著者:森本達雄、出版社:中央新書
中国とならんで、世界最大人口を擁するインドは私にとって興味津々の反面、伝え聞く雑踏のすさまじさなどから敬遠したくもある国です。そのインドで人口の80%以上が信じているヒンドゥー教について、日本人向けに分かりやすく書かれた解説本です。
読書三昧は私の理想とするところですが、この三昧(さんまい)という言葉はヒンディー語の「サマーディ」から来ているそうです。サマーディとは、「最高我への深い精神集中」「瞑想による心の統一・安定」を意味する語です(ほかに、三昧と同じく、墓地という意味もあります)。
ヒンドゥー教最高の聖典といわれる『バガヴァッド・ギーター』(主神の歌)には、
たとい極悪人であっても、ひたすら私を信愛するならば、彼はまさしく善人であるとみなされるべきである。彼は正しく決意した人であるから。
という文章があります。親鸞が『歎異抄』も「善人なをもて住生をとぐ、いはんや悪人をや」というのと同じ思想ではないでしょうか。
宗教のことは深くは分かりませんが、真理を究めた達人の言葉には本当に含蓄があります。
2004年1月1日


