法律相談センター検索 弁護士検索
アーカイブ

封印される不平等

カテゴリー:未分類

著者:橘木俊詔、出版社:東洋経済新報社
 日本の平等神話が崩壊していることを指摘した本です。
 数億円もする高級マンションがすぐ完成になる一方、駅や公園にはホームレスがあふれています。ところが、もっと競争原理を導入して、なんでも自由に競争させればいいという主張が政府や財界から声高にとなえられています。
 しかし、競争はせいぜい社会全体の2割ほどの人にしか開かれておらず、残る8割は、はじめから競争にアクセスするチャンスが奪われている。8割の人の意欲を無視してしまうということの非効率を忘れてはいけない。
 自由競争を主張している人々は、実は自分が恵まれた環境のなかで上にのしあがってきたのに、それを認めたがらない。それを認めるだけの強さをもっていない。その辛さに耐える強さを失っている。
 政府は、最高税率を70%から37%へと劇的に下げた。再分配政策を通じて課税後の不平等に貢献している。
 アメリカは自由競争社会だというのは真実に反する思いこみだ。本当はコネ社会であり、学歴社会だ。どの大学を出たかで、ビジネス・チャンスがまったく違う。
 かつての日本は努力すればナントカなる社会だった。しかし、最近では努力しても仕方のない社会になりつつある。子どもに勉強しようという意欲をもたせないような世代間の連鎖が冷酷に社会に存在している。
 親は教育・職業ともに上層階級にあり、所得も高かったことを忘れ、あたかも自分の成功は努力で競争にうち勝ったことによってもたらされたと思いこんでいる。親子間で不平等が連鎖していることに気がつかないか、見たくない、あるいはさわりたくないという気持ちがある。本人の成功は実は家庭環境が優れていたからこそ、達成された側面があるのに、あえてそのことに目をつぶり、世の中には機会の不平等は存在しないと考えているひとがけっこう多い。
 私にも心あたりのある指摘です。本当に恵まれた環境にあったと思います。だから、私は、環境の平等をもっと大切にすべきだと思うのです。不平等は不公正につながり、犯罪多発につながっていきます。アメリカのように怖い社会になったらおしまいです。決してアメリカをモデルにしてはいけません。

うそつき病がはびこるアメリカ

カテゴリー:未分類

著者:デービッド・カラハン、出版社:NHK出版
 ニューヨーク信用組合は創立80年、組合員の多くは消防士や警察官。9.11のあと、ATMが監視されず、いくらでも現金が出せる期間が1ヶ月ほども続いた。4000人もの組合員が自分の預金以上のものを引き出した。組合が手紙を出して返還を求めたが応じない組合員は多く、結局、1500万ドルが戻らなかった。そこで、ついに警察が捜査して大量の逮捕者が出た。
 一流の法律事務所に入るには、大学時代の成績が優秀で、LSATで高得点を得て、膨大な学生ローン(平均8万ドル)をかかえこむ覚悟が必要だ。新人弁護士の給与は年俸12万5千ドル。契約金は4万ドル。しかし、大変な特権と同時に過酷な体験をさせられ、信じられないほどのストレスにさらされる。週80時間は働かされる。そして、いつの日かパートナーになれる可能性は今やゼロに等しい。
 90年代、アメリカの弁護士の辞典に「スカッデノミクス」という新語が登場した。ファッスク代や長距離電話代などの基本的な事務費を、五つ星ホテル並みの法外なレートでクライアントに請求する慣行のこと。
 年間2200時間とか2400時間労働があたりまえというノルマを達成できる弁護士はほとんどいない。せいぜい1700時間から1800時間だ。しかし、それでは上司に叱られる。そこで、弁護士の仕事で今もっともはやっている分野のひとつが、他の弁護士の請求書を調べて水増し請求をくいとめようというもの。
 アメリカでは、大学を出ていない人の初任給は14%も減少した。労働者全体の4分の1にあたる3000万人の労働者が年収1万9000ドル以下。
 アメリカは、いまゲーテッド・コミュニティが5万をこえ、700世帯が住む。70年代初めには全米に2000しかなかった。そこは、周囲を門とフェンスで囲って住民と訪問者以外は入れないようにしたところ。カリフォルニア州では、新築住宅の40%がゲーテッド・コミュニティ内に建てられている。
 IRS(内国歳入庁)が脱税に甘くなって高額納税者は間違いなく得をした。1988年以来、低額納税者に対する調査率は3割も増えているのに、高額納税者に対しては90%も減少した。彼らは税金専門の弁護士や会計士を雇って抵抗するので、低額納税者の方が扱いやすいからだ。
 現代アメリカの真実の姿を知ることができる本だと思いました。

全員反対!だから売れる

カテゴリー:未分類

著者:吉村克己、出版社:新潮社
 世の中の発明というのは、どうせ、そんなことできっこないよ、できるはずがないという固定観念を打破してはじめてうまれるものだ。
 なるほどと私も思います。この本は、そのことをいくつかのヒット商品を通じて明らかにしています。私の知らない発明がいくつも紹介されていますが、なかでも自動包あん機は、ヘー、なるほどと唸ってしまいました。大福や饅頭そしてクロワッサンなどを自動的につくる機械を日本人が発明し、全世界で利用されているのです。ストレスフリー・システムというそうです。世界に競合する企業はないというのですから、たいしたものです。これも流動学(レオロジー)で、食材の状態を数値化していった成果だといいます。本当になんでも数字であらわすことができるんですね。びっくりします。
 トヨタ・カローラもとりあげられています。初め、えっ、なんでカローラが、と思いました。しかし、カローラは1969年からなんと33年連続で国内乗用車登録第1位。生産台数2700万台。世界140ヶ国で年間100万台がつくられている。まさに、お化けのような車です。どうして、こんな車が可能になり、また、その可能性が続いているのか。やはり、コンセプトの違いだと思いました。
 大逆転って、あるんだなあと、つくづく思いました。

悩める自衛官

カテゴリー:未分類

著者:三宅勝久、出版社:花伝社
 自衛官の自殺が年々増えているそうです。1995年度、44人。98年度、75人。99年度、62人。00年度、59人。02年度78人。03年度は90人(予想)。
 ただし、日本全国の自殺者が3万人をこえていて、人口10万人あたりの自殺率30人ほどというのに対比させると、25万8000人の自衛隊のうち自殺者が80人ほどというのは、全国平均程度かやや上まわるくらいです。
 自殺の原因は、うつ病など精神疾患を原因とするものが8割で、最近は借金によるものが急増しています。防衛庁は『借財隊員への接し方』というマニュアルをつくって内部に配布しています。自殺するのはヒラの隊員よりも、むしろ幹部や中堅クラスの隊員に多いという話も出てきます。
 佐世保の海上自衛隊に所属する護衛艦「さわぎり」内での上司によるいじめが原因で息子は自殺させられたということで国を訴えている裁判が目下、進行中です(佐世保支部)。
 自衛隊内部ではいじめがかなり横行している気配です。いくら上司の命令に絶対服従の兵士を養成するためといっても、上官による勝手ないじめが許されていいはずはありません。

故事成句でたどる楽しい中国史

カテゴリー:未分類

著者:井波律子、出版社:岩波ジュニア新書
 中国の故事成句には、私の知らないものがこんなにある(忘れたのもたくさんあります)と知って、愕然としました。
  殷鑒(いんかん)遠からず・・・自分の戒めとすべき手本はすぐ近くにある。
  狡兎死して走狗烹(に)らる・・・敵がいなくなると、功績のあった臣下は邪魔になり殺される。
  鹿を指して馬と為(な)す・・・まちがったことを他人に押しつける。
  梁上の君子・・・梁(はり)の上に潜んでいた泥棒。
  脾肉(ひにく)の嘆・・・実力を発揮する機会のないことを嘆く。
  風声鶴唳・・・臆病風に吹かれた者がわずかな物音にも仰天すること。
  騎虎の勢い・・・事を計画して中途でやめようと思ってもやめられない。乗りかかった船だ。
 国家の不幸は詩家の幸い・・・詩人の皮肉な運命
 中国は、なにしろ6000年の歴史をもつ国です。人口も12億人以上。巨大な国です。故事成句で学ぶべきところが多いのも当然でしょう・・・。

福岡県弁護士会 〒810-0044 福岡市中央区六本松4丁目2番5号 TEL:092-741-6416

Copyright©2011-2025 FukuokakenBengoshikai. All rights reserved.