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歌舞伎町ドリーム

カテゴリー:未分類

著者:世川行介、出版社:新潮社
 2002年末の時点で、日本にいるオーバーステイは22万人ほど。男女半々。一番多いのが韓国人で4万9000人。次にフィリピン人と中国人で、それぞれ3万人。
 ホスト稼業でナンバーワンをしていた男性の告白に心が揺さぶられました。
 ボクはホスト生活の中で、いや、それ以前から、肉体というものをナメてかかっていた。セックスなんて、なんぼのもんや、みたいに・・・。だけど、大間違いだった。人間にとって肉体ってものは、かけがえのない大切なものだった。ボクは、ナメた肉体に思いっきり復讐されてしまった。女を愛するといっても、何百人もの男たちにお金で抱かれた女の肉体を愛するってのは、口で言うほど簡単にはいかない。あれは無限地獄の世界なんだ。
 新宿歌舞伎町にうごめくヤクザや水商売の女性たちのホンネが語られています。まるでアナザーワールドのようですが、日本社会の現実がここにあると思うと、ゾクゾクッと身震いしてしまいました。

3分以内に話はまとめなさい

カテゴリー:未分類

著者:高井伸夫、出版社:かんき出版
 3分間でスピーチを頼まれることが、たまにあります。でも、さすがに1分間スピーチを20人ほどの国会議員を前でするように頼まれたときには緊張しました。このときには、話の要点のみをメモにして、原稿なしで本番にのぞみました。あとで「さっきは良かったよ」とお世辞を言ってくれる人がいてホッとしたものです。
 筆者は前もって原稿をつくらないそうですが、私は原則として原稿をつくります。もちろん、要点のみのときも多いのですが・・・。
 話し上手になるには、まず聞き上手になること。断定的口調、攻撃的口調を改め、ソフトな話し方に徹する。相手の心に残るためには、出だしをゆっくり話し始める。上手に話をするためには、映像による記憶収録と再生の訓練をするのがよい。
 役に立ち、考えさせられる本でした。

森に生きる人

カテゴリー:未分類

著者:寺嶋秀明、出版社:小峰書店
 コンゴ民主共和国の北側の大森林に住むピグミーの生活を伝える本です。
 ピグミーの人口は全部あわせても20万人。ピグミーは、体が小さく、肌の色は淡い黒色。丸顔で、くりくりした目をしていて、手足がちょっと短い。狩猟と採集の生活です。たとえばゾウをしとめたときには、人々は鍋とナイフだけをもって殺されたゾウのいるところまで引っ越していきます。そこでキャンプをつくって、1週間以上も祝宴を催すのです。
 ピグミーは森の蜂蜜とヤムイモさえあれば、それだけで生きていけます。植物性の食物は必要なだけ食べる。肉は食べられるだけ食べる。肉はおかずだけでなく、心も満たしてくれる。ピグミーたちは明日のことは心配しない。必要以上にとったり、貯めたりしないので、余分に働く必要もない。だから余暇もたっぷりある。たいてい、食物集めには、半日も働いたら、それで十分。
 食物を分かちあうこと、権力者をつくらないことが、狩猟採集民のキャンプ生活でもっとも大切なことであり、みんなが仲良く暮らすための秘訣になっている。ピグミーにとって財産とは、背中のカゴに全部入ってしまうほどのものでしかない。
 ピグミーは、目印のない森の中でもぜったい迷わない。方向感覚がすぐれている。ただし、夜には、それもあたらない。アフリカの熱帯雨林で心おだやかに毎日を暮らしているピグミーには、私たちも学ぶところ大のようです。

めざせロースクール、めざせ弁護士

カテゴリー:未分類

著者:宮澤節生、出版社:阪急コミュニケーションズ
 私が受けた30年前の司法試験受験生は2万人でした。うち500人が合格。2003年は出願者が5万人をこえました。2002年の受験者は4万1459人。合格者は1183人です。今年の合格者は1500人ですから、私のときの3倍です。それでも、5万人の受験生ですから、合格率はともかくとして、実質的には昔より難しくなっていると思います。受験者が多いということは、それだけ優秀な人が受けるようになったことを意味しているからです。
 金もうけがしたかったら弁護士はやるべきでない。有名な久保利英明弁護士がこう言っています。日本有数の高額所得者である弁護士が言うのですから、間違いありません。私もそう思います。ビジネスと割り切る人にとって、弁護士は手間ヒマのみを考えたら決して割のある仕事ではないのです。
 この本には、ニューヨークにある500億円もする高層ビルの売買や1機200億円のジャンボジェット機のリースを扱う弁護士の話も出てきます。九州の片田舎で仕事をしている私のような弁護士にとってはまるで別世界の話です。でも、そんな巨額の事件を扱わなくても、人それぞれです。やり甲斐のある事件は片田舎にもたくさんあります。私は、地道に人権と民主主義を大切にする弁護士として活動していくつもりです。

フセイン・イラク政権の支配構造

カテゴリー:未分類

著者:酒井啓子、出版社:岩波書店
 アメリカ軍によってアッという間に見事に瓦解させられたフセイン政権の実体を歴史を追って丹念に探っていった本です。いろいろ学ばされました。
 サダム・フセインがイラクのクーデター(1968年)で革命指導評議会(RCC)の副議長になったのは32歳のとき。それ以来35年間もイラクを支配し続けたわけです。
 イラクでは内閣の占める政治的意味はそれほど大きくなかった。重要な政治決定は大統領やバース党の幹部によってなされていた。
 人口の7割以上を占めるシーア派が疎外されていたのは、オスマン帝国がスンニー派を国教としていたことに起因する。軍におけるスンニー派三角地帯からの登用は、いわば王政期以来の伝統である。スンニー派三角地帯の出身者は軍への登用を通じて政治進出を強めていったのである。
 フセイン政権下では、地方行政関係(とりわけ南部と北部)の職歴をもつ人間と、大統領と個人的にパトロン・クライアント的な関係を取り結んだ人物の登用が増えた。
 イラク国民議会の選挙権は18歳以上の成年男女であるが、立候補は25歳以上となっている。しかも、立候補資格として、1968年革命への支持に加えて、読み書き可能およびイラン・イラク戦争の意義を確信することが求められている。そのうえ、立候補者のプロフィールとして、本人、祖父という人の名前とともに一族名(ラカブ)を記載することになっている(その前はラカブの使用は禁止されていた)。
 現代イラクの社会構造の特徴のひとつは、人口の多くが都市に集中していること。総人口の70%以上が都市部に集中している。たとえば、バクダットは、19世紀の前半にはわずか人口2万7000人でしかなかった。1947年に人口50万人だった。ところが1977年には260万人。それが1992年に400万人、今では500万人と言われている。この3分の1はシーア派とみられている。
 バース党は、国家と個人の中間にある「社会」を解体し、既存の共同体を国家や党の支配機構と入れ替えようと試みた。しかし、実際には、党や国家はそうした代替物を社会に布置することに成功したわけではない。党の大衆組織や末端組織は、既存の共同体の崩壊から放出された「個化」された個人を吸収することができなかった。そこで重要となったのが、フセインと「個化」された個人との間に直接結ばれる関係性である。「大統領の朋友」という制度が1984年に始まった。対イラン戦争に貢献し、武勲賞を3回以上得た国民に対して称号を与え、進学や昇進などで特権を付与する。いわば権力と富の源泉であるフセインという存在にいかに直接アクセスできるかという点に力点をおいて、社会ネットワークの再編が図られた。バース党政権は、イスラムや部族紐帯にもとづく伝統的社会意識の形骸を、国家統治の一部に取りこみ、フセインを核においた忠誠ネットワークを補完するために利用していった。
 サマーワに自衛隊が基地をつくっていますが、頼りにしている部族にどれだけの力が本当にあるのか。もしあるとして、それは法外な金銭的要求をもたらすものではないかとの指摘がなされています。果たして日本政府はイラクの地方における支配構造の実体をどれほど把握しているのでしょうか・・・。私は、大いに心配です。

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