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死との対話

カテゴリー:未分類

著者:山田真美、出版社:スパイス
 とても信じられないような話のオンパレードです。何もかもびっくり驚天です。
 ヒンドゥー教のお葬式は、わずか5000円の費用しかかからない。5000円は何かというと、死体を焼くための薪の値段。棺桶も霊柩車もお墓も骨壺も不要。戒名なんて日本独特のもので、中国にもない風習。
 ゾロアスター教は鳥葬で有名だが、最近は、ハゲタカが激減して、成りたたなくなっている。チベットとの国境に近いインドの奥地では昔から薪が十分にないため、死体を細かく刻んで川に撒いて魚に食べさせている。
 男女ともに日本で自殺率が一番低いのは四国の徳島県。理由は5つある。自己中心的で信仰心が強く、遊びに寛容で大食漢。そして女性は内助の功が得意。つまり、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損、損という県民性は、リオのカーニバルで踊り狂うブラジル人に似ているということ。
 それにしても、ここに紹介しませんでしたが、インドのすさまじい状況は、ますます私に行く気を喪わせました。路上に死者がゴロゴロしていて、つまづいてころんだときに下を見たら死体だったなんて、私にはとてもとても耐えられそうにありません。

眞説・光クラブ事件

カテゴリー:未分類

著者:保阪正康、出版社:角川書店
 戦後まもなくの1949年11月25日、現役の東大法学部生が社長をしていた光クラブが行き詰まり、山崎晃嗣社長が服毒自殺した。このことは私も知識としては知っていましたが、この本を読んで、少し状況が分かりました。
 27歳で現役の法学部生というのはどういうことかなと不思議に思っていましたが、彼は戦争帰りなのです。北海道の旭川で陸軍主計少尉として終戦を迎えています。ところが、山崎は横領罪で逮捕され、刑務所に3ヶ月間勾留されています。判決は執行猶予でした。
 東大に復学してから山崎は猛勉強し、20科目のうち17科目で優、残る3科目は良をとりました。すごい成績です。ちっとも自慢になりませんが、私は大学時代に優をとったことがほとんどありません。せいぜい良、たいてい可ばかりでした。単位不足のため、あやうく卒業できないという寸前の状況でした。
 三島由紀夫が山崎と同じころに東大法学部にいて、山崎をモデルとして『青の時代』という小説を書いているそうです。どちらも11月25日に自殺しているという共通点がありますが、2人ともクラス内に友人がほとんどできなかったという点も似ていました。
 山崎は、今でいうヤミ金融のはしりです。派手に広告をうってお金を集め、お金を貸していました。ヤミ金融がいかに綱渡りの存在であるか、山崎は自殺ということで証明してしまいました。でも、今のヤミ金融の連中は簡単に自滅しそうもありません。

アメリカは正気を取り戻せるか

カテゴリー:未分類

著者:ロバート・B・ライシュ、出版社:東洋経済新報社
 著者はクリントン政権時代に労働長官をつとめていました。私と同じ団塊の世代です。
 ネオコンという言葉は最近ようやく日本人にも定着していますが、この本ではラドコンという言葉が登場しています。耳慣れないのですが、過激保守派ということです(ラジカル・コンサーバティブ)。ラドコンは強い信念をもっている。それが強さになっている。自分たちは悪との戦いにおける善の力を代表していると確信している。
 ラドコンに同意しない人々は政治に幻滅し、意気阻喪しており、反撃しても仕方がないと思っている。公共の場ではリベラルの思想や理想が語られなくなっている。
 ラドコン版の繁栄は、金持ちに報い、中産階級にはほとんど何も与えず、貧困者は不利な状況に追いやる。トップ経営者が巨額の報酬をさらに増額させている一方で、中間レベルの経営者や時給で働く労働者は仕事を失ったり、定年のための貯えを年金給付もカットされている。
 トップ経営者の所得は1980年に平均的労働者の賃金の42倍だったが、1990年にはそれが85倍となり、今は280倍にもなっている。それも会社の業績自体は悪化しているのに・・・。昔は限度というものがあったが、今はない。
 アメリカの高額所得者の所得税率は、第一次大戦中は77%、第二次大戦中は90%。それが、1980年に70%だったのが、レーガンが28%にまで大幅に下げてしまった。健康保険の民営化は金持ちにとっては良いアイデアだが、そうでなければ悲惨な目にあう可能性がある。
 ラドコンのすすめる武力行使は無責任だ。その結果、テロ行為を増やしてしまうからだ。
 アメリカは、イランのシャー、コンゴのモブツ、ニカラグアのソモサ、ギリシャや韓国の将軍、チリのピノチェト、フィリピンのマルコス、アフガニスタンのムジャヒディンを援助してきた。アドバイスを与え、暗殺団や拷問の専門家を訓練し、設備を提供し、さらに独裁者が蓄えた巨大な富を隠すのに手伝ってきた。ラドコンは世界から危険を取り除くどころか、一段と世界を危険なものとしている。
 リベラル派が勝利するのには、熱意つまり情熱が必要だ。リベラル派は今こそたたかいを開始しなければならない。多くの真面目な有権者が政治に幻滅を感じて棄権している。そんな有権者は、腐敗したシステムを変えるのには上品なだけではダメだということを知っている。やはり、真の改革者であるという熱情をもって訴えなければいけないのだ。しかも、それを楽しくやらなければならない。希望とユーモアの気持ちをもって政治を実践しなければならない。
 この最後の訴えかけに私もそうだ、そうだと心が震えました。今は状況に負けて、愚痴をこぼしているときではないのです。9条改悪なんて許さないぞ。さあ、明日から、もうひとがんばり楽しくたたかおう。この本に勇気をもらって、ますます元気になりました。

悪魔のマーケティング

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著者:ASH、出版社:日経BP社
 タバコを吸うと、ひとは快感を得る。ただし、30分程度しか快感は続かない。30分過ぎると、ニコチン切れの状態に陥り、イライラするなど不愉快な禁断症状が出てきて、タバコが吸いたくてたまらなくなる。ニコチン依存症だ。喫煙者の大半は本人の意思ではなく、ニコチン依存症のせいで、タバコを吸わされている。ニコチンは脳のドーパミン系に作用して、ヘロインやコカインなどの麻薬と似た働きをする。
 紙巻タバコには、ニコチンの体内吸収を促進する添加物が含まれている。紙巻タバコは、ニコチンを注入する注射器なのだ。タバコの煙には、4000以上の化学物質が含まれている。その多くは、発癌性物質であり、変異原性物質であり、有害なもの。タバコを原因として死亡する人は日本で年に9万5000人と厚労省は推定している(1995年)。
 24歳をすぎてタバコを吸いはじめるのは5%以下。だからタバコ産業のターゲットは18歳。18歳でタバコを吸いはじめると、その銘柄を忠実に吸い続け、年をとっても銘柄を変えることはない。もし、ヤングアダルト・スモーカーがタバコを吸い続けなければ、タバコ産業は衰退していく。
 紙巻タバコからニコチンを全部とり除くことは実は可能。しかし、ニコチンが少なすぎると、人気を失ってしまう。ニコチン中毒者が生まれないとタバコ産業もなりたたない。低タールタバコは、喫煙者が禁煙するのを遅らせたり、断念させたりするための戦略の一部である。
 女性は男性に比べると、タバコによる健康影響が出やすい。乳癌で亡くなった女性は1万人足らず。子宮癌は5千人ほど。ところが、肺癌は1万5千人もいる。女性はホルモンや体格のうえで、タバコ依存症にもなりやすい。タバコはダイエットに良いどころか、逆に美容の大敵。肌荒れ、しみ、歯と歯茎の病気、しわが増加する。ところが、第三世界で女性の喫煙率は急スピードで上昇している。
 タバコを吸うのが経済発展の象徴であるかのような幻想が第三世界に広がっている。世界で生産される7%のタバコが輸出にまわされ、そのうち3%が密輸されている。
 もちろん、俺たちはそんなもの(shit)は吸わない。ただ売るだけ。タバコを吸う権利なんざ、ガキや貧乏人、黒人そのほかのおバカな方々に謹んでさしあげる。
 こんなに馬鹿にされて、それでもあなたはタバコを吸い続けますか・・・?

東大で教えた社会人学

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著者:草間俊介、出版社:文芸春秋
 私と同じ団塊の世代が東大工学部で学生に対して、知っておくべき社会の「暗黙知」を教えた授業が本になっています。うんうん、なるほど、そうだよな。つい我れ知らず頭を上下にふりふりさせながら面白く読みました。
 日本の土地神話は銀行の担保主義に支えられてきた。土地の資産価値は下がらない。つまり、地価は上がり続けるという幻想があったから、銀行は土地を担保に取ってきた。そして、銀行が担保にとるから土地の値段がついてきた。しかし、その銀行も今では、その土地がどれだけ収益を生むのかという評価に変わってきている。これからは収益の上がらない土地の地価上昇はないと考えるべきだ。
 対米追従は従来型システムの典型。自国の正義を声高に主張するアメリカには自分の醜さが見えていない。それがアメリカの浅はかさであり、恐ろしさだ。そんなアメリカに依存して生きなければいけない日本は危うい。
 日本の政治家や官僚には、アメリカを怒らせたくないという恐怖心が根底にある。アメリカが守ってくれるという対米従属の体質が骨の髄まで染みついている。アメリカから文句を言われると、「はい、そうですか」とすぐに言うことを聞いてしまう。こんな思考停止状態を続けていたら、日本はいつまでも国家ビジョンをもちえない。
 日本の製造業が強くなったのは、人材の有能さだけでなく、しっかりした人材育成をしていたから。誰にでも潜在能力がある。これは、トレーニングによる日々の鍛錬と本人のやる気のうえに、チャンスが重なって初めて発現する。開拓せずに放っておくと潜在能力はいつのまにか消失してしまう。だから、フリーターが潜在能力を開花させるのは至難の技だ。どこの会社でも、給与は自分の稼いだ額の3分の1しかもらえないもの。つまり、会社としては給料の3倍は働いてもらわないと人件費がペイできない。立派な戦力として評価されるには5倍は働かないといけないものだ。
 トップと同じような考え方をする人間ばかりの会社は居心地がいいかもしれないが、周囲の状況変化への対応力は極端に低い。変化の激しい今の時代で生き残るには、同じような考え方の人ばかりではダメ。
 30年前、「会社の命は永遠。その永遠のために奉仕すべき」という遺書をのこして自殺した大商社の常務がいた。しかし、会社は決して永遠ではない。昔からそうなのだ。会社に殉ずる人生など、自己満足にすぎない。まず個人として独立した考えと価値観をもつ。会社の論理や都合なんて、その次でいい。
 年齢(とし)をとると判断が早くなる。これは頭のなかでパターン認識ができるということ。だけど、パターン認識だけで仕事をしていると、いつのまにか思考の柔軟性がなくなってしまう。新しいことを経験しないと頭が固くなる。
 人は能動的に頭をつかって何かアクションをしようとする思考回路ができる。受け身のときにはできない。この思考回路を何度もつかっていると、脳内で前より200倍も早く信号が流れ、超高速で思考できるようになる。一度この思考回路ができると、別のことを思考するときにも超高速でできるようになる。
 うーん、いろいろ勉強になりました。大学時代というのは生涯の友人をつくるのに最適の時期だという指摘がなされています。私も4年間も学生セツルメントにうちこんで生涯の友人を得ることができ、人生の宝だと今も瞳のように大切にしています。

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