールを飲まず、煙草も吸わない人が食道がんになることはとてもまれなこと。
 食道がんの初期症状として代表的なものは、食べ物を飲み込んだとき、胸の奥がチクチク痛んだり、しみるように感じるということ。食道がんの手術は、しばしば後遺症を伴う。しかも、一般に予後が悪い。
 子宮筋腫は、子宮に出来る腫瘍の中でもっとも頻度の高い良性の腫瘍である。40歳代の女性の3分の1は筋腫を持っている。
 今や、がんの診断を患者本人に説明するのは当たり前の時代である。告知は、「がん」という病名を伝えるだけでなく、病気の状態やその後の経過などをどのように告知するか、その後の経過などは自分の生死に関わる治療選択を自分自身で行うことができるようになる。
 腎臓がんには抗がん剤の治療効果はあまり期待できない。全身療法の免疫療法が主体となる。インターフェロンの自己注射は保険が効いて、3割負担でも月7万円ほどの自己負担となる。
 がんの治療法もどんどん進化しているようです。今後とも大いに研究を進めて欲しいと思います。
 ニースでは毎日、雨の心配をしたことがありません。エクサンプロヴァンスでも、夏に雨が降るなんて考えたことがありません。それでも、町のあちこちに泉があり、とうとうと水が流れています。そのすぐ側で食事できるところがいくつもあります。ところが、今回、アヴィニヨンで一晩激しく雨が降りました。あわててベトナム料理の店に入り、珍しく室内で食事をとりました。アルルとカルカッソンヌでも通り雨にあいました。ただし、いずれもやがて晴れ上がり、雨が降ったなんて嘘のようでした。夏の南フランスを旅行するのが楽しい理由に、雨が降らないこと、夜9時まで昼間のように明るいことが上げられます。一日がとても長いのです。傘の心配をせずに自由に歩きまわれるって、楽しいですよ。
(2008年5月刊。740円+税)

イチローの脳を科学する

カテゴリー:人間

著者:西野仁雄、出版社:幻冬舎新書
 7月末にイチロー選手が日米通算安打3000本を達成したというニュースが大きく報じられていました。すごい記録のようです。
 私はテレビを見ませんし、見るスポーツは、野球も相撲も、もちろんサッカーにも、まったく関心がありませんので、イチロー選手の活躍状況をナマで見たことはありません。でも、すごい選手らしいというのは、活字を通して知っています。この本は、そのイチロー選手のすごさを脳の働きから迫り、解明しています。なるほど、すごい選手だと思いました。
 イチロー選手のすごさは高校時代に始まります。高校での通算打率は5割を超え、本塁打も19本放ち、三振はたったの3回だけ。
 1994年から2000年まで、イチローは7年のあいだ、パリーグで連続首位打者を獲得した。アメリカのメジャーリーグに移ってからも、1年目から242本の安打を放って首位打者となり、新人王とMVPに選ばれた。2004年には、262本という年間最多安打の世界記録を打ち立てた。
 イチローの特色は、非常に体の反応がよく、内外角高低の変化、直球・変化球に対して柔軟に対応できること。ピッチャーマウンドからホームプレートまでの距離は18メートルあまり、時速150キロだと、球は0.44秒でバッターの手元まで来る。イチローは、この2分の1秒以下のあいだに、内外角、高低直球・変化球を見きわめ、バットを振ることができる。うむむ、すごいですね。
 野球選手は、肩胛骨と股関節の連鎖の動きが大切。この動きがスムースだと、たとえ姿勢を崩しても、それなりの対応ができる。
 イチローは、自分の愛用する野球道具であるバット、グラブ、スパイクを入念に手入れすることでも有名だ。遠征に出かけるとき、イチローは、自分専用の枕、電動の足もみ器を持参する。そして、昼食は毎日、奥様の手づくりカレーライスを食べる。
 イチローは、かたくなに規則正しく、きちっと決まった手順で、準備し、ベストの条件になるように心がける。イチローの几帳面さ、一徹さを示している。
 イチローは小学生のころから、1年365日、1日に7、8ゲームの球、合計250球をバッティング・センターで打ち込んでいた。うへーっ、す、すごいですね、これって。
 時速150キロの球を、中学3年生のときに、イチローは打てた。そして、ストライクではないボール球は絶対に打たないようにしていた。ひゃあ、これは、すごーい。
 自分の意思で自主的に運動することが、脳の活性化に大きく影響している。
? 運動を自主的にすると、ドーパミン神経系が活性化する。
? ドーパミンが放出されると、神経幹細胞が活性化する。
? 70〜80歳になっても、脳の中には神経幹細胞が存在している。
? 脳の活性化には、幼少期はもちろん、年をとってからも、何ごとも積極的な気持ちで、前向きに行動するのが大切。
 日本人がアメリカで野球をやろうと思ったら、何より大切なことは、自分で自分を教育できること。
 これはイチローの言葉です。
 物事を一歩はなれたところ客観的に観察し、全体像を冷静に感じとる能力にイチローは長(た)けている。さすがは、イチローです。
(2008年3月刊。720円+税)

腸内環境学のすすめ

カテゴリー:人間

著者:辨野義己、出版社:岩波科学ライブラリー
 著者の名前は読みにくいですよね。ところが、その自己紹介の言葉を聞くと、すぐに分かります。
 便(べん)の研究をしている辨野(べんの)です。
 うひゃあ、本当なんです。人間のウンチ(便)の研究を長いあいだしてきた学者による画期的な本です。なにがすごいといっても、自分の便(ウンチ)を毎年とって大事に保存しているというのです。その数、なんと5000検体。うち200サンプルを容器に入れて凍結保存している。
 こうやってヒトの腸内常在菌の研究をうまずたゆまずしてくれている学者のおかげで、特別のヨーグルトが商品として売れ、企業として成り立っているのです。いやあ、お疲れさま、としか言いようがありません。私と同世代の学者の苦労話でもあります。
 これまでに種類が解明された腸内常在菌は、腸の中にいる菌全体のわずか2割ほど。残りの8割は、その種類も機能も分かっていない。
 人間の身体のなかで病気の種類が一番多いのは、大腸である。大腸は、人間に病気の発生を知らせる発信源である。
 小腸は6〜7メートル、大腸は1〜1.5メートル。ウンチ(便)をつくるのに重要なはたらきをするのは、大腸にすみつく腸内常在菌だ。腸内常在菌は、全部で1000種類以上いて、糞便1グラムにつき1兆個ほどもいる。重量にして1キログラムにもなる。
 腸内常在菌のうち、善玉菌が2、悪玉菌が1、残りの7割が、どっちでもない日和見菌。日和見菌は、その名のとおり、善玉か悪玉のどちらかが優位になると、すぐに強いほうになびく。そして、この日和見菌が善か悪のどちらになびくかによって、大腸の働きが変わる。したがって、健康を考えるうえで大切なことは、腸内環境の中で、いかに善玉菌の優位を保つか、ということ。
 花粉症に悩まされているヒトも、BB536入りのヨーグルトを毎日食べていると、すっかり症状が軽くなるという実例がある。そうなんですか、本当なんでしょうね。
 実は、私も3年前から花粉症に悩まされているのですが(5年初めから、すっかり良くなりました・・・)、幸いにも自然に感じなくなりました。
 今や、健康の秘訣は、腸内常在菌にあり、とさえ言われる。
 私は、ともかく便秘にならないように気をつけています。弁護士になって2年目でしたが、緊張のあまりに神経症から、下痢と便秘をくり返すようになりました。下痢症状もつらいのですが、便秘もまた、それに劣らずお腹がはって苦しいものです。
 牛乳やヨーグルトが見直されている今日、大いに注目していい研究分野ではないでしょうか。ありがとうございます。
 日曜日に仏検(一級)を受験しました。今回は最悪で、我ながら厭になるほど全然できませんでした。ひどいものです。3割もとれたでしょうか。私の得意とする書き取りまで、みるも無惨でした。聞きとれないし、書けないのです。まあ、それでも8月のフランス旅行を楽しみに、毎朝、ラジオ講座は聴いているのですけれど・・・。
(2008年4月刊。1200円+税)

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