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名犬チロリ

カテゴリー:未分類

著者:大木トオル、出版社:マガジンハウス
 セラピードッグの話です。写真に見るチロリは、いかにも慈愛にみちた優しさあふれる眼をしています。ところが、なんと、チロリは人間にいじめ抜かれて、あやうく「保護センター」に捕まって殺される寸前だった犬なのです。そんなメス犬がセラピードッグへ転身していくあたりは、犬好きの私としては涙をおさえることができませんでした。
 チロリはセラピードッグとして訓練され、見事に役立ちます。病室で寝たきり患者に寄り添うチロリの優しい表情を見ると、なるほどセラピードッグって人に役に立つんだなと思わせます。
 ただ、いじめられ飢えていた体験をもつ犬だけに、つい食い意地をはってしまう地が出るという場面には笑わされてしまいました。
 古く何十万年ものあいだ人類の友として関わってきた犬たちです。セラピードッグによって心がいやされる人がいるのは間違いありません。

われらの悲しみを平和への一歩に

カテゴリー:未分類

著者:ピースフル・トゥモロウズ、出版社:岩波書店
 9.11犠牲者の家族(遺族)の手記を集めた本です。あの、いかにも「好戦的」なアメリカに、こんなに理性的なアメリカ人がいたのかということを知って、私は正直いって驚きましたし、自然に頭が下がりました。身内がテロリストに殺されたのに、テロリストへの報復攻撃はまずいと声を出して訴えた、というのです。すごい勇気だと思います。
 日本人「人質」問題のときの「自己責任論」の無責任な横行からは考えられないような事態です。テロリストによる攻撃への軍事的報復は、より多くのアメリカ市民の命を危険にさらすことにならないか。テロリズムは社会的・経済的状況から生まれる。アメリカは、9.11に経験した暴力的行為に必要な憎しみと過激主義を育てる状況をこそ防止すべき。
 テロリズムの根本原因を問題にしないで、テロリストだけを問題としている。暴力的犯罪に対する暴力的報復は、結局、暴力の悪循環を強めるのだ。暴力的行為は、唯一の選択肢でないばかりでなく、さまざまな落とし穴と偽善にみちた選択肢だ。
 日本の自衛隊が多国籍軍の一員として、海外で、ついに本格的な武力行使をしようという事態を迎えています。とんでもないことです。小泉首相の暴走を許してはいけません。平和こそ私たちの毎日の不可欠の前提なのですから・・・。

素顔のスペシャル・フォース

カテゴリー:未分類

下、著者:トム・クランシー、出版社:東洋書林
 アメリカ軍の特殊部隊についての取材ルポです。「戦場におけるマスコミ」というのが陸軍全体のプログラムになっています。ベトナム戦争でマスコミが「自由に」報道したことから戦場の真実が報道されてベトナム戦争に反対する世論が高まっていった「失敗」の教訓にアメリカ軍は学んでいるのです。戦場にいる兵士たちにマスコミに応対する準備をさせるよう計画されたものです。レポーターをうまく扱うのは、兵士にとって戦闘ほどではないにしても、重要な意味をもつ。軍隊はCNN効果(何かが起きれば、世界中の人々の注目を集める)と対峙しなければならない。これでへまをやらかせば、犠牲は大きい。どんな質問に対しても、冷静に対応する。これを学んでいくのです。
 驚くべきことに、2005年にインドネシアでクーデター勢力がパキスタンから密輸した小型核兵器を爆発させたという前提でのシュミレーションまで紹介されています。被爆国になっていないアメリカには、放射能汚染の恐ろしさが今も全然分かっていないのです。
 特殊部隊といっても、結局は人間が決めるんだ。兵器万能ではない。著者はその点をくり返し強調しています。いくら衛星によるGPS受信機や完全な地図を持っていても、やることが多すぎて疲れた人間の失敗を克服することはできない。なるほど・・・です。

今やらんとあかんのや

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著者:岡本健、出版社:PHP研究所
 裁判官をやめて料理人になった人がいるという話は聞いていました。大阪に、とんでもない変人がいるという話でした。大阪高裁の刑事部の裁判長が定年(65歳)を待たずに、60歳で裁判官を辞め、弁護士ではなく、小料理屋の店主になったのです。それも、元の職場のすぐ近くに店を構えての再出発です。
 この本を読むと、著者の真面目な、どちらかというと融通の利かない人柄がよく分かります(もちろん、私は会ったことのない人ですので、想像でしかありませんが・・・)。
 父親は弁護士でした。著者は妻とうまくいかず、20年も別居生活でした。その間、2人の子どもを育てあげたというのですから、えらいものです。裁判官を辞めて料理学校に通い、調理学校では卒業生のトップ賞であるゴールデンアカデミー賞をもらっています。20歳前後の著者にまじって初歩から謙虚に学ぶ姿勢が高く評価されたのです。
 店を開くまでに投資したのは2600万円といいます。今は客も減って赤字のようです。それでも、第2の人生を明るく前向きに生きている様子が爽快感を与えてくれます。規則正しい生活を習慣づけているというのは私もやっていることですが、何かをやろうとするときには不可欠です。睡眠時間は平日は3〜4時間といいます。それでも、朝はすっきり目が覚め希望にみちた気持ちで起床できるのです。寝ているのはもったいないという気持ちなのです。私も同じです(ただし、私の睡眠時間は7時間です)。あれもしたい、これもしたいと思うと、布団のなかにぐずぐずなんかしておれません。
 ゲーテの言葉に、人間は努力する間は迷うものだというのがあるそうです(『ファウスト』)。いい言葉ですね。本当に、そのとおりですよね・・・。

歴史のなかの新撰組

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著者:宮地正人、出版社:岩波書店
 本当に知らないってことは恐ろしいことなんですよね。私は、新撰組なんて単なる野蛮な人殺し集団であり、近藤勇って、知性のカケラもなく、保守思想にこり固まっただけの頑愚な男だから、偽名をつかって逃亡中に流山で捕まって首をはねられたのも身から出たサビだと思いこんでいました。
 この本を読んで、私の思いこみが完全に間違っていたことを思い知らされました。小説レベルで歴史をみてはいけないのですね。うーん、なるほど・・・。近藤勇は単なる暴力集団の親分ではなく、社会を見る目をもち、理論的にも一貫した主張をしたので、一橋慶喜などから絶大な信頼を得ていた存在だったのです。そして新撰組は、江戸末期、武士が頼りにならなくなった現実をふまえて、豪農層や中農上層部から剣客が続々と輩出していましたが、彼らによって構成されていた剣客集団なのです。しかも、情報収集能力にすぐれていました。闘い方にしても、やみくもに無謀な一騎うちなんかではありません。
 新撰組の闘い方は、いつもきちんとした正攻法だ。多人数で囲み、相手を疲労させたうえで殺害する。味方には死者を出さない。新撰組のおかれていた歴史状況がきちんと描かれ、内部矛盾も鋭く分析されています。
 新撰組とは何だったのか、改めて考えさせてくれる本でした。

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