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鉄槌

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著者:いしかわじゅん、出版社:角川文庫
 弁護士には耳の痛くなる本です。漫画家の著者がスキーに出かけ、夜行バスで帰ろうとしたとき、トイレに行って戻ったら、なんと寒風吹きすさぶ夜空のなかバスに置き去りにされてしまっていました。その悔しさと怒りを漫画で表現したところ、バス会社から名誉毀損として100万円の賠償を求める裁判を起こされてしまいました。もちろん、著者も弁護士に頼んで応訴します。そのときの着手金がなんと200万円。えっ、と驚いてしまいます。そんなー・・・。
 著者は、弁護士費用というのは吹っかけられるものだとは知らなかった、実は、弁護士費用も交渉で決まるものだと書いています。えっ・・・。今では、弁護士会の標準となる報酬規定が廃止されていますので、こういうことも、お互いに納得づくであればありうるわけですが、当時は弁護士会の報酬規定があったわけですから、とても信じられません。
 しかも、著者によれば、弁護士と会って打ち合せをしたのは1回のみ。あとは、FAXと電話でのやりとりだったというのです。これまた信じられません。もっとも、はじめの弁護士(実名で登場します)は懲戒処分を受け、あとで弁護士登録を抹消しているそうです。ただし、それを引き継いだ弁護士は、そのようなことを何も説明していません。
 そして、和解交渉に至ります。本人との打合せなしに和解交渉するというのも信じがたいところです。裁判の記録についても、きちんと本人は渡されていなかったようです。ひどい弁護士がいるものだと思います。
 著者は、さらに、弁護士の文章のまずさ、拙劣さを厳しく糾弾しています。日本語になっていないというのです。難関の司法試験を合格し、文章を武器としてたたかっている人たちとはとても思えない、そうこきおろしています。関係者がほとんど実名で出てきます。こんなことを書かれたくないと思いつつ、胸に手をあてながら最後まで一気に読んでしまいました。

ケイタイを持ったサル

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著者:正高信男、出版社:中公新書
 わが家に夫婦ゲンカをもたらした問題の本です。男女ともに、30歳になるまで子をもつ心の準備ができていない。100年前の日本と比べて、精神的な意味で大人になるのに倍の年月を要するようになった。このくだりがケンカのきっかけです。
 わが家にも親離れのできていない(と思われる)子どもがいます。その責任が、母親にあるのか、父親にあるのかでケンカになってしまったというわけです。
 「ケータイ族」は、仲間への信頼にもとづいた社会関係を築けない。本当は自立してもおかしくない年ごろであるにもかかわらず、まだ親に頼らなくては何もできないと思いこむことで、「だから私が・・・してあげなくてはいけないんだ」と自らの行為を正当化しつつ、モノを次々と買い与えるなかで、子の信頼をつなぎとめようとする。そこには、子どもを信じられない親がいる。
 父親である私にも耳の痛い指摘でありました。わが子たちよ、一刻も早く、まず経済的に自立してくれたまえ。

チェチェンで何が起こっているのか

カテゴリー:未分類

著者:林克明、出版社:高文研
 チェチェン共和国は広さは岩手県ほどしかない小さな国です。人口も100万人足らず。そこへロシアは10万人もの軍隊を進駐させています。そして、モスクワではチェチェン・マフィアが猛威をふるっているというのです。どうして、そんなことが起きているのか。この本は、その背景を考える材料を与えてくれます。
 それは石油と石油パイプラインという利権をめぐる争いが根本にあるようです。それにしても、モスクワ劇場占拠事件といい、地下鉄爆破事件といい、どうしてこんなにロシアにはテロが相次ぐのでしょうか。それは、チェチェン共和国それ自体がロシア軍による野蛮なテロ行為で危機に瀕しているからです。まさしく、暴力の連鎖では何ごとも解決しないのです。

虚妄の成果主義

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著者:高橋伸夫、出版社:日経BP社
 東大出身でない東大教授の方が、なんだか大胆にいいたいことを言っているという気がします。どうなんでしょうか?
 経営組織論の専門家である著者は、日本型年功制度の復活を長年にわたって強力に主張してきました。成果主義は有害無益だというのです。私も、まったく同感です。リストラ万能、人減らし論がもてはやされている今どき、珍しいくらいに小気味のいい主張です。なんといっても、人間はお金だけで仕事をするのではないんです。
 日本型の人事システムの本質は、給料で報いるのではなく、次の仕事の内容で報いるシステムだということ。従業員の生活を守り、従業員の働きに対しては、仕事の内容と面白さで報いる。本来、人は面白いから仕事をするのだ。成果主義とは、差をつけるのにお金ばかりかかるが、あまり効果の上がらないシステムだ。
 著者が東大生に教えさとす、次の言葉には大変共感しました。
 自分だけが上から評価されたいと願い、部下や後輩を踏み台にして自分だけが出世していこうとするような人は、やがて自らも淘汰されていく。最初は調子がいいように見えていた目上からの受けがいい人は、目上の人が減るにつれて次第に力を失っていき、自然とその地位も失うことになる。けだし至言だと思いました。

人生にツキを呼ぶ黄金の1日2食

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著者:佐藤富雄、出版社:講談社
 人生で大切なのは心のあり方だ。これに気づいたときが吉日だ。さあ、やってみよう。「人生、これからが黄金期」これを口ぐせにしよう。これで未来はどんどん開かれていく。
 ウソかマコトか、ともかくやって損はしない。1日2食主義を半年以上も実践している私には、またまたうれしくなる本だ。2食といっても、1日の摂取カロリーを変えないまま2食にするのでは逆効果。朝食分のカロリーをまるごと抜いてしまうのだ。
 でも、朝ごはんを食べないともたないでしょ?そんなことはない。まったくの幻想だ。著者は自信をもって断言する。ほんと、そうなんだよなー・・・。
 ところで、1日2食を実践している著者は、なんと午前3時に起きる。夜10時に就寝しているから、睡眠時間は5時間。これで十分だという。そして、朝食を抜くかわりに、なんと、朝のジョギングのあと、ビールを小瓶1本飲む。明治はじめ、ビールが日本に伝来してきたとき、ビールは薬として薬局で売られていた(ホント?)。これくらいビールは薬なのだ。希望にまさる妙薬はなし。楽天思考は百薬の長。
 いずれも本当にいい言葉だ。

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