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第五の権力、アメリカのシンクタンク

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著者:横江公美、出版社:文春新書
 アメリカでのシンクタンクの存在感や影響力は、立法、行政、司法そしてメディアに続く「第五の権力」とうたわれるまでに成長しています。
 シンクタンクの運営はビジネスである。トップ20の保守系シンクタンクの総資産は10億ドル。クリントン前大統領が1996年に再選されたとき、トップ20の保守系シンクタンクが集めて使ったお金は1億5800万ドル(173億8000万円)で、共和党より多かった。
 アメリカにはスーパーリッチが大勢いて、彼らが巨額の寄付をする(課税所得の50%までは免税扱いという優遇措置がある)うえ、企業の「社会貢献」と個人でも年間所得の1.2%を寄付する習慣があることがシンクタンクを支えている。
 代表的なネオコン系シンクタンクは3つとも、ユダヤ系アメリカ人がトップ。国際問題や軍事関係でタカ派の思想をもつアメリカの伝統的エリートと宗教右派が仲良くからみあって、現在の「ネオコン」と総称される集団が形成されている。
 日本のシンクタンクについては、それが政治を動かしているという印象はまったくありませんが、アメリカでは違うようです。

日本一の昆虫屋

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著者:志賀夘助、出版社:文春文庫
 わが庭にも昆虫たちがたくさん訪れてくれます。夏の蝉、秋のアキアカネ、春のチョウそして、マルハナバチやミツバチなどです。そんな昆虫たちを眺めながら、はじめての絵本を出版することができました(残念ながら、絵を描いたのではありません)。昆虫は大人になっても、本当に心を魅きつける格別の力があります。
 この本の著者は101歳になってなお、現役の昆虫屋さんです。その苦しかった幼年から青年時代を通して、昆虫を愛し続け、ついに日本一の昆虫屋さんになりました。たいしたものです。昆虫愛好家は一生続ける人が多いとのことです。でも、それっていいことですよね。いつまでも幼い心を忘れないのですから・・・。
 春はモンシロチョウと思っていたら、今ではツマキチョウの方が多いそうです。ちっとも知りませんでした。

アナトリア発掘記

カテゴリー:未分類

著者:大村幸弘、出版社:NHKブックス
 面白くて、読みながらワクワクしてきました。人生って、辛くてもじっと我慢して続けていると、きっと何かいいことにめぐりあえる。そんな気になりました。
 アナトリアって、どこの国だろう。たいして期待もせずに読みはじめました。ヒッタイト帝国って覚えていますか?そう、鉄と軽戦車の国です。アナトリアとは、今のトルコのことです。そこに日本人の学生が考古学を研究に出かけました。そして、大変な苦労のあげく、ついにカマン・カレホユック遺跡の発掘調査を実現するのです。冬はマイナス20度、夏は40度という大変な地域での発掘作業です。治安の心配もあります。
 表面に露出している遺物から地下のことが分かる。うーん、そうかなー・・・。不思議です。でも、謎解きがされると、なるほどと思います。
 ある世代の人々が建物をつくるとき、地面をならして掘り返すので、下に埋まっていたものが表面に上がってくる。そのまた次の世代の人々が建物をつくるときも、地面を掘り返すので下のものが表面に上がってくる。この営みがえんえんとくり返されるため、丘の最上部まで、本来もっとも下に埋まっているはずの遺物があがってくるのだ。
 12メートルの深さまで掘り下げて、ヒッタイトがどんな人々であったかを推測しています。考古学に少しでも関心のある人におすすめの本です。

韓国の軍隊

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著者:尹載善、出版社:中公新書
 大韓民国憲法39条には、すべての国民は国防の義務を負うとあるそうです。日本国憲法にそんな義務がないのは幸せです。その韓国の兵役義務の実情を教科書的に紹介した本だ。そう思って読んでいました。2年間の兵役で人生にとって大切なことを学んだという体験談が何度も紹介されていて、嫌になっていきました。しかし、読みすすめるうちに、この本の著者は、必ずしもそれを強調したいわけではないことが分かりました。
 韓国で徴兵制がはじめて実施されたのは日本の植民地時代であった1944年のこと。終戦で廃止され、朝鮮戦争のとき(1951年5月)に復活したのです。
 韓国人の男性がみな兵役を歓迎しているのではありません。兵役逃れも横行しています。有名な俳優が何人も徴兵逃れで評判を落としました。子どもにアメリカ国籍をとらせて兵役を逃れさせようとしている親も少なくありません。遠征出産という言葉があるのです。
 韓国の人口は4800万人。うち70万人が軍人。徴兵制のもとで2年間の兵役を終えた韓国人男性は、10人の部下をもつ分隊長という兵長で除隊することが多い。彼らは軍隊で多少なりとも権力の甘美さを味わう。軍隊で身についた「長」に対する憧れは、社会組織全体に反映され普遍化されていく。兵営生活は、人が権力を志向する上昇型人間に変身する契機となっている。軍事文化が支配してきた社会では権力志向型人間が量産される。そのため、人間の尊厳性が喪失する社会構造が形成されていく。もっぱら出世することだけが最高の価値となってしまうのだ。
 軍隊がのさばる社会は、人間が大切にされない異常な社会です。

公安警察の手口

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著者:鈴木邦男、出版社:ちくま新書
 公然の右翼活動家だった人物が日本警察の実体を鋭く告発した本です。「新右翼」の代表としての活動をやめてなお、公安警察に何十回となくガサ入れされた体験をもつ人ならではの切々たる体験記でもあります。日本の警察批判は、たいてい左翼側からのことが多いなかで、珍しい本です。
 同伴尾行というのを初めて知りました。見えないように尾行するのではなく、すぐ隣りを歩き、公然と尾行するのです。喫茶店に行けば隣りの席に坐ります。電話をかけるときには、すぐそばで聞き耳をたてています。こんなことをされたら、フツーの人間ならカーッとなって突き飛ばすでしょう。それこそ公安の思うつぼです。待ってましたとばかり、公務執行妨害で逮捕します。そのあと恩を売ってスパイになるよう持ちかけるのです。
 公安はむかし活動していて、今はすっかり足を洗った人にもずっとつきまといます。きっとまた犯罪を起こすはずだというのです。まさに、『レ・ミゼラブル』の世界です。
 警視庁公安部に2000人の公安刑事がいて、警察庁に1000人。全国の警備部の公安課・公安係をあわせると全国に1万人からの公安がいる。ええーっ、と驚いてしまいます。公安の一番のターゲットは共産党です。合法政党なのに・・・。もちろん新左翼の各党派やオウムも対象ですし、最近はアルカイダなどもターゲットにしています。なにしろヒマだということになると、行政改革の対象になって削減されかねません。絶えず、そこには怖い団体だと恐怖をあおり、自分の存在意義を売り込む必要があります。
 日常的には、「対象者」ともちつもたれつ、の関係にあります。いえ、ときには公安の方がわざと事件を起こすこともしばしばのようです。ともかく、「過激派」が存在しないとリストラの対象になりかねないのですから・・・。
 優秀な公安刑事は、明るくて人当たりがいい。一見、遊び人に見え、「仕事」を相手に意識させない。そんな指摘があります。スパイを養成し接触するという暗い仕事を毎日のりこえていくわけでしょうから、相当タフな神経が求められることでしょう。でも、本当に、それってやり甲斐がある仕事なのでしょうか?
 私の親しかった弁護士(故人)の父親は公安刑事でした。なぜか家庭が暗い雰囲気だった、大人になってやっと理由が分かったとこぼしていました。人をスパイに引きずりこんだり、密告させたり、犯罪をしたりさせたりって、本当にいやな仕事ですよね。日本を守っているのは公安だという自負心にみちて活動しているそうですが、本当でしょうか。自分の保身ばっかりのような気がします・・・。

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