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名将・秋山好古

カテゴリー:未分類

著者:生出寿、出版社:光人社NF文庫
 日露戦争のとき、日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を日本海軍が破ったときに活躍した秋山真之の兄が秋山好古です。同じ日露戦争のとき、陸上の奉天会戦などで騎兵をひきいてロシアのコサック部隊をうち破ったということで名をあげました。
 実は、私の母の異母姉の夫が中村次喜蔵といい、のちに陸軍中将となって敗戦時に満州でピストル自殺しましたが、この人が秋山好古大将の副官をつとめていたことがあるというので、読みました。
 秋山好古は若いころ、4年間もフランスにいてフランス語がペラペラでした。久留米の明善高出身の中村中将も英語が得意でした。秋山好古は司馬遼太郎の『坂の上の雲』にも登場します。日露戦争の大会戦はロシアのクロポトキンの失敗によって辛勝したというのが実態のようですが、このあと日本は勝った、勝ったと浮かれてしまい、あとで手痛いシッペ返しをくらうことになります。

陶磁器の修理うけおいます

カテゴリー:未分類

著者:甲斐美都里、出版社:中央公論新社
 お皿やお茶碗やお人形さんなど、陶磁器が壊れてしまった。さあ、どうする・・・。そんなときの頼もしいお助けマン(いや、ウーマン)がいます。
 修理と修復という言葉に違いがあるというのを初めて知りました。修復は、用途は別にして、壊れた陶磁器の外観を元の状態に戻すこと。修理は、壊れた陶磁器を、外観は別にして、元通り使える状態に戻すこと。つまり、両者はまったく似て非なるものなのです。
 そして欧米では修復が常識です。ですから、元通りに使うことは念頭にありません。ですから、何度でも修復可能な程度にとどめるのが理想形なのです。
 もちろん、日本はそうではありません。修理したものは、一見してそれと分かっても欠損品としての二級品扱いされないどころか、むしろ「格が上がった」「景色がついた」として評価が上がることさえあるのです。この点は、欧米人の常識には絶対にあいません。
 中国映画の『初恋の来た道』(私の絶対のおすすめ映画です。まだ見ていない人はDVDを買って、ぜひ見てください。決して損はしません。見終わったとき、心がホンワカ温まっていること間違いありません)では、お皿の欠けたのを直してくれる行商人が出てきますが、少し前まで、日本でも同じような行商人がいました。
 日本の修理には漆(うるし)と金箔をつかいます。日本で使う金箔はなんと厚さが1万分の1ミリです。手にとってすりこむと肌の中に消えてしまうほどの薄さだそうです。だから、ハケのようなもので扱います。
 なるほど、なるほど、と思いながら読みました。

若者たちに何が起こっているのか

カテゴリー:未分類

著者:中西新太郎、出版社:花伝社
 日本の若者を理解するうえでの必読文献だと思います。私は、何度もなるほど、なるほどとうなずきながら読みました。
 ここ20数年間の社会・文化変動の結果、世代間ギャップが歴史上かつてないほど深くなっている。ギャップの深さが類例をみないほど深いという点は日本社会に特徴的だ。韓国社会が日本社会に近いが、それ以外は、どこの国をみてもこれだけギャップの大きいところはない。35歳から40歳が世代間の大きな区切りとなっている。たとえば「エヴァンゲリオン」の中身が理解できるかどうかで大体区別できる。
 社会的に高い地位を占めるという望みを、70年代後半から80年代以降、日本の若者はもたなくなった。企業社会秩序、会社主義の秩序が動かしがたいものと意識され、かつその秩序のなかでの地位上昇を想像しえなくなったから。
 大学へ行く、専門学校へ行く、高校を出て就職するというのが、すべて3分の1で固定的になっている。1975年前後から変わらない。
 自分もふくめて、人間がなぜこの社会に存在していいのか、あるいは存在する権利があるのか、そもそもそういう自分という存在が自分といえるのはどうしてなのかということが感覚として分からない。これが出発点にあるので、人権が大切だと言っても、お題目、たてまえしか聞こえない。人権は人によって違いがあるという感覚が若い世代だけでなく、日本社会に広がっている。人権とは、人間に等しく与えられた、人間が等しく持っている権利だと思っている人の方が少数になってきている。
 青少年に公共社会の構成員であることを徹底的に断念させ、忌避させる点でも、日本社会はきわだった特質をそなえている。青少年の生活と意識とは、普通の状態では、公的、社会的な意味で無視されていても平気でいられるように方向づけられている。
 日本の若者を理解するのには相当の努力が必要のようです。

客人(ソンニム)

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著者:黄?暎、出版社:岩波書店
 「現代韓国最高の作家」が朝鮮戦争の真実を語った小説です。まさに朝鮮民族の悲劇があますところなく描かれています。
 最近の韓国映画『ブラザーフッド』にも、北朝鮮軍による人民虐殺と捕虜殺害のシーンがありました。あれは歴史的な事実だと思います。しかし、同時に韓国軍の方も、北朝鮮の人々と人民軍捕虜を虐殺しています。
 この本は、これらの事実をきちんとふまえつつ、北朝鮮で人民軍シンパ層を虐殺したのが、キリスト教信者であったことを明らかにしています。「汝の敵を愛せ」ではなく、「敵は殺せ」を実践したのは、熱心なキリスト教徒たちだったのです。
 キリスト教とマルクス主義は、考えてみれば、一つの根から生えた二つの枝であった。
 済州島四・三事件のときに島民虐殺で名をはせた西北(ソブク )青年団はキリスト教徒を主体としていた。
 うーん、キリスト教って、いったいどんな宗教なのか、改めてそのことも考えさせられる小説でした。同じ民族同士、顔見知り同士が、イデオロギーの違いで殺しあった朝鮮戦争の痛手を韓国はまだ克服しきれていないように思えます。

民法編纂と明治維新

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著者:坂本慶一、出版社:悠々社
 現職の裁判官が、明治はじめの日本民法がつくられていく過程を解明している本です。大変分かりやすい本でした。
 日本民法の基礎をなしているのはドイツ法ではなく、フランス法だというのは、私も大学で学んだ気がします。ボワソナードが活躍したことは有名です。それは、江戸時代末期にフランスと徳川幕府が親密な関係にあったうえ、フランスほど日本と似かよった国情と国民性をもつ国はないと考えられていたことによるというのです。初めて知りました。
 ただ、この本が、江戸時代、金銭貸借をめぐる訴訟はあまりなかったかのように書いている(38頁2行)のは間違いだと私は思います。『世事見聞録』をはじめ、江戸の庶民は、相手が武士であろうとなんであろうと、どんどん裁判を起こしていたと
いうのが真実だと思います。
 江藤新平について論じた部分は、なるほど、そうだったのか、うん、そうだろうと思わせるところ大でした。江藤新平は司法卿になり参議になって、民法その他の法律制定に大きく貢献しています。ただ、そのやり方はかなり強引だったようで、数多くの敵をつくってしまったようです。
 江藤新平は国権を重視する考え方で一貫しており、決してラディカルな民主主義者ではなかった。江藤新平は、あくまで尊皇、国権主義者であり、自由民権につながる思想は有して居なかった、と著者は指摘しています。なるほどと思いました。それにしても、江藤を憎んで、「臨時法廷」にのぞんでまで死刑を督励していた大久保利通には呆れてしまいます。まさに、国家権力の不正行使の権化とも言うべき存在です)

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